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「つまり、君は元人間という事でいいのかな?」
「はい、そうなんです。いつの間にかこの姿になっていまして・・・」
取り調べを受けてる最中に自分の状況を説明した。
ただ、そのまま説明してしまうと元々ベーコンであるという事がバレてしまう。
なのでここは、女神様と一緒に考えた記憶喪失という案でいくことにした。
いつの間にかベーコンだった。自分が人間であるという記憶と名前は覚えているが
それ以外の記憶は全部忘れているという設定だ。
「ふーん、ちょっと水晶持ってきてー」
「分かりました!」
尋問官が後ろに控えていた男性に声をかけていた。何をするつもりだ?
「まぁ落ち着いてくれ、簡単な検査をするだけだから」
「検査ですか?」
「そそ、それを使えば君が人間かどうか分かるから」
なんでも水晶に手をかざすと、色が水晶に付くらしい。
それで、付いた色によって人かどうか判断するという話だ。
「水晶持ってきました、ここでいいですか?」
「あぁ、そこそこ。真ん中に置いて」
テーブルの真ん中に水晶が置かれた、自分よりも恐らく2倍は大きいな・・・これ。
・・・そろそろこの状況にツッコミを入れても良いだろうか?
「えーっと・・・トングで挟むの止めて貰っても良いですか?」
「あ、あぁごめんね。手が油で汚れるの嫌でさ」
そう言いながらテーブルの上に俺を置いた。
のそのそと水晶に近付く、これに手をかざすんだったな。
そっと手をかざしてみた・・・何も色が付かないんだが?
「あーなるほどね、本当に人間なのか君」
「え、どういう事ですか?」
「実は色が付いた時点で人間じゃないんだよ、何かまでは詳しく分からないけどね」
どうやら嘘を教えられていたらしい、こっわ・・・。
「でも、その水晶の特性を知ってたら細工が出来るんじゃないですか?」
「あぁその点は大丈夫。この水晶かなり繊細でね、弄ると簡単に割れるんだよ」
毎回水晶を誤魔化そうとする奴がいて困ってるんだよね
尋問官はそう言いながら、俺に向かって笑いかけてきた。
「おめでとう、君はれっきとした人間だ。その事を自警団が保証しよう」
何とか首の皮が繋がって良かったよ。俺は1人、安堵の表情を浮かべていた。




