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召喚少女は魔王様?  作者: 橘可憐
ドモバス帝国

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89/166

89 投獄されちゃった


ドモバスの帝都にはお堀があった。

幅15mはあるだろうお堀

深さはぱっと見には良く分からないが浅くはなさそう。


出入り口だろう門前には上げ下ろし可能な橋が架かり

何だか江戸城の外堀を思わせる雰囲気。


私たちは橋の前でひとりひとり身分証を提示して

橋を渡り門を潜った所で私だけ何故か衛兵に取り囲まれ

そして大人しく付いて来るようにと引き立てられえた。


「いったいどうして?」


チャリオットが理由を尋ねると


「抵抗するなら同罪をみなす」と恫喝され


「必ず助け出します」と言ってその場に留まった。


いったいどうして捕まったのかこれからどうなるのか

私は不安よりも何故かワクワクした気持ちでいた。


衛兵の詰め所のような所へ連れて行かれ

その地下の牢屋の中に押し込まれた。

いきなり尋問や拷問の様な事は無いらしい。


それにしてもココは何だか暗いし臭いし気持ち悪い

こんな所で長時間なんて過ごせないよ。


私は取り合えずクリーン魔法を掛けてみたが

一度ですっかり綺麗とはいかなかったので

水圧洗浄機の要領で石造りの壁と床をこすり綺麗にし

汚れ切った水は廊下側の壁の石の隙間へと流し込んだ。


この部屋だけ綺麗にしても他の部屋から漂う匂いは消せない

仕方なく他の部屋もクリーン魔法を何度か掛け

見た目はともかく匂いだけはマシにさせた。


チャリオットが必ず助けるとは言っていたが

この後何時間待たされるのか分からないし

取り合えず寝られるときは寝ておくかと

堕落型クッションを取り出しランタンを傍に置き休むことにした。


どの位の時間が経ったのか


「おい、出ろ」


と言う大きな声と牢の扉の開く音で起こされた。


ヤバイ、マジで寝てた。

なんだかお腹も空いたし何か食べたい

チャリオットが助けに来てくれたのかな

等と呑気に考えていたら


「早くしないか」


と、さらに怒鳴られた。


ヤバイヤバイ暴力でも振るわれる前に従っておくか

そう思い、クッションもランタンも仕舞牢屋から出て

次に連れて行かれたのは取り調べ室の様だった。


机や私の座る椅子は無かったが

絨毯の上に一脚だけちょっと豪華な椅子が置かれていて

これから偉い人からの取り調べがあるのですねと思わせた。


私はこのまま立っているのが正解なの?

それともこの床に直座りするのが正解なの?

疑問を抱えていると座れと言われる。

嫌だよこんな床に直座り、正座も好きじゃないしと渋っていると

人が入って来た。


着ている物は昔の中華服の様なラフな感じのデザインだが

衣は上等な絹で作られ刺繡も彼方此方に施されていて

見るからにお高そう


オレンジ色に近い金髪をお団子の様に頭の高い位置で結って

動作も仕草も顔つきさえも物静かと言った雰囲気の

お上品そうな17・8歳の青年とその付き人と言った感じの人

見るからにお偉い人なんだろうと思わせた。


ゆっくりとした動作で椅子に座りこちらに視線を投げかけると

驚いたように目を見張り


「やっぱり召喚者様ではありませんか」と尋ねて来て


今までの動作は何だったんだと言うくらいの速さで

椅子から立ち上がりこちらに駆け寄って来た。


「シオンさまいけません」


お付きの人にそう言われ冷静になった様で


「すみませんでした」


そう言うと椅子へと戻り座り直した。


召喚者様って?

この人は召喚者を知っているのか?

召喚者とどんな関りがあるのだ?

むしろ私が聞きたいよ

これから始める話に俄然興味が沸いたのだった。



読んでくださりありがとうございます。

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