逆鱗に触れるとき 〜鮫〜
「はぁ・・・はぁ・・・」
サクは息切れしている。
これだけの量を喰ったので食べ疲れである。
辺り一面は飛び散った血で染まっている。
「あのさぁ…」
ふいに声をかけられ、そして同時に異様な気配と異常な殺気を感じおそるおそるサクは振り向いた。
そこには、一見は天使のような笑顔のケルトが立っている。
なのに、この違和感はなんなのだろうか…
よく見ると、目が全く笑っていない。それどころか怯むような鋭い眼光を放っている。
「貴様…何をしたか、わかっているのかなあ…?」
静かに問いかけてくるので余計に恐怖を覚える。
「怒らせたらどうなるかなんて、わかっているよねえ…?」
そう言って早速サクの両目をつぶした。
青い血が辺りに飛散する。
この時点でサクには立ち向かうだけの気力がすでに無くなってしまっていた。
無理もないだろう。
(ここで…タイムリミットですね……ああ…)
「無能が…」
そして、姿を変えたケルトは恐ろしい勢いでサクの両腕を引きちぎった。
「ぐああああああああ!」
激痛が走り、一瞬にして両腕が崩れ去る。
「…シネヤ」
そしてサクの両脚を裂いた。
「ぐええええええええええ!」
またもや一瞬の激痛とともに、脚が崩れ去った。
(なんなんだこれは…)
なす術もなくやられるがままのサク。
「キエロォォォォォォ…」
ケルトは、サクの胸をえぐって喰った。
「ぎゃあああ!」
サクは身体が崩れていっているのを感じていた。
(できることなら…もう少し…もうすこ…)
そこで思考が止まり、完全に塵と化した。
崩れ行く様子を眺めるケルトにはなにも表情が浮かんでいない。
少年の姿に戻り、その場を後にしていった。
その気配を、あみは痛いほど感じていた。
(奴が…動き出した…。)




