93 ギガンテスアントラー
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「街をゆっくり散策するって決めたばかりだけどさ
やっぱり何日か別行動にしない?」
食堂を出た私が言うと
「どうしたのですか?」
チャリオットが聞いてきた。
「考えてみたらマップの穴埋めもしたいし
ちょっと自由な時間が欲しくなったんだよね」
「分かりました、では3日後に、待ち合わせはどうしますか?」
「さっきの食堂でいいかな」
「良いですよ、では3日後の昼にまたお会いしましょう」
そう言ってチャリオットと別れた。
そうして私が入ったその店は
ファッションデザイン工房とでも言おうか
ショーウインドーに飾られた甘ロリの服が素敵な店
この店はチャリオットと一緒はちょっと恥ずかしい
店を出て見つけた途端絶対に入りたくなったお店
合流する前に見つけていれば問題なかったのに
見つけてしまったのだから仕方ない。
この世界ではあまり見かけないデザイン
絶対召喚者様の作成したものに違いない
防具も装備も作る私の欠点と言えば自分でデザイン出来ない事
どこかで見たデザインなら思い浮かべられるが自作は無理
店に入るとロリ系ドレスが多いがその他にもローブやメイド服など
アニメで見たことがある物より可愛いデザインのが多く
下着も可愛いものが沢山あって店の中は夢の様だった。
ゴスロリを着た30歳はとうに超えていそうな店主に聞いてみる。
「オーダーメイドってお願い出来ますか?」
「もちろんですよ、どの様な物にしますか?」
「店主さんが着ているほどガチガチでないゴスロリ系で
戦闘にあまり邪魔にならない感じが良いのですが」
「武器はその鞭?女王様スタイルじゃなくて良いの?」
腰ベルトに掛けた鞭を見て聞いてくる
「やめてくださいよ、そんな恰好で街中を歩けません」
「それもそうね」
私は店主とデザイン画を描いて貰いながらじっくりと話し合い
ドレスやローブに部屋着などを色々と決めていった。
布地は私が用意する事にして
守護の布とスパイダーシルクをデザインに合わせ染色した。
「久しぶりの注文でメラメラMAXよ、2日頂戴」
店主さんはそう言ってくれたけど
3日後の午前に取りに来ると約束をして店を出た。
冒険者ギルドにお金をおろしに行かなくっちゃ
そしてマッピングの穴埋めをして
3日後が楽しみ
デザイン画で見たあの服を着た自分を思い浮かべ
ウキウキしながら街を出てマップの穴埋めを開始する。
前もってマッピングしていたのもあって
実際穴埋めにはそれほど時間は掛からなかった
しかし何か呼ばれている様な気がして飛んだその方向に
大小連なった緑深い山があった。
呼ばれている様な気配はドンドン強くなっていく
何となくだけれどきっとギガンテスアントラーに呼ばれている
そんな気がしていた。
しかし場所が良く分からない。
マップで検索してもそれらしい気配は察知できない。
迷いながら飛んでいると微かに光り出す場所を見つける。
私は迷わずにその場の近くへと降り立つとその光の中に
トナカイの様な立派な角を幾重にも重ね
金色の様な色をした長い体毛を足元にまで携えた
牛の3倍はあろうかと言う大きさの
はっきりと何かに例え様がない四本足の魔物を見つけた。
光の中に居るせいか神々しさを感じるその魔物は
じっとこちらを見つめて来る
その刺す様な視線、すべてを見透かされている様な視線に
私は恐怖を感じただ立ちすくんでいた。
ギガンテスアントラーは私から視線を外すことなく
ゆっくりと歩き出すと私の傍まで来て言った。
「フェニックスとアダマンタイマイの加護を受けてから
もう一度この山へ来い」
そう言い残すと跳ねる様に飛びながら山の中へと消えた。
きっと私にはまだ
ギガンテスアントラーの加護を受ける資格がないのだろう
今さっきまで感じていた恐怖を思い出し
近くの村を探し飛び立った。
読んでくださりありがとうございます。




