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召喚少女は魔王様?  作者: 橘可憐
モーデル国

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40 マジックバック


「それであのぉ、石鹸の件なのですが」


マーサ様が恐る恐る口にする。


「もちろん、石鹸のレシピもお渡しします」


「現物を渡して下さる訳じゃないのですか?」


石鹸は錬金術を使わなくても手作り出来るのだ、

大昔は主婦の内職の様な物だったと聞いた。

この世界でも十分その役目は果たせるだろう。


「石鹸と言ってもいろいろあるんです。

それこそ洗濯に特化した物や油汚れを落とすのに特化した物、

そして液状にして髪を洗うのに特化した物などキリがありません。

そういうのを研究し開発する

いわゆる作り出す楽しみを覚えてください」


「作る楽しみですか?」


「そうです、どうやって便利にしようか考える楽しみです」


「お話を聞いているだけでも本当に勉強になります」


エルンストさんが珍しく発言をする。


「私としては石鹸の普及もですが歯磨きの普及も急いで欲しいです」


「歯磨きですか?」


そう、この世界はポーションやヒールで歯の治療も出来るらしく、

歯を磨くと言う風習が全くないので口臭が凄いことになっている人も居る。

最近人と話すことが多くなって一番に気になってしまったのだ。


「そうです、歯磨きです」


「何だかアオイ様と話をしていると商売意欲が湧くばかりですな」


「ドンドン売ってドンドン儲けてください」


「それで一つお聞きしても?」


フィガロ様が用心深そうに聞いてくる。


「先ほどマジックバックの話が出ておりましたが、そのバックですか?」


「冒険者ギルドで見られたのは別のです、

防衛対策として作ったのがコレです。」


「作れるのですか?」


「はい、作れますよ。」


「容量はどの位あるのですか?」


「前にディンガル王国の冒険者ギルドに頼まれ

100ℓのと300ℓのを作りました」


「私がお願いしても作って頂けるのでしょうか?」


「無理な注文でない限りは良いですよ」


それではと商談に入ったのだが、

チャリオットが言っていた1ℓ金貨1枚と言うのが相場ではなく、

家庭用の大型冷蔵庫サイズ200ℓ位で金貨100枚

業務用の大型冷蔵庫500ℓ位で金貨1000枚

そして1000ℓ位となると金貨5000枚を超えることもあり

2000ℓを超えるようなのは国宝級で

値段なと到底つける事は出来ないと言う。


そんな風に説明されてどの位の容量のが作れるのか聞かれ、

無限大ですとはさすがに答えられず、

作る気になれば1000ℓは大丈夫だろうとだけ曖昧に答えた。


そして結局、1000ℓのアイテムボックス2個と

500ℓのマジックバックを10個をフィガロ様に、

200ℓのマジックバック5個をマーサ様に作る事になった。


コーヒーの件も石鹸の件もレシピを渡しすっかりと丸投げし、

もっと話をしたいというフィガロ様やマーサ様そしてエルンストさんを

マジックバックを作るのでと振り切って逃げた。


そう、私は冒険者なのだ。

商売の話で頭を悩ませる時間などは持ち合わせていない。

さっさと、次のダムデムに向けて旅立ちたいのだ。


次の日出来上がったアイテムボックスとマジックバックを届けに豪邸へ行くと

こんなに早くに出来上がるとは考えていなかったらしく、

フィガロ様にお金の用意が出来ていないと慌てられた。


なのでマジックバックもアイテムボックスも諦めてくれと断り、

次の街へ旅立つと別れの挨拶をするとさらに慌てられ、

実は私の旅に同行させたい人がいるので、

その到着まで待ってくれないかと懇願された。


フィガロ様もマーサ様も私と連絡が付くようにして置きたいと考えたようだ。


でもそれって、色々な思惑や下心という黒い大人の事情だよね?

私にどんなお得な事があると考えて提案しているんだろうこの人達。

そしてそれを私が喜んで受けると本気で考えているんだろうか?

何だか胡散臭いそしてやっぱり面倒くさい。


結局お金は足りない分はマーサ様に借りられたらしくきっちりと払われ、

アイテムボックスもマジックバックも注文通りに渡すことが出来た。


「それでは私はダムデムに急ぎの用がありますのでこれで失礼いたします。

同行者の件はもし私に追いつく事がありましたらその時に考えたいと思います。」


そうきっぱりと別れの挨拶をして旅立った。


コーヒーチェリーはしっかりと摘めるだけ摘んだのは言うまでもない。



読んでくださりありがとうございます。

しばらくは1日何度かUPさせて頂きます。

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