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将来の夢は魔王になることです!  作者: 月之木ゆう
第三章 ゴブリンとの戦い
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黒牙(コクガ)


「補助魔法おねがい。低位ので良いよ。」


まずは小手調べだ。

もちろんアイカは最上級の補助魔法を扱えるが、私はあえて低位の補助魔法をかけるように頼んだ。頼んだと言っても、コンバットアシストモードのアイカにとっては命令になってしまうのだが、強制的に命令として処理するのは反応速度を限界まで上げるために必要不可欠なのである。


「了解。」


アイカが頷くと同時に、私に補助魔法を連続してかける。ちなみに、以前アイカが言っていたが補助魔法をかける順番にもこだわりがあるらしい。


──ストレングス(筋力)・インクリース(増加)

──クイック・モーション(速度上昇)

──ディフェンス(防御力)・インクリース(増加)

──プロテクション(障壁)



盗賊のステータス上昇と補助魔法の効果なのか、身体が軽い。


「よし、敵の状況をモニタリングして。接近までのカウント開始。」


私の指示に、即座にアイカが対応し戦闘補助を開始した。


「了解。モニタリング及びカウントを開始。包囲されるリスクを回避するため、村の周囲の敵排除を優先することを推奨します。」

「分かった。」

「肯定と認識。村の周囲の敵を優先目標に設定しました。

 敵に接近中、距離50。数2。こちらに背を向けています。無音での殺傷を推奨。」

「まかせて!」


私は漆黒の短剣 黒牙(コクガ)を抜き放ち低く構えた。漆黒の刀身の波紋の輝きが揺らめいて見える。ゲーム内ではこんな細かい部分は表現されていなかった。


(きれい。)


刀好きの春夏の目にはとても魅力的に映っていた。思わず見惚れてしまいそうになるのを堪え、瞬時に思考を切り替えて気を集中させた。


走りながら身の内で力を練り上げる。すると身体からオーラが薄っすらと立ち昇り、自身の中で力が高まっていくのを感じた。

以前、斬撃を放ったときと同じ。


(この感覚だ。)


私は視界に捉えたゴブリンに意識を集中させ、闘気を練り上げる。そして、練り上げた闘気を身体に纏うとオーラの力強さがさらに増していく。

練り上げた闘気を黒牙(コクガ)にもまとわせるが、鬼喰(オニクイ)のときとは違って、黒牙(コクガ)のエフェクトが変わることは無かった。だが、力の高まりはしっかりと感じる。

私は、黒牙(コクガ)を握る手に力を込める。そして、音もなく1匹目のゴブリンの背後に忍び寄り、放った。


──静殺斬(せいさつざん)


瞬間、黒牙(コクガ)の黒い刀身が煌めき、ゴブリンの喉元を切り裂いた。全くの無音での一撃だった。切られたゴブリンは一切の声を挙げられず、その場に静かに崩れ去る。切られた喉元からは血と共に黒牙(コクガ)の猛毒が滴り落ちていた。

武技の発動も問題ないようだ。


一匹目が崩れる瞬間に、隣のもう一匹が異変に気づいた。しかし──


「遅い。」


完全に背後をとっており、こちらの間合いだ。

春夏の手には既に雷光(ライコウ)が握られていた。

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