13 魔王討伐?
逃げるように夢中になって走り続け、ようやく街へと帰りついたギルド長は
早急に国王へと報告をした。
自分が見た光景を信じがたいその様子を。
しかしその話を聞いた国王も宰相も俄かには信じなかった。
夢でも見たのではないかと笑い飛ばした。
それはあまりにも現実離れをした話だったからだ。
未開の森の中で起きた吹雪の話も魔物の屍の数も、
そしてその魔物の屍を一瞬で消し去る話も。
それをたった一人でやってのけたと言うのも、
どれをとっても現実味がない。
信じろと言う方があまりにも無茶な話だった。
と言うよりその話が真実だったとして、それに対抗すべく手段を思いつかない。
未開の森の魔物たちはそれでなくても強いものも多い。
この国の騎士や兵士たちでもそう簡単に倒せる相手ではない。
その魔物を、それも夥しい数の魔物を倒した者にどうやって対抗しろと言うのだ。
国王も宰相も近隣諸国へ魔王誕生の情報を流し、
協力体制を要請することくらいしか思いつかずにいた。
出来るならどこかの国が対応してくれれば良いと願うしかなかった。
国王と宰相への報告を終えたギルド長は身も心も疲れ果てていた。
しかし一刻も早く事態を打開すべく対策を立てねばならないと
冒険者ギルドへと戻り、各支部そして他国ギルドへと魔王誕生の情報を流した。
そして討伐のための冒険者を募った。
魔王討伐の報奨金を国が出してくれるなら討伐依頼も出せるだろうが、
今はまだその決定も出されていない。
腕に自慢のある冒険者が名声を求めて討伐に向かってくれることを願っていた。
この国は他力本願の考えしか持ち合わせていない様だった。




