58 ピアスもOK
攻略途中のダンジョン秋の層に戻り転移門を外した。
この間も大量に収穫したみかんを追加で収穫して
次の階層へと続く階段を探していた。
「何だかとても美しく平和なダンジョンだね。」
チャリオットの感想だった。
「ここは私のいた国に似せてあるんだよ、私は懐かしく感じる」
私がそう言うと
「戻りたいの?」と聞いてきた。
そりゃぁ戻れるなら戻りたいよ
コロロの事もどうなったのか心配だし
私の突然の失踪はどんな扱いになってるのか気になるし。
でも出来ないことを思い悩むより
出来る事を楽しんだ方が良いと思うから前に進むだけだ。
「秋と言えば松茸なんだから
当然あると思うんだよね見つけられないだけで
とにかく赤松の木を見つけたらダッシュだね。」
私はチャリオットにそう返事をして足早に歩いた。
ミノル君、実は芋じゃなくて松茸だったんじゃないレア採取
そんな事を考えながら
チャリオットと並んで歩くのは意外に苦ではなかった。
チャリオットも流石の美青年だけあって
歩く速度を何気に私にきっちり合わせてくれているし
大げさなエスコートはしないけれど
何となく安心感を漂わせていて出来る奴だと改めて思わせる。
誰かと一緒と言うのも悪くないとつくづく感じていた。
そんな時にやっと見つけた松林、松茸の予感。
思わず走り出し探し回り
見つけた松茸を収穫しながら歩いていると
そこに突然現れる下の層へと続く階段。
どちらもこんな所に隠れていたのかとテンション上げて
チャリオットと頷きあうと下の層へと降り立った。
するとそこは当然の様に冬だった。
それも猛吹雪1m先も見えないほどの猛吹雪
魔物の存在すら確認できない豪雪猛吹雪
コレっていったいどうやって進めって言うんだよ。
一度秋の層へと戻りチャリオットと二人で考える。
何度か出入りしたら天気が変わるかもしれないと挑戦してみたが
天気が変わるのを待つ前に
寒さに耐えかねたチャリオットが降参してしまった。
そうだよね私は装備のお陰で寒さは平気だけれど
チャリオットの装備はそこまで寒冷地仕様じゃなかったね
深く深く反省しチャリオットの寒冷地仕様の装備も作ることにした。
『乙女のフードコート』
名前はアレだけどそこは我慢してもらって大きさを調整し
その他のレッグウォーマーなども作る。
約束していたイヤーカフも作ってしまおう
「そう言えば能力付加ってどんなのが望み?」
イヤーカフは相談しながら作ると約束していたから聞いてみた。
「僕の美しさを強調できるなら後は君に任せるよ」
「じゃぁ、ピアスとかの方が良いの?」
「ピアスを作ってくれるなら当然ダイヤモンドでお願い。」
何だかとても面倒くさい注文をされてしまった。
ダイヤは持ってるけど、台座はどうするんだよ?
それにピアスに能力付加出来るのか?
ちょっと大きめに作れば可能なのか?
考えていても仕方ない。
「能力を付加出来なかったらごめんね、作るだけ作ってみるよ。」
そう言って作っていく。
台座は金でダイヤモンドはブリリアントカット
大きさは0.5カラット位あれば大丈夫か?
そうして念入りに作り上げ能力付加を試していく。
取り合えずひとつ目全能力100、大丈夫そうだ。
ふたつ目素早さ100、大丈夫そうだ。
3つ目回避率+10%・・・・・付いてくれる感じがしない。
まぁいいか能力ふたつ付いてくれたことだし。
「こんな感じで出来たけどどう?」
チャリオットに渡すと、すぐさま鑑定で内容を確かめ
もの凄く喜んで受け取ってくれた。
鑑定する前に喜んでくれよ、とは思ったけれど口には出さない
早速身に着け、作ったのは私だと言うのに自慢してくる。
その手放しで喜んでいる感じだけで私も嬉しいよ。
「ピアスはプレゼントだけど他の装備はお金を取るからね」
私が言うと
「当然じゃないですか、こんなに素晴らしい装備
頂いてしまっては返って申し訳ありませんよ」
そう言いながら寒冷地仕様の防具にすっかりと着替え
ピアスを付けたチャリオットと
再び冬の層への出たり入ったりの繰り返し作業に戻った。
何度か繰り返すと吹雪の様子が変わるので
やっぱり天気は変わるのだと確信し
雪が止むまで何度も何度も繰り返した。
そうして繰り返すこと51回目
諦めかけたその時に冬の晴天、小春日和が現れたのだった。
読んでくださりありがとうございます。




