表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神眼の支配者 ~ハズレスキル【鑑定】が覚醒したので、俺を見捨てたSランク(予定)パーティを底辺から置き去りにします~  作者: イヌの名前はあとむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/38

第30話:伝説の帰還とギルドの英断

境界都市ゼノスの冒険者ギルドは、いつも以上の熱気と、どこか重苦しい緊張感に包まれていた。

数日前、特例の『Bランク昇格試験』として、過去に誰一人として生還したことのない孤島ダンジョン『終焉の揺り籠』へと旅立った「加護なし」の少年、レイ。

ギルドの酒場では、荒くれ者たちが酒杯を傾けながら、くだらない噂話を交わしていた。

「おい、あの加護なしのガキ、流石にもう死んだだろ?」

「当たり前だ。ルキウスをハメて倒したくらいで調子に乗るからさ。あの島はBランクやAランクの精鋭が全滅した魔境だぜ。加護もねえ奴が生き残れるわけが──」

その言葉が、完全に紡がれることはなかった。

ギルドの巨大な石造りの二重扉が、静かに、しかし圧倒的な質量を伴って押し開けられたからだ。

逆光を浴びて入ってきたのは、見慣れた三人の姿。中央を歩くのは、どこか儚げな雰囲気を纏った青年、レイだ。その隣には大盾を背負ったトールと、サファイアブルーの瞳を持つアルテ、そして純白の翼を静かに休めるブリュンヒルデ。

だが、彼らの背後に続く「五人目の影」を見た瞬間、ギルド内にいた数十人の冒険者たち全員が、呼吸を忘れたように完全に凍りついた。

身の丈3メートルを超える、黒銀の重厚なフルプレートアーマー。歩くたびに地鳴りのような金属音を響かせ、周囲の空間の魔力を物理的に威圧する、漆黒の騎士。

千年前の伝説の英霊にして、あの島で数多の冒険者を屠ってきた絶望の主──『黒騎士ガウェイン』その人が、レイの斜め後ろに、まるで忠実な飼い犬のように控えていたのだ。

「みんな、ただいま。留守の間、街を騒がせちゃってごめんね」

レイはギルドの受付カウンターへ向かって歩きながら、怯えて腰を抜かした冒険者たちに、ふわりと優しい笑みを向けた。しかし、誰もその笑みに応えることはできない。彼らの本能が、レイという存在を「生物としての格が違う怪物」だと叫んでいたからだ。

「お、おいおい……冗談だろ……」

受付の奥から慌てて飛び出してきたのは、隻眼の支部長オズワルドだった。彼は持っていた愛用のパイプを床に落とし、その隻眼をこれでもかと見開いてガウェインを見つめた。

「オズワルドさん、こんにちは。無事に試験の『成果』を持ち帰りました」

レイは丁寧に一礼すると、自分のステータスカードをカウンターの上に静かに置いた。

「レイ……お前、あの島の呪いを解いたばかりか、その主を配下に従えて戻ってきたというのか……? お前がやったことは、もう冒険者の常識とか、人間の枠組みでは測れんぞ……」

オズワルドの額から、冷たい汗がだらだらと流れ落ちる。しかし、彼はすぐに豪快な笑みを浮かべ、レイの肩を叩いた。

「だが、約束は約束だ! ギルドマスターとしての権限を以て、君の戦果を最高評価とする!」

オズワルドが魔法の刻印盤にレイのカードをセットすると、チカラン、と美しい魔導の鈴の音がギルド中に響き渡った。カードのランク欄に刻まれた文字が、『C』から燦然と輝く『B』へと書き換わる。

「認めよう! レイ、お前を本日付で正式に『Bランク冒険者』に昇格させる! 本来ならこの戦果、Aランクでも生ぬるいが、王都の派閥への言い訳も含めて、まずはここまでだ。だが、このゼノスギルドは、お前を全力で支持するぞ!」

「ありがとうございます、オズワルドさん。僕のために色々と融通を利かせてくれて、本当に嬉しいです」

レイは穏やかに微笑み、書き換わったカードを大切そうに懐へと収めた。

加護を持たない底辺の少年が、人類最高峰の一角である『Bランク』へ、史上最速のスピードで到達した瞬間だった。

「少しでも面白い、続きが気になると思ってくださったら、ページ下部の【ブックマーク】や【評価】で応援していただけると励みになります!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ