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第52話: 『神々の黄昏』の兆候

レイたちがオリュンポスの主神たちを次々とデバッグしている影響は、すでに神聖領域だけに留まらず、世界全体のシステム根幹へと伝わっていた。


「報告します! ! 『物理神テュポン』および『火炎神アグニ』 『氷雪神クヴァシル』の神格データが完全に失われました! 現在、世界の『重力定数』および『熱力学の基本法則』の演算に、重大な遅延が発生しています!」


神聖領域の最奥にある最高議事堂。


残された主神たちが、目の前の空中モニターに表示される無数の「赤いエラー警告」を前に、かつてないパニックに陥っていた。


世界を安定させていた主神が消されたことで、世界の物理法則そのものが、徐々に不安定な状態へと戻りつつあるのだ。


「あの加護なきバグ・・・・・・! 本当に、私たち神々をすべて消去して、世界システムそのものを乗っ取るつもりですか・・・・・・!?」


「防衛プログラムをすべて投入しなさい! 我らが最高傑作、システム統合守護獣 『フェンリル』を目覚めさせるのです!」


主神たちの絶叫とともに、神聖領域の地下深くから、空間を物理的に食い破るほどの凄まじい遠吠えが響き渡った。


その頃、レイたちは美しいガラスの空中庭園を進んでいた。


「レイ、世界の物理計算に遅延が出ている影響で、この辺りの重力が急に不安定になっているぞ」


トールが、ふわふわと浮き沈みする大理石の床を踏み締めながら言った。


「分かってるよ。神々が世界のルールを自分たちのデータに直接紐付けちゃってたから、彼らを消すと世界の記述が一部欠けちゃうんだ。本当に、不便な設計だね」


レイの金色の瞳が、空中庭園のあちこちで発生している空間の裂け目を静かに見つめる。


「マスター。神々が完全に消滅すれば、世界システムそのものがクラッシュする危険性がありますよ。私たちの勝利と同時に、世界の崩壊が始まるということです」


アルテが警告する。


「大丈夫だよ、アルテ。神々を消したあとは、僕の【神眼】で、システムの中心プログラムを直接書き換えるから。神様がいなくても自動で回る、完全に自立した『自動修復型システム』に、全部のコードを組み直せばいいだけだしね」


レイの言葉は、とても穏やかでありながら、絶対的な技術的確信に満ちていた。神を排除するだけでなく、その先にある世界そのものを、自分たちの手で管理・運用する。それが、レイの描く「未来の形」であった。


「――グルゥゥゥ 」


前方の空間が大きく裂け、そこから、全身が青白い光のチェーンで縛られた、山のような巨躯を誇る「光格の魔狼」が姿を現した。


世界システム統合守護獣――『フェンリル』。


神々が世界のバグを「物理的に噛み砕いて消去する」ためだけに作成した、最強のアンチウイルスプログラムが、ついに牙を剥く。

【新作のお知らせ】


いつも本作をお読みいただき、本当にありがとうございます!


この度、新しい連載作品をスタートいたしました。


タイトル:『森羅家の生活魔法は戦闘不能? 〜カフェの雑用と馬鹿にされた三姉弟、Fランクから最強へ駆け上がる〜』

あらすじ:「カフェの雑用魔法」と蔑まれた三姉弟が、知恵と工夫で地味な日常魔法を昇華させ、Fランクから最強へと駆け上がる成長ファンタジー!


本作とはまた違った魅力の詰まったお話になっています。

少しでも気になった方は、ぜひ以下のリンクから覗いていただけると嬉しいです!


▼新作はこちらからお読みいただけます

https://ncode.syosetu.com/n6822mn/


※アプリをご利用の方は検索画面で Nコード『 n6822mn 』と検索していただくか、作者マイページの「活動報告」から直接お越しいただけます!


引き続き、応援よろしくお願いいたします!


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