11話 2枚目を探して
魔法界 学院内
大きな会議室で闇が場を支配している。
長机の上に水晶が置かれ、煌々と光を放っていた。
水晶にはフレイルの様子が映っている。
エーニアス学院長とマスクベル教授はそれぞれ笑う。
「始まりましたな」
「ええ。フレイルは、後から知るでしょう。三つの証に、『さまざまな思い』が込められていることに」
「気づいた時、どうなるでしょうか?」
「完遂するか、破滅するかーーー楽しみじゃないか」
学院長の口元がわずかに歪んだ。
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人間界 東京 公園内
人が行き交い出したところから離れ、フレイルはベンチに座ってニマニマ笑いながら、金属板を手で弄んでいた。
「やった〜、1枚目!」
「良かったじゃないか」
「でもさ? やっぱちょ〜っとだけ変じゃない?
魔力探知とかで探すもんだって思ってたのに、こんなあっさり、しかも空から降ってくるってどゆことって感じ」
「それは俺も感じてはいたが……2枚目からは山中とか洞窟とか、湖の中にあったりしてな」
「うへ〜じゃあ、こっからはまじで大変だね」
汚れるの苦手って顔をしながらフレイルは言った。
灰とか砂とかほんと勘弁、洗うの大変だったしと苦笑した。
ハルトは「フレイル」と言いかけたが、暗くなっても仕方ないと思い直す。
「まあーーー汚れ仕事は俺に任せろ。お前は防壁を張って移動したらいい。ちなみに、日本最大級の湖ってどこだか知ってるか?」
「あ、ごめん……ありがと。えっと、琵琶湖?」
「おお 知ってるじゃないか」
「お母さんが教えてくれたのよ。ご飯も美味しいし、でっかい海みたいであんた気にいるよって」
「そうなのか……早く天啓をクリアしてお母さんに会えたらいいな。そうしたら、琵琶湖に言ったことを伝えたらいい」
「ありがと、優しいね」
フレイルの頬が緩む。
暖かく、そして本当に嬉しいと言った顔で感謝を伝えた。
ハルトが息をのんだような声をあげて、そっぽを向いた。
顔が赤く見える。
フレイルはニヤリと表情を憎たらしい感じに変えて、ハルトの右腕を軽くつついた。
「あれ〜? 照れてんの?」
「ばっか! 俺は別に……」
「ま、とりあえず。また行き方を教えてよ?
日本横断の天才さん」
「そんなんじゃねえよ」
否定しつつも、顔がほころぶのを感じ。
フレイルが1枚目の金属板を陽の光にかがけながら言うのを聞いた。
「この証に、誰かの意図とか感情が込められてるなんて気はしないけど」
がんばって2人でクリアしようね!
意気込むフレイルに優しく微笑みかけて、ハルトは
「じゃ、新幹線に乗って滋賀県に向かおう」
そう言って、2人で並んで新幹線構内へと足を運んだ。




