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神眼の支配者 ~ハズレスキル【鑑定】が覚醒したので、俺を見捨てたSランク(予定)パーティを底辺から置き去りにします~  作者: イヌの名前はあとむ


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第25話:神話の英霊、ブリュンヒルデ

ルキウスという「エラー」を完全に排除したレイたちは、第10層のボス部屋のさらに奥、通常の冒険者なら存在すら気づかない隠し通路の先へと進んでいた。

そこは、王都の教会が「加護なき者は立ち入り禁止」として幾重もの結界で厳重に封印していた、古代の聖域『封印の回廊』だった。

「マスター、この先に、きわめて特殊なエネルギー反応を検知しました」

アルテが、無機質な中にもどこか緊張を孕んだ声で告げる。

「これは……既存の神のシステムから『異物バグ』として弾かれた、千年前の魂のデータです。加護の枠組みに収まらなかったがゆえに、ここに置き去りにされた存在かと」

「そっか。システムに収まらないから排除されちゃったんだね。……僕と、少し似ているのかな」

レイは寂しそうに微笑むと、回廊の中央へと歩みを進めた。

そこに浮遊していたのは、パチパチと黄金の雷霆を周囲に撒き散らす、一本の美しい細剣だった。

レイが【神眼】を向けると、その細剣の奥に眠る、圧倒的な密度の魂の記述が読み取れた。

【鑑定対象:封印された戦乙女の遺物】

真の識別名:【ブリュンヒルデ】

状態:千年前のシステム最適化の際、規格外の出力として封印処置。

細剣の周囲には、教会の高位術式による、強固な「加護認証結界」が張られていた。神の加護を持つ高潔な神官でなければ、触れることすら許されないという拒絶の檻。

「ごめんね、今までずっと、こんな暗いところに閉じ込められていて寂しかったよね」

レイは細剣に向けて優しく語りかけながら、その結界にそっと手をかざした。彼の金色の瞳から、純粋な支配の光が注ぎ込まれる。

(因果の書き換え──『加護による認証条件』を【全消去デリート】。起動条件を【僕の魔力への同調】へ変更)

バリバリバリ!!! と、空間が激しく割れるような音が響き、教会の誇る絶対の結界が、ガラス細工のように容易く粉砕された。

次の瞬間、黄金の雷霆が爆発的に膨れ上がり、光の中から、純白の翼と白銀の軽鎧を纏った、息を呑むほどに美しい戦乙女が姿を現した。

彼女はゆっくりと目を開けると、目の前に立つレイの、全てを見透かすような金色の瞳を見つめ──即座に、その場に片膝を突いて深く頭を垂れた。

「我が名はブリュンヒルデ。神の加護を持たぬ、しかし世界のシステムをその眼で統べる、新たなる我が主よ。……この剣と魂、貴方の逆襲の旅路のために捧げます」

「はじめまして、ブリュンヒルデ。起こしちゃってごめんなさい。これからよろしくね」

レイは優しく手を差し伸べ、彼女の白の手袋を包み込むように握り、微笑んだ。

神のシステムから見捨てられた「持たざる者」の陣営に、千年の時を超えて、最強の遊撃手が加わった。

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