領主の呼び出し
そのチェリーが生まれて初めて本館の領主から呼びつけられた。
「お父様。お呼びですか?」言葉遣いは習っていなかったが、前世のライトノベルから得た知識で一応敬語を使って見る。
「うわああ、何て薄汚い恰好をしてるんだ?それにずいぶん色が黒いな。
チェリーはチェリーでもブラック・チェリーじゃないか。おい、メイド長」
「はい旦那様」
「こいつを風呂に入れて磨いて、マシな物を着せて化粧をして連れて来い」
「かしこまりました」
するとメイド長は配下のメイドたち5人と共にチェリーを担ぎ上げて、浴室のある部屋に連れて行くと服を脱がせ丸裸にした。
「まあ、このお嬢様は、どうして全身細かい傷が多いの?」
「洗ってオイルを塗れば少しは目立たなくなるのでは?」
「それにしても別館に閉じこもっているにしては均整がとれたスタイルですわね」
「肌が出ている部分だけ黒いということは、日焼けでは?地黒ではないということね」
「髪を洗ったことがあるのかしら?ゴワゴワだわ」
「時々別館の外の井戸水で体を拭いているのを見たことがあるから、その時髪を洗ってるのでは?」
「大変だわ。私たちの風呂の時に一緒に入れるのを忘れていたわ。
あとで旦那様に知られたら大変。
今度から一番風呂に入って貰うことにしましょう」
メイドたちは手も動かすが口も動きっぱなしだ。
その間チェリーは借りて来た猫みたいにじっとしてされるがままにしていた。
というか幼女の体とはいえ、若いメイドたちに触られるのは刺激が強いものだったから、その心地よさにうっとりしていたということがある。
なにしろ前世では童貞年齢=全生涯という身の上だったから、女性とスキンシップする経験が皆無だったのだ。
心臓はドキドキするし、触られるところが全部気持ち良いし、ときどき体がピクピクッとして逝ってしまいそうになるので、ただ只管耐えるだけだったのだ。




