46 ダンジョン最高!
そこは見渡す限りの平野だった。
そして季節でいうなら春。
所々小さな畑の様になっていて、
そこにキャベツや玉ねぎ、セロリにえんどう豆、
アスパラに人参に枝豆等々の春野菜があちらこちらで育っている。
そして花々も・・・・・
この北の大地に緑と実り豊かな春の平原、
まるでこの地に足りない物を補うかの様なその様子に
このダンジョンの役割の様な物を感じた。
ダンジョン内だと言う事もあり、私も遠慮することなく収穫してゆく。
これで大豆も油も作れるかもと枝豆は特に念入りに収穫した。
魔物は黒光りした1mほどのミミズの様なのが時々土の中から現れたり、
土の上をのそのそと這いずっていたりしたが
無視することも出来脅威は全くなかった。
この地の子供や主婦と言った冒険しない人達でも
ここに来れるだろうとそう思った。
納得のいく収穫を済ませ次の階へと降りる。
すると今度は夏だった。
とうもろこしにスイカ、キュウリに茄子にトマトそして唐辛子など
私の欲しかった野菜の数々に夢中になってしまった。
渓流もあって手掴みで獲れるのじゃないかと言うほどの魚が泳いでいたり、
梨に桃、杏子にさくらんぼと言った果物の生る木もあちこちにあり、
ホント田舎の夏休みの風景の様だった。
魔物は虫系が多く、ちょっと大きかったがやっぱり大した脅威ではない。
それにしてもどう考えてもこのダンジョンは
この地の恵みの為にあるのだと確信した。
そうして下りたその先は予想通り秋だった。
柿や栗と言った果物もあったが特に葡萄が多かった。
数もだがその種類も色々とあって、
これはもうワインやブランデーと言った
お酒を造れと言っているんじゃないかと思うほどだった。
魔物はリスやムササビの様な木と木の間を飛び跳ねる小動物の様だったが
襲い掛かって来る事がない限り収穫を優先して楽しんでしまった。
このダンジョン最高!!!
これで後は卵とか牛乳とか手に入るなら、
ここに料理の材料調達のためにだけに何度でも潜れると思うよ。
それにしてもこんなに素敵なダンジョンを保有しながら
なんでこの国は隣国に戦争を吹っ掛けたりしているのだろう?
国王がこの状況を把握していないとか?
それともただ単に戦争が好きだとか?
こんなに恵まれているのにどうして争うのかその理由が知りたくなった。
普通衣食住足りていたらそうそう争いなんて起きないと思うのだけど
私にはまだ理解できない何かがあるのだろうか?
そんな事を考えながら歩いていて見つけた渓谷に胸が躍る、
もしかしてと思いながら覗くとやっぱり泳いでいる、
鮭だよ鮭!!
食べたかったんだよ実は!
っとその前に、夏のダンジョンで採ったひまわりの種を絞り油を作る。
これは料理にも使えるし美容にも活用できる優れもの。
ちょっと多めに絞っておこう。
錬金術を活用してありったけの種からひまわりオイルを精製した。
そして取り出すバーべキューセット。
これは海鮮バーベキューの時に作った納得の優れ物。
もちろん炭も網も鉄板もトングも串もすべて作ってある。
料理は魔法を使えば簡単に出来るけれど、
やっぱり目の前でじっくり焼くという過程も味のうちだからね。
楽しむ時は楽しまないと。
早速鮭を獲って来て三枚におろし、鉄板で野菜と一緒に炒める。
味噌があったならちゃんちゃん焼きに出来たのに、
それはまぁ、ちょっと残念だけれど
唐辛子と言うスパイスも手に入れたし
取り合えず今日は思う存分鮭を味わうよーーー
と、一人夢中になって意気込んでいると
「ねえ君、もしかして召喚者?」
不意に後ろから声を掛けられた。
声を掛けられるまでまったく気づかなかったよ。
そうだよ、私はここへ召喚者を探しに来たんだった。
読んでくださりありがとうございます。
しばらくは1日何度かUPさせて頂きます。




