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将来の夢は魔王になることです!  作者: 月之木ゆう
第三章 ゴブリンとの戦い
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精霊の食べ物

「分かった!この中!」


春夏がそう言って、家を建築した際の水魔法で生じた池を指差す。


「正解です!」


アイカとメトシェラがパチパチと拍手をしてくれた。

程なくして、水面からアースゴーレムが顔を出し、池からはいでてきた。


ゴーレムが池から出た後、水面がゆらぎ始める。

池の水面が不自然に盛り上がり、やがて少女の上半身のような形になった。


「もしかして、アクアエレメンタル…さん?」

「……。」

「春夏様、おはようございます。と申しております。」


メトシェラが通訳をしてくれる。

アクアエレメンタルが挨拶をしてくれたようだ。私が、おはようと返して、家を作るのを手伝ってくれた例も告げると、恥ずかしそうに両手を自分の頬に当て、軽く一礼した後に水面へと消えていった。

私には何と言っているかは分からないが、なんとなく、えへへ。どういたしまして。と言っているように見えた。


「なんて言ってたの?」

「それはですね……。」


◇


私はアクアエレメンタルが鹿やイノシシ、果てはティグリスなど様々な形に変形して、微精霊達と遊んでいるのを眺めながらアイカに尋ねる。


「ところでアイカ。」

「はいはい、なんでしょーマスター。」

「ゴーレムとかエレメンタルってさ、なんで消えないの?」


春夏がやっていたMMO-RPGのドラゴンズリング内でも、ゴーレム作成や精霊などの召喚魔法はあったが、どれも時間制限付きで、レベルにもよるが長くても数時間経過すると消えてしまうのだ。


「私にもわかりませんが、今の所、作成や召喚した者たちは消えたりしていませんね。」

「昨日呼び出したルミナスエレメンタルは?」

「ああ、今は上空で日光浴をしていますね。」


上空を見ると空中に光るたまのようなものが浮いていた。

光の精霊だけあって、光を栄養にしているのだろうか。


「光を吸収してるの?」

「それはですね……。」


メトシェラが説明してくれた。

精霊は基本的に自分の属性に近いものを取り込むことで、エネルギーを得ているらしい。なので、同系統のものを与えてあげればエネルギーを回復し、存在を保ち続けられるようだ。そのエネルギーがなくなると、死亡してしまうようだ。消滅ではなく死亡と言うからには、魂(・)があるのだろう。


「ようはそれが精霊の食べ物ってこと?」

「概ねその通りです。魔力も吸収できますわ。」


どうやら、魔力を直接送ってエネルギー補充をすることも可能なようだ。空気中からも魔素を吸収できるようで、風を使って空気中の魔素を簡単に集められる風精霊なんかは、空気中の魔素で存在を保てるようだ。魔素とは、魔力を放出したりすると発生する魔力的なエネルギーを持った微粒子のようなもので、この世界の大気には魔素が満ちているらしい。

ちなみに、ゴーレムも同様で空気中の魔素を吸収して活動しているようだ。もちろん直接補充も可能。


「マスター、ゴーレムや精霊が消えないのはおそらくそれが原因でしょう。」

「私もそう思う。」


アイカはこの時点で、減り続けていく自身のMPの回復手段のヒントを得ていたのだが──

──彼女の主人である春夏が、その事に気づくのはまだしばらく先の話である。

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