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チェリーの独り言

あーーあー、全くやってられないわ。


異世界転生して前世の武芸百般の知識を実践化しようと張り切ったのに、うまく行ったのは最初のうちだけだった。


相手が田舎のガキどもだったから武芸のはしりを教えただけで親分になれた。


でもね、前世の私は身長百八十センチ体重百キロの巨漢だったから、体格のことは何も考えずに武芸の技術だけ身につけた。


でもね現世の私は女でその中でも小動物系の体格だってこと。


母親の洗濯女はとても小さい女だったそうだからきっと遺伝なんだろう。


となるとどんな武術を身につけてもウェイトがないからパワーがないんだ。


特に思春期になるとなかなか筋肉がつかなくなってくるんだ。


そして心もだんだん女っぽくなってくる気がする。


心が肉体に引っ張られる感じだ。


それで私はどれだけ力があるかというと、なんと私が持ち上げることができる重さはたったの十キロなんだよ。


たとえばスキルの『剛力』を身につけたとしても、元々の力の一、五倍~二倍だという。


それなら十五キロ~二十キロ持てるようになるだけということに。


魔力を体に流す『身体強化』でも同じような感じだという。


私が百キロ、二百キロもてるようになることは不可能なんだ。


素早くパンチを連打しても相手の重い一発を貰っただけでダウンしてしまうだろう。


どんなに巧みな剣を身につけても敵が強い力で打ってくれば、自分の剣など受けきれずに弾き飛ばされてしまうだろう。


要するにパワーと重量がないんだよね。


デビュタントの日あのフォルテシモ伯爵を足払いで倒せなかったのも重量差がおおきすぎたからなんだ。


小よく大を制すというのはよほどの達人の話で、やはり小よりは大の方が強いに決まってるってこと。


重い奴と軽い奴がぶつかれば、ふっ飛ばされるのは軽い方なんだ。


女がいくら強くても素人は倒せても、同じ技量を持った男が相手なら負けるのは女の方なんだ。


って、あああ、現実ってのは夢がないなあ。力、力、力が欲しい。


力とウェイトが欲しいよ。


女、女、何で女なんかに生まれてしまったんだよ!


畜生畜生畜生!!


とにかくこのダンジョンのある公爵領に来てから探索者として頑張ったんだけど限界は十階層までなんだ。


レベルも十。それ以上は無理なんだ。


十年努力したけどそれ以上は無理!!


そして気が付いたら新人の教育係をギルドから頼まれたりしちゃったんだよね。


そして教えた生徒はどんどん体が大きくなってマッチョになって私を追い抜いて行ってしまうんだ。


しかも私は魔法がからきし駄目だから脳筋コースしかないんだけどね、貧弱な体だからそれも駄目なんだってこと。黄昏るよ、ほんとに。。。



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― 新着の感想 ―
現状、絶望的ですね。
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