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召喚少女は魔王様?  作者: 橘可憐
モーデル国

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41/166

41 麦が違うのよ


久しぶりにチャリオットに会いたくなった。

この世界で唯一本当の私を知っている遠慮の無い人だ。


マジックバックの話で思い浮かべてから何となく考えていたので

きっと会いたくなったんだろうと思う。

と言うか、『美』を愛でたくなったんだ、潤いが不足したのだ!!


何となくつけられている気配もあるし、そうだ会いに行ってみよう。


急ぎ踵を返すと例の広場に戻り、辺りを確認し転移門前に移動する。

私以外入れない様に結界と隠蔽を張り直しティンバの街に転移した。


びっくり、またまた街が大きくなっていた。

このままだと都市レベルの大きさになるのじゃないかという広さ。


驚きながら冒険者ギルドへと入り、

勝手知ったるチャリオットの執務室を訪問する。

一応ノックをし返事を待ってからドアを開けた。


「ひさしぶり~」


声を掛けながら部屋へ入ると何やらゲッソリとした感じのチャリオット。


「アオイさんでしたか、お久しぶりです」


「どうしたの?すっかりやつれている感じがするけど」


「激務なんですよ、激務!!

冒険者ギルドのギルド長という肩書を少し気軽に考え過ぎていた様です。

もう今すぐにでも冒険者に戻りたいくらいです。

取り合えず副ギルド長を派遣してくれると言う話にはなったのですがね」


「大変そうだね。」


「それで今日は何のご用で?」


「いつものように買取のお願いなんだけどね。

他にも聞いてみたい事とお願いがあって来た感じ」


「この忙しい時に面倒な事じゃないですよね?」


「全然そんな事じゃ無いと思うよ。」


「まぁ、私も丁度休憩をしたかった所ですし、良いですよ話を聞きましょう。」


そう言うと私にソファーに座るように勧め、自分も向かい側に座った。


やっぱりチャリオットは黙っていれば麗しい、美しい、満たされていく。

ポスターにでもしてゲルの中にでも貼って置きたいレベルだ。


「それで、お話とは?」


ヤバイヤバイ、本筋から逸れる所だった、ってこっちが本筋だったか?

内心慌てふためく心を落ち着かせ


「ジョブの事を聞きたかったんだよ」そう答えた。


「ジョブですか?」


「そう、新しいジョブも探しているのだけど

私の錬金術師に付いた★マークの謎とか色々とね。」


「私もそこまでは詳しくありませんよ。

ただジョブには上級ジョブや最上級ジョブという格付けがある事や、

何かの条件を満たすと就ける

レアジョブがあるという話を聞いた事がある位で。」


「それってどんな?」


「そうですね、最上級ジョブに大賢者や仙人と言ったジョブがあるとか、

レアジョブに密偵や忍者などがあるという噂を聞いたくらいです。」


「忍者が居るのこの世界に?」


「居ないと思いますよ。

以前召喚された勇者様が作ったジョブだと言われています。」


「ジョブって作れるの?」


「そんな話は聞いたことがありません、

勇者様に特別な力か何かあったんじゃないかと思います。」


「それじゃ、大賢者や仙人にはどうやったらなれるの?」


「大昔にそんな方が居たと話に伝わるだけで

お会いした事もありませんし、

どうやったらなれるかなんて私が知りたいくらいです。」


なるほどなるほど、肝心の所は分からなかったけれど想像はついた。

多分以前召喚された誰かが忍者になったんだね。

きっと密偵は上級ジョブで忍者が最上級ジョブと言った所か?

じゃぁ、その密偵のジョブを発現出来れば忍者も夢じゃないって事?


っていうか、

召喚者関連の話なら尚更ダムデムに行けばもっと詳しく分かるかも。

何だかダムデムで遣りたい事が増えた。

そうだ、さっさとダムデムに行こう、そうしよう!


「それでお願い事とは何ですか?」


チャリオットはあれこれと思案していた私に聞いてきた。

そうだ忘れる所だった。


「そうそう、小麦粉の話なんだけれどね。」


「小麦粉?」


「そう、私が欲しいのは薄力粉なのよ、

そして出来ればデュラム小麦の粉も欲しい。

あまり詳しくないけれど、

私が欲しいのとここのとじゃたぶん麦の種類が違うのよ。

その辺どうにかして貰える様に

この国の偉い人にでも頼んでみてくれないかしら?」


「私がですか?」


「他に知り合いなんていないし、

ほらチャリオットってとっても偉い人でしょう?」


「いや、それ程でもないですが、

でも国の方では最近土が枯れ始めていると頭を抱えているので、

麦の開発の話を聞いてくれるかどうか・・・」


「そんなのこの未開の森の腐葉土を使って堆肥を作るとか、

貝殻を砕いた粉や何なら魔物の骨を粉にして撒くとか

方法は色々とあるじゃない。」


「堆肥ですか?」


「そうよ、土に栄養をあげるのよ。」


私はチャリオットに少しばかり見聞きしていた知識を与え、

成果によってはエールの味も品質も良くなると促し、

麦の研究と開発を強くお願いしたのだった



読んでくださりありがとうございます。

しばらくは1日何度かUPさせて頂きます。

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