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召喚少女は魔王様?  作者: 橘可憐
ドモバス帝国

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90 チャリオット焦る


チャリオットは焦っていた。

この帝国の内情はすっかり理解していたつもりだった

その上で商業ギルド直属の商隊としての入国で

まさかこの様な事態が起こり得るなど想定もしていなかった。


今の皇帝の実子は女ばかりだった

次期皇帝を巡り絶対に男子をと現皇帝の弟の子を望む声と

あくまでも実子をと望む声とがあり内紛に繋がりかねない様相

そしてダムデムとの戦争と微妙な力関係が拮抗し

表面上は穏やかに見せているだけなのだ


なので入国も厳しいとは理解してはいたが

まさかアオイが拘束さえるとは思ってもいなかった。


アオイの事だからと身の危険を心配してはいないが

むしろそこからどんな事態が起こるのか

まったく想定が出来ない事が心配だった。


もしかしたらこのまま合流出来なくなるかも知れないと考えると

心配と不安で体中が震える様だ。

こう言う事態を想定し守れなかった自分が不甲斐なく情けない。


自分を責めながら商業ギルドへと急ぎ駆け付け

ギルド長へ事態の報告を済ませ

次にチャリオットは自分の使えるコネは使えるだけ使おうと決め

本来会うのはもう少し先の日程の予定だったが

約束を前倒しすべく失礼にもその人を訪ねた。


約束も先触れもなく会って貰えるか不安ではあったが

王城を訪れ面会を申し込む。


今アオイがどういう状況に居るのかそれを考えると

急がなくてはと気ばかりが焦ってしまう。

冷静にならなくてはとチャリオットは自分で自分に言い聞かせ

面会の申し込みを受けてくれる事を願いながら待った。


そうして暫く待って面会の申し入れは叶えられ

チャリオットは取り合えず安堵をして身繕いを正し

迎えに来た侍従長に案内された部屋へと入り

静かに頭を下げ相手の言葉を待った。


「お初にお目に掛かりますチャリオット・マーキュリー殿

お約束の日まではまだお時間がございます様ですが

何やらお急ぎのご様子ですわね」


「お初にお目に掛かりますマーガレット様

失礼は重々承知の上でお訪ねいたしました事お詫びいたします」


「婚約の話はお断りになったとお伺いいたしましたが

その他に何かお急ぎのご用でもございましたの?」


「その件誠に申し訳なくこうしてお詫びに伺いました

後ほどお詫びの品をお届けする所存ですが

別件でお願い事が出来ましてこうしてお訪ね致しました」


「なにやら私とても軽く見られております様で不愉快です」


「けしてその様な事はございません、どうぞお許しください

お許しいただけない様でしたら仕方ありません

今日はこれにて失礼させて頂きまた後日改めさせて頂きます」


「お願い事が気になりますわ、仰ってください」


「よろしいのでしょうか?」


「わざわざいらしたのでしょう、聞くくらいは出来ますわ」


チャリオットはここでようやくいつもの飛び切りの笑顔を見せ

皇帝の次女であるマーガレットに説明をする

アオイが誤解で捕縛された事を

そしてその誤解を解き釈放して貰えるようお願いをしてみる


「その方を愛していらっしゃいますの?」


「・・・・・分かりません。

ただ私の見た事のない世界を見せてくれるので目が離せません

女の人は守るものだと幼い頃より教育されてきた私が

支えになりたいと思わせるそんな人なのです」


それはもう愛と言うのではないかとマーガレットは思ったが

言葉には出さなかった。


「分かりました、約束は出来ませんが尽力してみましょう」


「ありがとうございます。

誰かと考えた時あなたの事しか思い浮かびませんでした」


「チャリオット殿、それは誤解を与えてしまいますわよ宜しいですの?」


チャリオットにはマーガレットが言った意味が理解できなかった。



読んでくださりありがとうございます。

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