表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
61/102

新たな冒険が、再び始まった。

「「リンク・ブルーム!!」」


──パァァァァァァァ!!!


虹色と金色の光が、夜空いっぱいへ広がった。


巨大な花の魔法陣。


その中心で。


春の世界樹剣と、結衣の星杖が共鳴する。


魔物が苦しそうに叫ぶ。


『アァァァァ!!』


黒いコードが暴れ出す。


だが。


今度の光は違った。


破壊じゃない。


暖かい。


優しい光だった。


結衣が杖を握りながら叫ぶ。


「大丈夫だから!!」


涙目なのに、必死だった。


「もう苦しまなくていいから!!」


春も剣を振る。


「深淵なんかに負けるなぁぁ!!」


その瞬間。


光が魔物を包み込んだ。


──パァァァ……


黒いコードが、一つずつ消えていく。


魔物の赤い瞳が揺れた。


『……ア……』


巨大だった身体が、少しずつ縮んでいく。


闇が剥がれ落ちる。


そして。


最後に残ったのは。


小さな黒猫だった。


「……え?」


全員が固まる。


黒猫はふらふらしながら地面へ落ちる。


春が慌てて受け止めた。


「猫!?」


リリィが飛びつく。


「かわいいですぅぅぅ!!」


レオナが笑い転げる。


「ラスボス感どこいった!?」


ミアも困惑していた。


「深淵魔獣が……猫?」


黒猫は弱々しく春を見る。


赤かった瞳は、綺麗な蒼色へ変わっていた。


そして。


小さな声で呟く。


「……たすけてくれて、ありがと」


全員沈黙。


春が目を丸くする。


「喋った」


「喋ったですぅぅ!!」


黒猫は疲れたみたいに、春の腕の中で丸くなった。


結衣がしゃがみ込む。


「この子……深淵に操られてたんだ」


ゼルヴァが静かに頷く。


「恐らくな」


黒猫は目を閉じる。


「ボクの名前……ルナ……」


そのまま眠ってしまった。


春は苦笑する。


「なんか増えたなぁ……」


レオナがニヤニヤする。


「お前、主人公体質すぎるだろ」


結衣が小さく笑った。


そして。


ふと春を見る。


春は黒猫を優しく撫でていた。


戦う時はかっこいいのに。


こういう時、すごく優しい。


結衣の胸がまたドキッとする。


春が気づく。


「ん?」


結衣は慌てて目を逸らした。


「な、なんでもない!」


レオナがニヤァっと笑う。


「青春だなぁ〜」


「うるさい!!」


街には少しずつ笑顔が戻り始めていた。


でも。


空の亀裂は、まだ完全には閉じていない。


ゼルヴァが夜空を見上げる。


「……門は広がっている」


ミアも真剣な顔になる。


「深淵界とこの世界の距離が近づいてる」


空気が静かになる。


まだ終わっていない。


むしろ。


本当の戦いはこれからかもしれない。


その時。


結衣の魔導書が静かに光った。


ページがひとりでに開く。


そこに浮かび上がった文字。


《星花の巫女へ告ぐ》


《七つの鍵を集めよ》


《さもなくば、世界は深淵へ沈む》


春たちは顔を見合わせた。


レオナが頭を抱える。


「また旅かよ!?」


リリィが元気よく飛び上がる。


「冒険ですぅぅ!!」


結衣は不安そうに春を見る。


「……どうするの?」


春は少しだけ驚いた。


でも。


すぐに笑う。


「決まってる」


世界樹剣を肩へ担ぐ。


仲間たちを見る。


みんな、もう同じ気持ちだった。


春は空を見上げた。


夜空の向こう。


まだ見ぬ世界が広がっている。


怖い。


でも。


ワクワクしていた。


春は結衣へ手を差し出す。


「行こう」


結衣はその手を見る。


少しだけ照れながら。


でも。


嬉しそうに笑った。


「……うん!」


そして。


“世界樹の継承者”と“星花の巫女”。


新たな冒険が、再び始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ