決闘
冒険者ギルドの訓練所に移動する。
ここはかなりの広さがあり冒険者同士がチームの連携を鍛えるのにも使われる。
そして当然荒くれ者の多い冒険者同士だ、諍いが合った場合の決闘の場となる。
そんな時はギルドにいる冒険者や職員が総出で決闘を観覧するのだ。決着の是非を曖昧にしない為だ。負ければ素直にこうべを垂れる他ないだろう。
それにしてもかなり人数がいるな。
俺をリンチできると思っているからかギルマスであるガランを筆頭に10人もの冒険者が集まった。勿論俺を殺す宣言している冒険者も一緒だ。
そしてチームで参加している奴等もいる。これは流石にどうなんだろうか。フィアはとても人気だった。
「おう、覚悟はいいか小僧」
先頭に立つ大剣を持ったガランが血走った眼で睨み付ける。
他の冒険者達も武器を構えて今か今かと待っている。
「ああ、それじゃあお前達が戦えなくなるか降参したら終わりにする。かかって来い」
俺の言葉に切れたガランが叫びながら斬りかかって来る。その動きは確かに上級者のそれだろう。
「舐めんなよおらぁ!」
大剣の上段からの振り落し。脳天目掛けて高速で迫って来る。
これは食らったら普通に死ぬんだが。決闘じゃ無かったのか。どうやら彼らの中では殺しも1つの決着らしい。俺は人殺しはしたくないので威力は抑えるが。
ガランの大剣を左手で真剣白刃取りする。既に俺のステータスは一万を超えている。集中スキルを使えばステータスチートと合わさって動きが止まった様に見えるのだ。
「てめぇっ離しやがれ!
」
ガランが両手を使い離そうとするが俺の左手はビクともしない。
俺は右手をガランの額にゆっくり近づける。
「なんだ!?」
「何、少し反省しろ」
そのままデコピンをお見舞いしてやる。
デコピン1つで広い訓練所の端の壁まで吹っ飛ぶガラン。大剣は有難く頂いておこう。そのままアイテムボックスに収納した。
その光景を見て時が止まった様に動かなくなる冒険者達。周りで観戦してる奴等も時が止まっていた。
「どうした、次早く来い」
「ひぃ、化け物だ」
「手を出したらいけない奴だったんだよ」
怯え出す冒険者達の中で勇ましい奴が出てくる。
「馬鹿野郎っ、そんなの屁でブハァッ」
勿論最後まで言わせない。元気な声を上げた奴をエアショットで吹っ飛ばし壁に叩きつけて黙らせる。
「ほら次」
完全に静まり返ってしまった。最早彼等には完全に戦う戦意はないだろう。
「戦う気が無いなら降参しろ」
何も言わないからぶっ殺すと息巻いてた奴をエアショットで吹っ飛ばす。
「ひぃっ」
「喋れないなら全員吹っ飛ばすしかないが」
「「「降参します!!!」」」
武器を放り投げて彼等は余す事なく土下座した。
冒険者達には反省の意味を込めて武器は全て回収しておいた。彼等には新しい武器を手に入れてまた一からやり直して貰いたい。
「旦那様!カッコ良かったです」
「リョウ様!とっても素敵でした」
フィアとエミリアが労ってくれた。正直彼等が幾らいようと変わりないから大した労力ではないな。
「ああ、ありがとう」
側に駆け寄ってきた2人の頭を撫でてやる。2人共に気持ち良さそうだ。
「それじゃあ約束通り金貨を貰おうか。フィア、エミリア」
俺はそう言ってフィアとエミリアに指示を出す。
「「はい」」
2人は素直に返事をしてレイニーの所に行き金を巻き上げる。誓約書にサインさせてるから問題は無いのだ。周りの職員達も何も言わずにその光景を眺めるだけだ。
別に俺が彼等に暴力を振るったわけではないが誰もこっちを見ようとはしなかった。
触らぬ神に祟りなし。俺は彼等の中でここに居ない存在になっていた。
まぁ仕方ないか。
「旦那様、金貨500枚丁度です」
フィアがエミリアと一緒に金貨を持って来た。これでギルドにはもう用は無いな。
ギルドの金はすっからかんになってしまった訳だが集まればまだ金はあるそうだし問題無いだろう。後の事はギルドマスターであるガランの仕事だ。彼がギルドマスターを続けられるかは分からないが。
「リョウ様、私も連れて行って下さい」
冒険者ギルドを出ようとしたらエミリアがいきなり告白してきた。
ステータスを見ると女神の加護「好意」が発動状態だった為解除する。
「駄目だ」
「そんなぁ!」
あれ、加護を解除したのに本気で悔しそうだ。どうやら一度発動したら状態は継続されるみたいだ。仕方ない。
「ギルドで頑張れ。何年かしたら迎えに来てやる」
「本当ですね、絶対ですよ!」
鬼気迫るエミリアを躱してギルドを後にした。
フィアを抱いた次の日に他の女ってのはどうにもな。
今はフィアがいるから暫くはいいや。女神の言うハーレムを作るのはもう少し先になるだろうな。




