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召喚少女は魔王様?  作者: 橘可憐
ダムデム国

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62/166

62 対等な関係


良い匂いに誘われるようにして目が覚めた。

そう言えば何にもする気がしないほど疲れていて

そのまま眠っちゃったんだった。


部屋を出るとチャリオットが調理をしていた。


「おはよう」そう声を掛けキッチンに向かうと


「そろそろ目覚める頃かと思って作ってみたよ、

良かったら食べて食べて。」


そう言って私をテーブルへと誘う。


頭がまだ全然はっきりしていないけれど、

こうして誰かに何かかをして貰えるって嬉しい。


「ありがとう、すっかり寝ちゃってた、ごめんね」


「いいんだよ、それよりさぁ

僕ってこの島からまったく出られなかったからね

食材を探すのに本当に苦労したよ

出来ればこのキッチンにアイテムボックス作って

食材の備蓄をして欲しい所だね。」


「そうだね、忘れてた。私はアイテムポケットがあったから

本当にごめん、他に何か不便なことは無い?」


「君が寝ている間僕は僕でそれなり楽しめたから大丈夫

それより早く食べちゃって」


テーブルの上に乗せられた料理は

何かの肉のステーキの様なものだった。

チャリオットが私のために作ってくれた料理

有難く美味しく頂くよもちろん。


私は無言で平らげ、チャリオットにお礼を言うと

お詫びにコーヒーを淹れて食後をゆっくりと過ごした。


何か忘れている様な気がする・・・


って、そうだ銀牙!


ダンジョン!!


急いで支度をしてゲルを出て改めて銀牙にお礼を言った。


「本当に無理をさせてごめんね

これからダンジョンの確認に行ってくるよ。」


「お主が思った以上に魔力をくれたので、

かなり深く作ってしまったが問題なかろう?」


何だか挑戦的に言って来たので


「もちろん!」そう答えた。


「そう言えばさ、戦地になっている場所って

ノーム様にでも頼んで山脈にして貰っちゃおうか。

そうすればモーデルみたいに簡単には攻め込めなくなるだろうし」


「それならば、イフリートに頼んで噴火させる方が良いだろう」


「そんなこと頼んで簡単にやって貰えるの?」


「奴の機嫌次第であろうが、奴も思うところはあるだろう」


「でも噴火となると犠牲者も沢山でそうだよね」


「それはノームに頼んでも同じことであろう」


そりゃそうだ、危険を察知して逃げてくれるのを祈るか

それとも前もって知らせるか。

どっちにしてもイフリートに会ってみない事には始まらないな。


その前にダンジョン攻略が最優先なんだけど。


チャリオットと二人で転移門で街に戻った。

王都に向かって旅を再開って、マッピングはどうする?

このまま二人でマッピングしながら歩き旅か?

流石に気球はこの世界じゃ目立つだろうし

私があれこれと思い悩んでいると


「もしかしてアオイ様ではありませんか?」


突然そう声を掛けられた。


まぁ、自分の名前を呼ばれたから振り返ってみたけれど、

そこには一見線の細そうな

お坊ちゃま然とした感じの少年が俯きがちに立っていた。


「誰?」思わず聞いてしまったよ。


「僕はリオン・ドモヴェス。

お父様からアオイ様の仲間になるまで帰って来るなと言われました。」


ああ、そう言えばモーデルであの商人が何か言ってたな

私も追いついたら考えるなんて適当に返事したんだっけ。


でもこの子なんて言うか・・・


「僕はチャリオット、そんなに怯えなくても大丈夫だよ」


チャリオットは勝手に返事してるし


「待って、この子怯えてなんていないから」


「えっ、こんなに可愛い子がこんなに不安気にしているのが

アオイさんには見えていないの?可哀そうじゃないか」


チャリオット見えていないのはお前だ。

そして少し落ち着け。


「チャリオット、そんなに言うんだったら分かったわ

あなたが話を聞いてあげるといいと思うわ

でも私はここでお邪魔するわね。」


そう言って立ち去ろうとすると、


「いやいや、この子はアオイさんに用事があるのに

置いて行っちゃ可哀そうでしょう」


「大丈夫、考えるとは返事したけれど

仲間にするなんて約束はしてないからその子は帰れるはずよ」


「じゃぁ」


「だから待って待って、僕も置いて行かれても困るよ」


チャリオットがオロオロしだしたところ


「もう、煩いな僕の事無視するなよ」


リオンが思い切り吐き捨てた。


やっぱりそうでしょう、だって君、目が全然違うもの

弱者はね本当に目が違うのよ態度だけでは騙されないわ

私はそんなに簡単じゃないわよ。


そう思っていると、チャリオットは固まっていた。


「無視はしてないよ、きっちり断ってるだけ

私は君にはまったく用が無いんだから仕方ないじゃない。」


「僕はどうしたらいいんだよ、お父様に捨てられるだろ。」


「なんで捨てられちゃダメなの?

この世界に親のいない子なんて沢山いるし

貴方の年ですでに冒険者として頑張ってる子もいるよ

何ならあなたがお父様を捨てることだって出来るのに

何にそんなに拘っているの?」


「親に捨てられるのがどうして平気なんだよ」


「だから、捨てるとか捨てないとかそんな話じゃなく

君は自由になんだって選択できる状況なのに

どうして自分の人生の選択を自分でしないのかって

そう言う話をしているのよ」


「意味が分かんないよ」


「そうね、分からない子に理解しろなんて無理だよね

取り合えずあなたのお父様に手紙を書くわ

それを持って帰りなさい。」


「それでも捨てられたらどうするんだよ、お前の責任だぞ」


「どうして私の責任なの?

じゃぁあなたに私の人生の邪魔をされる責任は誰にあるの?」


「・・・・・」


漸く我に返ったのかチャリオットが口を挟んでくる。


「まぁ、でもここまで一人で追って来たことだし

少しは考えてあげても良いんじゃないの」


「そう言うならその子の人生を君が全部背負ってあげたらいいわ

私には無理だからここでお別れねチャリオット。」


「だからどうしてそうなるの?」


「私は自分の人生にしか責任が持てないってだけよ

私たちは家族でも何でもないのよ

誰かを頼り助け合うのは対等な立場があって続けられるの

自分できちんと立てていない人を背負うのも背負われるのも

それは疲れるだけの関係でしかないのよ

それが理解出来ていない様だから君とも仲間解消しようって事」


しばらく沈黙が続いた後漸くの様にチャリオットが口を開く


「ごめんアオイさん、僕は自分には関係ないから

君になら出来るって軽く考えてしまった様だよ

理由も良く理解していないのに簡単に考え過ぎていた

本当に申し訳ない、許してくれるかい?」


「それは本心?今は理解出来てるって考えて良いの?」


「もちろんだよ、もう同じ過ちはしない、誓うよ。」


何に誓うのか知らないけど、

でも考え直してくれたんなら大丈夫か


「じゃぁ、今回だけは許すわ次は無いからね。」


そうしてリオン君にフィガロ・ドモヴェス様宛の手紙を持たせ

そこで別れようとするとリオン君が言った。


「もしお父様に捨てられたら逆にお父様を捨ててやる

そうしてお前を追いかけたらその時は仲間にしてくれるか?」


「そうね君が自分の人生を一人で歩ける様になっていたらね」


私がそう答えるとリオン君は初めて笑った。


良かった、笑顔が見られて私も嬉しいよ

次に会えるのを何気に楽しみにしておくね

そんな事を考えながらリオン君と別れたのだった。



読んでくださりありがとうございます。

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