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将来の夢は魔王になることです!  作者: 月之木ゆう
第三章 ゴブリンとの戦い
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異世界グルメ旅計画

「異世界グルメ旅の計画立てなきゃね。」

「そうですね。マスター。」

「まずは地図作ろ!」


そう言って私はアイテムボックスからドラゴンの鞍を取り出した。


テテレテッテレー!


「ドラゴンの鞍!」


私はこの鞍を使ってドラゴンに乗り上空から周辺を見渡し地図を作るつもりだった。

ゲーム内のエフェクトでは、この鞍を使用するとポンッと煙が出て目の前にドラゴンが出現するのだが、この世界でも上手く機能するだろうか。


鞍系アイテムは様々な種類があり、使用すると騎乗用のモンスターを出現して移動に使えるアイテムなのだ。馬や鳥、魔獣など多種多様だがどれも課金ガチャアイテムだったので、全プレイヤーが所有している訳ではなかった。所有していないプレイヤーは、馬か大きなダチョウのような鳥をレンタルして使っていた。


もちろん、アイカのおかげでお金に余裕があった春夏は、鞍専用の課金ガチャを何度も回し、レアアイテムであるドラゴンの鞍を手に入れていたのである。このドラゴンの鞍を使って上空から周辺を一回りすれば簡単に地図が作れるだろうと思っていたのだが。


ちなみに、ドラゴンでひとっ飛びしてサクッとこの世界を回ってしまおうなんて事は、この時の春夏は考えてもいなかった。なぜなら、面白くないから。たったそれだけの理由である。


(でも、やっぱり異世界といえばドラゴンだよね。ああ、飛んでみたい。)


ただ、ドラゴンに乗って上空を飛んでみたいという矛盾した思いがあったため、地図を作るという言い訳でもって周辺を一回りするだけ、という形に納まったのである。


「待ってくださいマスター!ドラゴンはまずいです!!!」


しかし、アイカに否定された。


「え!なんで?」

「思い出してください。マスターの放ったファイアーボールですら、獣人の目に留まったのです。ドラゴンなんて持ち出した日には……。」

「えー。」


何をそんなに警戒しているのだろうか。

釈然としないところがあるが、アイカがすごい勢いで止めにくるので、私は渋々といった様子でドラゴンの鞍は諦めた。


「でもそれじゃ周りの様子が分かんないじゃん。」

「安心してください。私が説明します。」


アイカは私が気絶していた際に上空から、周辺の様子を確認したらしい。

アイカだけずるい。

やはりどこかでドラゴンの鞍は使おう。


そう思う春夏に対して、アイカが説明を始める。


「ここから東の方角に大山脈が南北に広がっています。」

「うんうん。」

「それで西の方に行くと村があります。」

「うん。ティグリスの住む獣人の村だよね。昨日行ったところだね。他は?」


じつはアイカは上空に飛んだ際には、慌てていたこともありそれほどちゃんと周辺の状況を正確に把握できているわけではなかった。あまり周辺地理について深く聞かれると答えられない部分がある。そうなると、春夏が自分で周囲を回ると言い出しかねない。


「ええっと…あと南西の方にゴブリンの集団が見えました。」

「え、ゴブリン!?

 それってどれくらいいたの!?」

「正確な数はわからなかったのですが、20匹はいましたね。」


春夏がいつもの調子で話を脱線させてくれたので、アイカはホッとしていた。

一方の春夏は、ゴブリンが多数居たという話を聞いて思案顔となっていた。


「20匹……。」


ゴブリンは弱い。20匹くらいなら、今の私でも簡単に倒せるはずだ。万が一の時はアイカも居る。

もし、ティグリスの話していた村が襲われたら大変だ。なにせ戦えるものが殆ど居ないと言っていたのだ。

ティグリスのことも気になるし、旅に出る前に少しだけ様子をみてみるとしよう。


「アイカ。ちょっと心配だから見に行ってみたいんだけど良いかな?」

「もちろんです!すぐに準備します。」

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