120 リターナの街
元々遺跡後の様になっていた街があったと思われる場所に着くと
ティンバの例も考えて粗方の街の様子を決めておこうと
チャリオットがそう言いだしたので
私はその辺はすべてチャリオットに任せ
取り合えずどこに何をどんなふうに建てたら良いかの指示だけ待った。
しかしチャリオットの話し振りだと手持ちの木材で足りるか不安になり
一度ティンバの街に戻って木材を少し手に入れて来ると言うと
それではドリアード様ダンジョン傍の街の辺りを開拓してくれと頼まれ
私はそちらへと出向いた。
びっくりしたここの街も結構大きくなっていた。
ドリアード様ダンジョンもそれなりに賑わっている様で安心した。
言われた通り街の外側をある程度開拓して木材を手に入れ
チャリオットの所へ戻るとすっかりと街の下絵が出来ていた。
私はそこに書かれた指示通りに地盤を整地し建物を建てて行き
大まかな通りも作って行った。
そうした一連のやり取りや作業を見ていたギルド長は(存在を忘れていた)
只々唖然としていた。
そもそもここがあの砂漠だと言うのもまだ信じていない様だった。
「街の名前を決めましょう」
チャリオットが突然の様に言い出したので
「私が決めても良いの?」
そう尋ねると
「作ったのはアオイさんですよ、当然でしょう」
と言うので
「じゃぁ、リターナで」と決めた。
始めて私が付けた街の名前
まだ街になるかどうか分からないけれどちょっと嬉しい
ここが人で溢れ賑やかになることを願うばかりだ。
「人員の手配は済んでいますので
その到着を待つのは誰にお願いしましょうか」
と、チャリオットがギルド長に話を振った。
もう人員の手配まで済んでるの?
それは仕事が速すぎるでしょう。
「それではこちらで冒険者に依頼しましょう」
ギルド長の返事を待ってから
「では一度街に戻りましょうか」
と、気楽な感じで私に話を振って来る。
なんで?
転移門はさっき使ってもうバレてるよ
何をわざわざ私に話を振ってるのよ?
「ふふ、気球でお願いします。
ギルド長はここが元は砂漠だったのをまだ信じられない様ですし」
って、それか、そう言えば前からまた乗りたいって言ってたし
この場合出しても問題ないような気がするし
ホントあなたは凄いよ凄すぎるよ
私じゃ全然かなわないよ
私はすっかり諦めて気球を取り出すとちょっと窮屈な思いをしながら
壮観な景色をゆっくりと眺めながらドマの街へと戻った。
ギルド長はさすがに疑う余地もなくなった様で
今更の様に私の凄さを讃え出していた。
いや、そんなのは良いから
それよりもっとリターナの街がいやこの国が栄える様に仕事しろよ
私は内心でそう呟きながら愛想笑いで流していたが
チャリオットはご満悦の様だったので
早く仕事をしろとせっついて
チャリオットにギルド長を急かさせ冒険者の手配をさせた。
そしてその冒険者をリターナまで転移門で送り届けてから
何となく転移門を勝手に使われたら嫌だなと思い
念のため場所を変えて作り直し結界と隠蔽を張った。
本当は誰でも使える様になったら便利なんだろうけれど
そこまでの管理は私には無理だし
万が一何かトラブルや事故でもあったら嫌だから止めておく
他に転移門作れる人がいるならその辺はその人に任せるよ
こうしてひと段落した私とチャリオットは
その日はここリターナにゲルを設置して休む事にした。
読んでくださりありがとうございます。




