第34話・放課後デートはファミレスで
「ささ、お兄ちゃん。ファミレス行こ?」
放課後にミウと合流したら、さっそく彼女が腕を組んできた。
そのままファミレスへと向かい、ビルの1階にあったファミレスに入った。
ミウの要望からソファー席に横並びに座ることになり、とりあえずミウを奥に座らせてからその隣に座る。
すると、ミウが席を詰めるようにぴったりと寄り添ってきた。
甘えたいのかな?
ちょっと体をずらしてミウの方を向くように座り直すと、ミウがどこか恥ずかしそうに髪を耳にかけた。
思わずドキッとする。
それからメニューを見て、お互いに食べれそうなものを注文。
ファミレスは家族向けなので仕方ないとは思うが、それでもギャーギャーうるさいガキや周囲の迷惑を考えず大声で話す主婦たちがいなくてよかったと思う。
「お待たせしました。フライドポテトです」
「あ、すみません」
料理を運んできた若い女性店員さんと一瞬目が合ったら、彼女はふっと笑みをこぼした。
たぶん初々しいカップルにでも見えたのだろう。
フライドポテトが盛られた皿を俺とミウの間に置き直す。
カップルに見えるのなら、やることは1つだよね?
まずは先にお手拭きで軽く手を拭く。
「じゃあさっそく。頂くね?」
「う、うん」
注文したフライドポテトを1本つまみ、その先をフライドポテトに添えられていたケチャップに軽くつける。
「はい、あーん……」
自分のではなくミウの口へと運ぶ。
ミウも特に拒否せずパクッと一口。
「ふふ。どう?」
「う、うん。カリカリしてておいしいよ? お兄ちゃんも食べてみたら?」
ほんのりと頬を染めながら言葉を返してくるミウ。
人目があるところだったので俺もちょっと恥ずかしいけど、ここであーんをやらなかったら男が廃るよね?
「そうだね」
ミウがかじったポテトを口に運ぶ。
「あっ――」
カリッとした食感でおいしい。
ちょっと熱かったけど。
たぶん業務用の冷凍ポテトだと思うので、その気になれば家でも再現できる味だ。
でも、揚げた油の処理とか、ガスコンロの周りを掃除するのが意外と大変なんだよね。
「ちょっと熱かった?」
「ミ、ミウのところは大丈夫だったよ?」
「そう?」
なんか妙に頬が赤い気がするけどなんだろう?
「つ、次はミウの番です」
背筋をピンっと伸ばしたミウに食べさせてもらう。
うん、ちょっと恥ずかしいねこれ。
――
「それでお兄ちゃん。普通にパフェとか頼んじゃったんだけど、お金平気?」
フライドポテトを食べ終えたらミウからそんなことを聞かれた。
「大丈夫。値段見たけどそこまで高くないし」
俺はチョコレートのパフェに、ミウは色々なフルーツが盛り付けられたパフェだった。
どちらも手事な価格と量のミニサイズがあったのでそれを注文してみたけど。
「そっか。あと、ミウが倒れた時に作ってもらったプリンあったね?」
「いや、あれはレトロプリンだから、ここのイタリアンプリンとはちょっと違うぞ? イタリアンプリンはたしかチーズが入ってたはずだ」
どの種類のチーズを使ってたのかまでは覚えていないけど。
「そうなの? じゃあ、それにすれば良かったかな?」
「なら、1品追加する?」
「え? いいよ。さすがにそれは食べすぎになっちゃうから。ジュースも飲んでるし」
「そう?」
ファミレスなのでドリンクバーも注文した。
せっかく注文したのでオレンジジュースとハーブティーを使って二層のカクテルっぽくしてみたら、ミウの目がキラキラしてたのでミウの分を作ったりもしたけど。
個人的には何杯も飲みたかった。
でも、今日はデートということもあるし、今はミウがぴったりとくっついているので、そういうことはしない。
友達同士のようにワイワイやりたいという気持ちもあるが、これはこれでやりたかったことだし。
何よりもミウの機嫌を損ねそうで怖い。
――
「ふふ。これも一口ずつ交換だね?」
パフェが運ばれてきたらミウが笑みを浮かべながらそんな提案をしてきた。
「そうだね。ただ、先にミウのをもらおうかな?」
「あっ。ちょ、お兄ちゃん――」
汚してない新品スプーンを使って先にフルーツパフェのソフトクリームの部分を一口もらう。
うん、見た目通りのねっとりとした濃厚なミルクの味。
バナナやイチゴなどのフルーツを食べるのは遠慮したけど、これはフルーツと一緒に食べるのがいいのだろう。
「ずるいよー」
「じゃあ、スプーン貸して」
ミウのスプーンを借りてチョコソフトを一口取ってミウにあーんして食べさせる。
「んふふ。あまーい」
幸せそうな笑みを浮かべていた。
俺も自分のスプーンですくって食べてみるも、こちらも見た目通りの味。
ねっとりとした濃厚なチョコレート味であるが、すっきりした甘さだった。
アクセントなのかわからないが、角切りにされたガトーショコラも載ってる。
「ふーん。お兄ちゃん。ここではスプーンで間接キスとかしないんだ? さっきのポテトは普通に食べたのに……」
ミウに借りたスプーンを返すとなんかミウにジト目で見られた。
ポテトは特に意識してなかったけど、さすがにスプーンはねぇ?
「さすがに俺が使ったやつだからね。それに人目もあるし」
「そっか。じゃあ人目が無かったら?」
「ペロペロする」
「へんたいー。こーこーせーにもなって、ちゅーがくせーみたいなこと言ってるー」
声は抑え気味であったが、顔を赤くしたミウに変態扱いされてしまった。
今更だけど。
「こ、今度はミウがあーんしてあげる番だね? はいあーん」
ミウからソフトクリームを食べさせてもらうも、食べさせてもらってからミウが自分のスプーンを使ってたことに気づいた。
「ふふ。間接キスだねお兄ちゃん?」
「そ、そうだな」
そんなやり取りをしながらもパフェを食べ進めた。
――
「ファミレスではちょっと長居しちゃったかな?」
自宅に戻って一息入れた後、ミウを膝に乗せて感想を聞いてみる。
ミウと話していたら、1時間半ぐらいたってたので、ちょっと慌てて店を出た。
一応、パフェを食べ終えてから、誘惑に負けてイタリアンプリンも追加。
ミウと2人で1つのプリンをつついて食べてたので問題ないとは思うけど。
もちろん、店から出た後も仲良くミウと手をつないで自宅に戻った。
「大丈夫じゃない? それよりも、今度行ったらハンバーグでも頼んで見ようかな?」
「そうだな」
今回は時間帯が微妙だったので軽食にしたのだが、今度はしっかりとした食事を取ることを目的に行ってみよう。




