姉、内緒話をする
聞こえてきたアメリアの声は、
柔らかく親しみを感じるもので、
椅子から立つべきか迷うなか、
「わたくしとのお茶会は退屈だった
かしら?」
思いもよらない問いかけに慌て
首を振るも、
「そうかしら?
とても眠そうだわ」
悲しげに伏せられた顔と視線に、
「違うの。昨日、夜を明かして話込んで
しまって、それで、その」
急ぎ否定したものの、どこまで話て
良いのか分からず言葉を濁せば、
「あら。わたくしとの時間より
楽しい時間を過ごしただなんて」
やけますわね。
自分が塚絵していいか分からず
困っている事を楽しんでいる声
と表情に、
年相応のアメリアの姿なのだと
思いつつも
「もう。揶揄ないで」
姉心を出しての注意を、
「誰かと誰かを比べる事は無いけど、
アメリアも大勢な親友の1人よ」
隣同士に座っているが、体ごと
動きアメリアへ向けると、
「まぁ、嬉しい事を」
頬を染めふんわりと笑うアメリアに
釣られ微笑み返すと、スッと首に
腕を回され首筋に顔を埋められ
「声での返事は要りませんわ」
そう耳元で小声で告げら了承の
意味を込め抱きしめ返すと、
「昨日は領へ行ってらしたのね?」
内緒話をするように小さな声で
尋ねられた事に、緩めた腕の力を
入れ是と返事をすると、
「ご友人は変わりはなくて?」
アメリアの言う友人はミランダの事
だと判断し、アメリアの気遣いと
優しさに嬉しく思い、目一杯力で
抱き締めると
「まぁ、嫉妬してしまいそうですわ」
くすくすと笑う声に、さらに抱きしめ
る力を入れると、
「嬉しいですこと」
アメリアの意図はなんとなく分かり、
自分が声に出して返事をしない事で
アメリアの独り言として処理される
方法をとってくれた優しさに感謝し
アメリアの背中を撫ぜ伝えると、
「わたくしだって親友を困らせたくは
ありませんもの」
普段とは違い、慈しみと優しさに
色を含んだ声に
「私だって、そうだよ」
つい声で伝えると、さらりと回されて
いたアメリアの腕が解き体が離れると、
「ありがとうございます」
見惚れるほどの笑みと頬を染めた
初々しい表情に、見つめていると
アメリアは瞬きを1つしたのち、
「外は寒いわね。
そろそろ入れてあげましょう」
先程の柔らかな雰囲気から一変
最高位貴族らしい凛とした雰囲気に
戻り自分に微笑みながら告げた言葉に
頷き、淑女としての動きで廊下で
待っているルイとマリーを室内に
迎えるために扉に手をかけた。
冷えた空気と共に部屋へ入ってきた
ルイとマリーへ温かい飲み物と思い
ティーセットが乗っているワゴンへ
向かうも、
「そろそろ、お時間です」
ルイの言葉に動きを止めアメリアを
見ると、優雅に微笑み、
「そのようね。また明日、
いらっしゃい」
その言葉にルイとマリーは頭を下げ礼を
取る中、少し遅れアメリアに向かい
頭を下げ、3人で部屋を出て歩き出す。
遠くから聞こえる女性と男性の声らしき
音が聞こえつつ、3人無言で歩き、
校舎を出て、マリーと別れの挨拶を交わし
ルイと共にフレディの待つ馬車へ足を進めるが、
ワザとゆっくりと足を動かしている事に
気が付いたルイが不思議そうに自分を見た
ので、
「昨日、領へ行ってきたの」
小さな声でルイだけに聞こえる様に
話だし出すと、
「馬車の中で聴く」
反対に急ぐように告げられ、
早足で馬車へと向かった。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
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フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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