14/22
11
毛布に包まりながら頂いた食糧を食べる。
どうやら気付かない内に、かなりの空腹だったらしい。無我夢中に食べていた。
腹が満たされて落ち着いたせいなのか、目頭が熱くなってきた。
思い出していたのは、家族の事。
家族仲は良く、親孝行もそれなりにしてきた方だ。
お盆や正月には必ず顔を出していたし、ドライブに連れて行く事も多かった。
親からは、貧乏だから何かを残してあげる事が出来無いと言われたが
私は違うと断言した。沢山の思い出を貰ったと胸を張って言えるからだ。
だからこそ、親よりも先に死んだ事。別れすら言えなかった事。
今まで育ててくれてありがとう、この一言すら言えなかった事。
その思いが、今になって一気に噴き出してきた。
「・・・・・・っ・・・!」
一人の男が、声を殺して泣いていた。
今更後悔しても意味がないのは、分かっていた。
だが、それでも泣かずにはいられなかった。
泣きながら、口に食糧を詰め込む。
味なんて分からない、味わう気もない。
悲しい現実を少しでも忘れようと食べる事に意識を向ける。
そして、限界まで食べたと同時に私は眠る様に意識を失った。




