48 召喚者達
「ほら」とミノル君が指さしたのは紛れもなく苺だった。
木々が生い茂った中の日当たりのよい場所で神々しく赤く輝く果実、
まさにレア採取ですねと言った感じ。
私は夢中になって他の苺も探し回る。
「夏のレア採取はメロンだよ。」
「え~~~っ、メロンもあるの?
そりゃそうだよね、当然だよね、じゃあ秋もレア採取ってあるの?」
「うん、秋はさつま芋だよ。」
・・・・・何だろうこの急に何とも言えないがっかり感。
別に落胆する訳じゃないけれど芋は食べたよ飽きるほど
「普通の芋じゃないよ、焼くととっても甘いんだ」
シルクスイートとか紅あずまとか焼いたら蜜芋になって美味しいよね
うんうん、分かる分かってはいるんだけれど、
決して嫌いなわけじゃないんだよ、ただ食べ飽きてるんだよ。
ひたすらコンプ作業していた時に毎日毎日食べたんだよ。
本当にごめんね。
でもそんなに美味しい芋なら後で食べたくなった時の為にも
少しだけ頂いておこうか、そう思い直しミノル君ににお礼を言った。
「ところでさぁ、ちょっと聞いておきたいんだけどいい?」
私がそう言うと
「なんでも聞いてくれ」とケント君がいち早く答えた。
「この国から出られるとしたらやっぱり出たい?」
「「「・・・・・」」」
「私は別の国の冒険者ギルドに伝手があるから
この国から連れ出すことも、身分証を作ることも可能だけれど、
そうすると今度はこの国へ戻ることが出来なくなるでしょう、
このダンジョンも気に入っている様だしどうなのかなって。」
「俺はそれが出来るなら別の国に行きたい!」
「僕は忍者として活躍できるならここじゃなくてもいいんだ。」
「僕は出来れば研究とか製造とかそんな事がしたいんだ。」
三人は迷うことなく答えていた。
そりゃそうだよね、
いくら何でも好きでダンジョンに何年も籠るなんて
ちょっと考えたらそんな事は無いよね。
みんな諦めていたんだよね、いろんな事を。
無理やりの様に召喚されその上命を狙われ、
考えようによっては快適とは言えこんなところに閉じ込められ、
仲間がいたから少しは頑張れたんだろうけれど、
普通だったら無理だよねきっと。
私はミノル君にメロンの場所とさつま芋の場所を案内してもらい、
秋のダンジョンの目立たない所へ転移門を作り、
驚いている彼らと手を繋ぎティンバの街へと転移した。
思っていた通り街はまた少し大きくなっていた。
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