37 猿の軍団
ダンジョンは大渓谷上流の滝の裏にあった。
マッピングするために初めて見た大渓谷の下流は、
何本かの川が合流していたから大きかったのだ。
ここはそのうちの一つの川の上流なので川幅もそれほどなく、
街道には橋も掛けられている。
ダンジョンに入るための山道のような所は道幅も狭く
当然の様に冒険者達で賑わっていた。
こんなに大勢がダンジョンに出入りするのかとちょっと驚いた。
スライムダンジョンや大精霊のダンジョンしか知らないので、
あまり他の人とかち合うのは嫌だななどと思いながら
先を進みダンジョン内へ入った。
ダンジョン内はスライムダンジョンに似た感じの洞窟風だった。
しかしどの部屋へ行っても人がいるので避けるようにして先に進み、
人気のない階層までダッシュで潜り続け今は10階のボス部屋前。
ボス部屋攻略のための順番待ちで3組の冒険者達が居たので
私もひっそりと並んだ。
すぐにリポップしてくれればいいけど
ここで何時間待たされるのかと考えるとちょっと憂鬱だったが、
今更外へ出る選択肢もないので我慢していた。
そしていよいよ私の番だと思った時、
後ろのパーティーに抜かされそうになった。
いやいや、それはダメでしょう。
思いっきり主張したらちょっといざこざになったが
そこは譲れない、無視してボス部屋へひとり突入。
中には下半身がクモで上半身が人間のような魔物が居た。
このダンジョンに入って初めての戦闘、
少しだけ身構えてしまったが、
クモが吐き出した糸を躱し鞭を振るう。
鞭は一振りしただけなのに剣のように魔物を切り裂き
そして槍のように心臓を突き刺していた。
「なんだこれは」
考えていた以上の性能に我ながらびっくりしてしまった。
「やっぱりコレって最強じゃないの」
興奮しながらドロップアイテムを拾う。
大きめの魔石と糸と宝箱。
宝箱はまたまた宝石箱の様な綺麗な装飾がされていて
中身はブローチだった。
プラチナ製の雪の結晶の様なデザインで派手さもなく好みな感じ。
アラクネのブローチ
状態異常耐性(大)
物理防御20 魔法防御20 全状態異常耐性+50%
なかなか良い物が手に入ったと喜んで
早速フードコートに着けて次に進んだ。
次の階層で大分冒険者の数は減っていたが出会うと面倒なので、
やっぱり避けながらサクサク進んだ。
そうして20階またまたボス部屋。
並んでいる冒険者も居ないので早速入ると中は猿の軍団だった。
中に人類の進化の途中の様な大型の猿もいて
子猿が一斉に襲い掛かってきた。
素早く結界を張り鞭を振るう。
気持ち良いほど一振りで何匹かの猿たちを切り裂いていく。
鞭も両手持ちにすれば良かったかと思いながら振っていく。
途中何回か猿に襲い掛かられたが結界がそれを阻み、
それより先に鞭の動きが速く次々と猿は倒れていく。
「鞭って結構気持ちいいかも」
そしていよいよボス猿かと睨み合ったとき、
ボス猿は手に持ったこん棒の様な武器を振り上げ
振り下ろすのかと身構えた時大きく叫び声を上げた。
するとどこから現れたのか
またまた猿の軍団が襲い掛かってくる。
びっくりだよ、このボス部屋どうなっているんだ?
また仲間を呼ばれるのも面倒なので
ボス猿を先にサックっと倒し、
猿の軍団に鞭を振るっていると
頭の中で『手加減』と浮かんだ。
「何だ???」
一瞬何事かと慌てたが
取り合えず猿の軍団を殲滅しステータスを確認してみる。
名前 橘 葵
称号 怒涛の作業師 噂の魔王様?
ジョブ 錬金術師★★★complete
召喚術師★★★2
格闘家complete
レベル 254
ジョブ候補
固定スキル 生活魔法 鑑定 染色
スキル 栽培★ 調薬★ 鍛冶★ 分解★ 付与★ 製布★ 縫製★
採取★ 精製★ 錬成★ 調合★
火魔法★ 水魔法★ 風魔法★ 土魔法★ 雷魔法★
回復魔法★ 間接魔法★ 聖魔法★ 闇魔法★
無属性魔法★ 時空魔法★ 重力魔法★
闘魂★ 格闘術★ 召喚術 精霊契約 鞭術
契約精霊 ドリアード
加護 龍の加護
新しいスキルが増えている、きっと鞭を使ったせいだね。
それにしても鞭で手加減って。
格闘家とか剣士とかのスキルかと思ったけれど
何だか意味が深い感じ・・・・・
考えても仕方ない、ドロップアイテムの確認。
そう思って辺りを見回せばなんと魔石だけ、宝箱もない。
ボス部屋なのに?
猿って他に何もないの?
ある意味初めての体験に
ちょっとがっかりしながら次の階へと進んだ。
読んでくださりありがとうございます。
しばらくは1日何度かUPさせて頂きます。




