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召喚少女は魔王様?  作者: 橘可憐
ダムデム国

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47/166

47 苺ですか


振り返るとそこには三人組の冒険者が居た。


私に声を掛けて来たのはきっと

先頭に立つ黒髪茶色っぽい瞳の二十歳前後の青年だろう。

その後ろに金髪青い瞳の三十歳前位の青年と

茶髪に茶色い瞳の気の弱そうな年齢不詳国籍不明の青年が居た。


「どうして分かりました?」


「そのバーベキュースタイルはこの世界にはないよね。

何だか匂いにつられて声かけちゃったよ。」


黒髪茶色い瞳の青年が

右手を後頭部に左手は腰に当てハハハと笑っている。

そのポーズ私はアニメでしか見たことなかったよ、実在したんだね。


「良かったら一緒に食べますか?」私がそう言うと、


「えっ、良いの?まぁ、そう言ってくれると思って声かけたんだけど」


そう言ってから自己紹介を始めたケント君とニックさんとミノル君は

それぞれこのダンジョンで知り合い、

ニックさんは6年ミノル君は5年そしてケント君が2年と

このダンジョンに居ついているそうだ。


私は彼らの話を聞きながら、

あまりにも美味しそうに食べてくれるので、

海鮮バーベキューの残りも振舞ったらとても喜んでくれて、

そのせいもあってか、かなり饒舌になり色々と話してくれた。


召喚されるまでの間に謎人物と思念通話があり、

願いを一つかなえてくれると言われ、

それぞれに思った事を願ったそうだ。

流れ星に願うくらいに切羽詰まった感じだったので、

じっくり考えることが出来ずちょっと後悔したりもしてるらしい。


私にはそんな事起きなかったけど?

って言うか、他国の未開の森に放置でしたけど・・・


そしてケント君はアイテムボックスの保持を

それからニックさんは忍者になりたいと願い、

なんとミノル君は菌が見えると言う特殊能力を貰ったそうだ。


「だってさぁ、も〇しもん読んだとき感動しただろう。

菌が見えるんだよ、

そんな事が本当に出来たら素晴らしいじゃないか。」


今まで控えめにしていたミノル君が熱く語った。


「そのお陰で戦闘能力は低いけどな」


とケント君は嘲るような雰囲気。


「忍者って本当に居たんだね。」


何だか話を変えたくて私がそう尋ねると、


「僕は忍者に憧れていたんだよ、なれるならなるだろう。

お陰でこのダンジョンでも快適さ。」


何だか忍者の方向性が若干違っている気がするが、

本人が納得しているなら良いんだろうきっと。


「どうしてこのダンジョンに籠っているんですか?」


そう尋ねると、


「僕らは命を狙われているし、

この国から出られそうもないからここなら安心だろう。」


ニックさんがそう答えた。


「なんで召喚されたのに命を狙われるの?」


「戦争に出るのを嫌がったからさ。」


召喚されてしばらくは勇者様と呼ばれレベル上げを強要されるが、

好きな事もさせてもらえるらしい。

しかし半年もたたずに戦地に送られる事になり、

そして生産系のジョブで戦闘の役に立たないと判断されると

最前線で見殺し状態だったりとそれはひどい扱いになるそうだ。


いち早く胡散臭さに気づき逃げ出しても

身分証を持って居ないため街道を通れず国外に出ることも出来ず、

憲兵などに見つかれば間違いなく連れ戻され殺されるだろうと

必死になってこのダンジョンに逃げ込んだそうだ。


国王サイドにも国王の遣り方に疑問を持つ人も居て、

情報を聞かせてくれたり、

逃げる手助けをしてくれた人もいたそうだが、

さすがに国外へ逃げるのまでは手助けして貰えなかったらしい。


「でも、ココも慣れたら天国の様なものだよ。」


ニックさんは笑ったが


「俺はもっと冒険がしたいけどな。」


ケント君はそう言った。


「召喚を阻止する為に召喚紋を壊しに行こうかと思っているんだよね」


私がそう言うと、


「それはダメだ」とケント君に止められた。


「俺だって国王をぶっ殺してやろうとか、

召喚紋を壊してやろうとか考えたさ、

だけど国王には近づく事も出来ないし、

召喚紋には手出しも出来ない。

アレは、ちょっとやそっとじゃ壊すことも出来ないし

下手に魔力を当てると召喚が早まるだけで逆効果だ。」


「そうそう、魔力が溜まるのに1年から2年掛かるらしいけど、

下手にあの紋章に魔力を使うと

全部蓄積されてしまうそうだから厄介だよね。」


「僕たちがここに居る事は

逃げる手助けをしてくれた人しか知らないし、

目立たずにここに居る分には平和だからね。」


ミノル君は諦めたように言う。


「ところで君ってどんな能力をもってるの?」


急に改まったようにケント君が聞いてきた。


「錬金術だよ」


当たり障りが無いように答えると。


「それって凄く便利だよな、仲間に入れてやってもいいぜ」


なんだろう?

何かもの凄く心に引っかかった。

この上からの感じ、先輩風?男尊女卑?中身お子様?


何にしてもないわ、コイツと仲間だなんてあり得ない。


「ああ、それは断るよ。私は私で遣りたい事があるし」


「そうなのか?まぁ、気が変わったらいつでも言えよ」


私が断るとは思っていなかったのか、明らかに平静を装う感じ。

それを見て空気を換えようとでも思ったのか


「そう言えば、苺は見つけた?」ミノル君が聞いてきた。


「え~っ、苺ですか?どこにありました?」


「春のダンジョンのレア採取だから見つかり辛いんだよね、

何なら案内しようか。」


私は思いっきり首を縦に振るとさっさと後片付けを済ませ、

今すぐ連れて行って、早く連れて行ってとせっついた。



読んでくださりありがとうございます。

しばらくは1日何度かUPさせて頂きます。

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