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召喚少女は魔王様?  作者: 橘可憐
モーデル国

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39 世界の発展を望む


やっぱりゴーレムと言ったら人型の戦闘タイプなんだろうけど、

取り立てて必要を感じないし。

どっちかと言うと車とか・・・・・

車はさすがにこの世界じゃ目立つだろうから自動で動く馬車とか?

それならバイクの要領で運転出来る馬とか?


この核にある程度の命令を刻み込めば

私の思うように動いてくれるのだろうから、

どうせならもっと便利な物が良いのだけど・・・


不便と言えば時間だよね、

正確な時間がいまいち分かり辛いのが本当に不便。

でも時計が必要なら、

竜頭のネジ巻き式の時計とか振り子の柱時計とか作れば

別にこの核を使ってまで作る必要もないし・・・・・


いっそ憧れのモビルスーツでも作ってしまおうか?

いやいや、別に戦争する訳じゃないし

使えないものを作っても仕方ない。


折角頂いたけれど、

どうもコレって言うのがなかなか思いつかない。

何だかだんだん試されているような気がしてきたよ。


しかしこのゴーレムの核も

そのうち必要に迫られて作りたい物が出来るだろうし、

今すぐ何かを作らなくてはならない事も無いだろう。


まぁでも、

折角思いついたので懐中時計と柱時計を形だけ錬金術で作る。

時間は時刻を知らせる鐘でこれから調整しなくてはいけないけれど

おおよその時間さえ分かれば

この世界ももう少し便利になっていくだろう。


そんな事をしながら朝を迎えたので、ゆっくりと朝食を摂り、

眠くなる意識を覚ますべくコーヒを飲んでから豪邸へと向かう。


豪邸に着くなり応接室へと通されたのだが、

そこにはすでに話し合いのメンバーは揃っていた。


「アオイさん、あの石鹸は本当に凄いわ

お風呂上がりのさっぱりした感じも、しっとりした感じも、

一度使ってしまったらもう手放せません、それほどに素晴らしい物です。

それにあのもう一つの石鹸も、

あの様に汚れが落とせるとは今までの苦労が噓の様です。」


マーサ様が興奮した様子でまくし立てている。


「え~っと、今日はコーヒーの話じゃないのですか?」


私が困りながらそう言うと


「そうですよマーサ様、少し落ち着いて下さい。

それよりもフィガロ殿のご紹介を」


「ええそうだったわ、ごめんなさい、

こちらドモバス帝国で商会をなさっていらっしゃる

フィガロ・ドモヴェス様」


マーサ様に紹介されたフィガロ様は

ソファーから立ち上がると私の方へと歩み寄ってきた。


「フィガロ・ドモヴェスです、どうぞよろしく。」


そう言いながら握手を求めてくるフィガロ様は、

派手さは無いが仕立ての良さそうな服を身に着けた中年紳士だった。


「アオイと言います、こちらこそよろしくお願いします」


私がそう返すと


マーサ様がそれぞれに座るようにと促してくる。


私とフィガロ様は二人掛けの様な幅広のソファーに対面で座り、

マーサ様はお誕生席の様な場所の一人掛けソファーに座り

その脇にエルンストさんが立った。


「早速ですがこのコーヒーは

目新しさ珍しさもあり富裕層に受けると確信出来ます。

その上で利益などの配分の話を先に出来ればと思っているのですが」


「その前に確認したい事があるのですが」


フィガロ様が話始めたのを遮って聞いた。


「なんでございましょう?」


「この国に特許登録の様な制度はあるのでしょうか?」


「特許登録ですか?」


「そうです、この商品に対しての権利の証明の様なものです。」


「初めて耳にいたしました。」


「例えばですね、私が渡したこのコーヒーを

別の人が別の所で作って売り始めてしまっても

私にはそれに対抗する手段がありません。

それを防ぐために誰が発明したか、

そして誰に権利があるかをはっきりとさせる為の契約の様な物です」


「そのような制度は全くありません」


「でもですね、その契約も永遠にとなると色々と弊害も出てきます。

なので5年とか10年とか期間を定め

その後は誰が作って誰が売ろうと良いと言う

私の生まれた国にはそのような制度がありました。

まずはその様な制度を商業ギルドなどで急ぎ作って欲しいのです」


「なるほど、その様な制度は確かに必要ですね」


「そうです、そうすれば商標登録されている期間は利益を守られるので

私の他にも色々な商品を考え登録しようとする人が増えると思います。

それがひいては文化の発展や国の発展にも繋がってゆくと思うのです。」


「まさにその通りでございますな」


「私はこの街の冒険者ギルドで失敗をしてしまいました。

うっかりマジックバックから沢山の素材を取り出してしまい、

買取拒否を受けたのですが、

それを見ていた冒険者に襲われました。

その時は撃退したのですが、次は大人数につけられました。

それを見て思ったのです。

この国の人々は欲しい物は諦めるか奪うかの選択しかしないのだと。

それはきっと教育が出来ていないせいだと。」


「教育ですか?」


「そうです、私が生まれた国には学校と言う教育機関がありました。

読み書き計算は必須でその他に国の歴史や世界の歴史

そして例えば魔術の才能が有れば魔術を、

冒険者になりたければ戦う術を

商人になりたければそのための法律や

鍛冶師になりたければその技術などと

自分の未来を自分で選ぶための教育です。

いわゆる考えるため

学ぼうとする心を育てるための教育機関です。」


「そのような機関が・・・」


「もちろん国が運営して国民全員にその教育は施されていました。」


「「「・・・・・・・・」」」


「それでコーヒーの話ですが、

レシピを機材の分もそれぞれお渡しします。

豆自体も本当に煎り加減や粉砕の加減で味が変わります。

なのでその研究や開発は自分でしてください

私が言った商標登録が実現するかどうかは分かりませんが、

他国にもそのレシピを纏まった金額で売り、

商標登録の利用料として利益を少し頂いて下さい。

そして利益分配の私の分で早急に学校を運営してください。」


「コーヒーを売る方法として、お茶やコーヒーと言った飲み物と

それに合うお菓子を出す店を開き、

その店で豆や機材も売る様にするのも良いと思います」


「それは話題になりますね。」


暫く呆けていたフィガロ様が

店舗経営の話になり現実に戻ってきたようだ。


「それで、アオイ様は利益を放棄なさるとそういう事ですか?」


「ええ、私は本当にこのコーヒーが飲めるだけでいいんです。

後はこの世界が私にとって住み易くなってくれるのを願うばかりです」


「本当に宜しいので?」


「私の願望は伝えました、面倒くさいのは嫌いなんです」


そう後はこの国の人この世界の人が考えればいい事。

私の言った事が実現しようがしまいが結局はそんなに関係ない。

私はちょっとだけ切っ掛けを作って発展を望むだけ、

私はその程度の事しか出来ないただの冒険者なのだから。



読んでくださりありがとうございます。

しばらくは1日何度かUPさせて頂きます。

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