23 冒険者登録
あっけにとられ呆然としている私が
美男子によって引きずるように連れてこられたのが
冒険者ギルドの執務室のような部屋だった。
「チャリオットと申します、名乗りもせず大変失礼しました。」
そう言って向かいの席で頭を下げている。
「ああ、いえいえ私はアオイと言います。」
つられて私も頭を下げてしまった。
「早速ですが私このたび
ここティンバのギルド支部を任されることになりまして
近頃赴任して参りました。
魔王誕生の噂のあるこの場所に新たなダンジョンと言うことで
Sランク冒険者として活躍していた私に白羽の矢が立ったのですよ。」
一気にしゃべった後に自慢気な顔をしてからさらに続ける。
「この森の偵察と開拓そしてこのギルドの発展だけでなく
街道の整備等やることは沢山あるのですが、
まずはダンジョンの探索が最優先だと思われ入ってみて驚きました。
相手はスライムだと言うのに見たこともない生態のものも多く、
そして思いのほか強かった。
初心者レベルとは思えません。
本来若いダンジョンはもう少し攻略は簡単なはずなんです。
しかし中で採取できる鉱石は価値の高い物ばかり、
このダンジョンは間違いなく人気が出ます。
この街はもっともっと発展します。
そのための助力をどうかお願いいたします。」
話が長かったので殆ど頭に入っていなかったけど断った。
何だかすごく面倒くさそうだったのできっぱりと断った。
他にもまだ何かいろいろと言っていたけれど断った。
「ちなみに失礼とは思いますがレベルをお伺いしても?」
「人に聞くならまず自分からではないのですか?」
「そうですね普通の人は鑑定など使えませんからね。」
そう言うと自分のステータス画面を開き
覗いてみろというジェスチャーしたので
遠慮なく覗かせてもらった。
名前 チャリオット・マーキュリー
称号 麗しのダンサー
ジョブ 踊り子8
レベル 72
ジョブ候補 軽業師5
固定スキル 鑑定
スキル 短剣術 回避術 双剣術 舞闘術
これが自慢するほどのステータスなのか?
そしてSランク冒険者?
何だかすごく拍子抜けした感じ
でも踊り子はちょっと憧れるかも。
「踊り子のジョブはどうやって手に入れたのですか?」
「短剣を使い慣れると軽業師のジョブが手に入るので
それを育てると手に入ります。」
なるほどやっぱり武器か・・・
「まぁ、素質が重要なのですけれど。」
またまた何故か自慢げ。
「それであなたのレベルをお伺いしても?」
「229です。」
「・・・・・本当に?」
「嘘をつく理由が?」
「ステータスを見せてください!!」
何だか見せたら見せたで面倒くさいことになりそうだし
見せないといつまで付き合わされるか分からないしどうしよう?
「個人情報保護です。守秘義務です。」
「ええ、個人情報保護も守秘義務も守ります。」
仕方ないので見せることにした。
名前 アオイ
称号 怒涛の作業師 噂の魔王様?
ジョブ 錬金術師★★★8
召喚術師★★★
格闘家complete
レベル 229
ジョブ候補
固定スキル 生活魔法 鑑定 染色
スキル 栽培★ 調薬★ 鍛冶★ 分解★ 付与★ 製布★ 縫製★
採取★ 精製★ 錬成 調合
火魔法★ 水魔法★ 風魔法★ 土魔法★ 雷魔法★
回復魔法★ 間接魔法★ 聖魔法★ 闇魔法★
無属性魔法★ 時空魔法★ 重力魔法★ 闘魂★ 格闘術★
召喚術 精霊契約
名前が変わっているし
称号が増えていた『噂の魔王様?』
(自分よりレベルの低い人間に認識されづらくなる)
それって対人関係で余計な争いごとが無くなるって事か?
そしてやっぱり見せたらとても面倒くさいことになった。
あんな事も出来るこんな事も出来ると
いろいろと押し付けられそうになったので
逃げ出そうとしたらまたもや追い縋られた。
「それ以上面倒臭いことを言うなら手段を選ばない」
と、ちょっとだけ脅した。
取り合えずこの街で冒険者登録をして
持ち合わせの薬やポーションや素材を売り
武器や防具をいくつか作って売るという話で
自由放免にしてくれることになった。
出来ればこの街を拠点にと言う話を
しつこいほどされたが断った。
私にはやりたいことが沢山あるのだ。
と言うことで、
早速ギルドカウンターで冒険者登録をし素材の放出をしたが
買い取り切れないと言われ、一番必要じゃない大量の肉を
買えるだけ買ってもらう事になったが
流通の事や保存の事があると言われたので
アイテムボックスを作ろうかと提案したら驚かれ
それならお金を出すから
マジックバックを作ってくれと言うので作った。
大体1ℓ単位で金貨1枚(1万円)でどうだと言うので
100ℓサイズと300ℓサイズを30個ずつ作り
その中に詰められるだけの肉を詰め買い取って貰うことにしたが
当然買い取りの資金が全然足りなかったので
代金は後日でと言う事になった。
冒険者のランクは貢献度のポイント制だと言うことで、
その大量の肉とマジックバックのお陰で
GランクからDランクに昇格出来た。
素材の売り付けだけでDランクに上がれるらしく
Cランクからはテストがあるそうだ。
次に道具屋に行き薬やポーションを出したが
ここでも買い取り切れないと言われ
低ランクの物を買い取って貰った。
低ランクとは言え数があったからか金貨100枚ほどになった。
次に武器と防具だが錬成のレベル上げも考え
適当な武器を作り錬成で少し強化して
適当な装飾品を作り錬成で少し強化してを繰り返した。
場所はギルド裏のスペースに設置したゲルの中で、
素材は大量にあったミスリルで。
ひたすら内職作業を黙々とこなし、
いよいよ錬成に★が付いたところで止めた。
早速作った武器と装飾品を武器屋と防具屋に持ち込んだが、
やっぱり買い取り切れないと言われ
買い取ってもらえるだけを買い取って貰い
残りはギルドに戻り、チャリオットに責任を取れと詰めより
余った武器と装飾品をギルド預かりにし
責任をもって売り捌いてもらう事にした。
冒険者ギルドには銀行のような機能もあり
現金を私名義で預け入れが出来ると言うので
売上金はマジックバックと肉の分も纏めて
後日振り込んで貰うことにした。
「やっと終わった~~~」
これでまた新たな一歩が踏み出せる!!
取り合えずあの小屋に戻って
少しゆっくりしてこれから何をするか考えよう
そんな帰郷にも似た感情が湧いたのだった。
読んでくださりありがとうございます。
しばらくは1日何度かUPさせて頂きます。




