レベルアップ
私とアイカの脳内に世界の声が響く。
《『朝比奈春夏』がレベルアップしました。》
(レベルがあがった!)
ここまで長かった。
ドラゴンズリングであればもう既にレベル5くらいにはなっていても良いと思えるほどの敵を倒していたが、なぜかレベルが上がらなかったのだ。敵を倒していると軽い快感のようなものを感じたため経験値を得ているような気はしていたが確証が持てないでいた。
(でもこれって……)
ドラゴンズリングではレベルが高くなるほどレベルアップまでに必要な経験値が増えるが、Lv1→Lv2でこれだけかかったということは今後の必要経験値の多さが心配になる。
しかし、ひとまず敵を倒していけば経験値が手に入り、レベルが上がるということが分かったのは大きい。
私は、内心で安堵しつつ、力を放出しきって脈動が止まった鬼喰を鞘に収める。
一瞬遅れて、鮮血を撒き散らしながらゴブリンの首と胴体が別々に地面に落ちた。
その様子をちらりと見た春夏であったが、ふと違和感を感じた。
(あれ?)
春夏は元々は残酷な描写は苦手だったはずだ。多少の血液くらいなら問題ないが、極端に痛々しい傷や内蔵が出てしまっている描写には耐性がない。父が見ていたR-18G指定の映画をうっかり見てしまった時は気分が悪くなってしまった事があったくらいだ。
そんな彼女だが、先程のゴブリンの死体を見ても全く気分が悪くはならなかった。むしろ倒した瞬間は快感すら感じていた。これも魔王種になった影響なのだろうか。それともこの世界に来たからなのか。
などと考えているとアイカの声がした。
「残敵ゼロ、オールクリアです。ゴブリンの殲滅、完了しました。」
任務完了だ。
──コンバット・アシストモード──終了(Exit)
私はそう言ってアイカのコンバットアシストモードを解除した。
「コマンドを受理しました。コンバット・アシストモードを終了します。」
「おつかれ。」
「マスターもお疲れさまです!最後の一撃、とってもかっこよかったです!
あとレベルアップおめでとうございます。ようやくレベルが上がりましたね!」
「えへへ、ありがと。」
「ステータスを解析しますか?」
「うん!おねが……痛っ!」
「マスター?」
「いったぁあああああああああああああい!!!」




