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将来の夢は魔王になることです!  作者: 月之木ゆう
第三章 ゴブリンとの戦い
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忍(しのび)

(ティグリスは大丈夫かな……。)


心配しつつも身体は勝手に動いており、私は気づくと走り出していた。


「安心してください。まだ戦闘は始まっていないようです。どうも住人が一つの家に集まって立て籠もっているようです。すぐに戦闘が開始される様子はありませんね。」

「良かった!でも急ぐよ!」


そう言って、左手の指輪に意識を向ける。


「プロフェス!久々の出番だよ!」

「うむ。我に強く念じよ。」


──転職(ジョブチェンジ)──忍(しのび)


指輪に念じると、春夏の身体が光りに包まれる。先程まで装備していた魔法使い用のノワールシリーズが、光の粒子となっていく。その粒子が再び集まり、徐々に登録された忍(しのび)用の装備の形を取った。

次第に光が治まっていき、その姿が顕になる。もちろん、以前のように装備なし(・・・・)とはならない。


(この装備は見た目も好きなんだよね。)


以前見たアクション映画に出てきたハリウッド女優が演じていたカッコいい女性忍者(くノ一)の衣装に似ていたため、春夏はこの装備を特に気に入っていた。


その装備はドラゴンズリングでは珍しく和風のデザインだった。黒が基調で、赤がアクセントの装備だ。黒革の胸当とブーツ、太ももにはベルトが付いており飛び道具である苦無と手裏剣などが括り付けられている。手には和風の籠手が装備されていて、インナーは腰回りが網状になっており忍者らしさを引き立てていた。肩から先と太ももの露出によって、女性らしさもしっかりと演出されている。こういったところには製作者の強いこだわりを感じる。


長い髪は後ろで一つにまとめられ、首元にはマスク用の布を巻いていた。

剣士などの装備と比べると防御力は劣るが、伸縮性、消音性能に優れており、太もものベルト、籠手やブーツには、仕込みブレードなどの様々な武器が隠されているのだ。

まさに忍者にふさわしい一式である。


シリーズ名はクナイだ。

クナイシリーズは、ドラゴンズリングに登場するNPCの忍者クナイの装備のレプリカである。見た目は全く同じで、性能は若干ゲームバランスを考慮して修正されているがそれでも隠密性能が異常に高かった。もちろん入手方法は課金ガチャのみである。


その隠密性能はゲーム内でもトップクラスだった。

なにせゲーム内では、一式揃えると足音が完全に消え、姿さえ見られなければ敵に気づかれなくなるという優れた特殊効果が発動していたのだ。一部のボスモンスターには効果がないものの、ノーマル相手には不意打ちによるダメージボーナスが確実に狙える利点はかなり大きかった。


「ちゃんと足音消えてるよね?」


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