ダンジョンへ
ギルド証を手に入れた俺はダンジョンに来た。
門兵もこれで文句はないだろう。ドヤ顔でギルド証を見せてやった。ランクはFだが。
「Fランクだな。1人で入るのか、気を付けろよ。ゴブリンが2体以上の時は必ず逃げろよ」
「ああ、勿論だ」
ゴブリン相手に心配されてしまった。確かに見た目15の少年にしか見えない以上は仕方ないだろうな。
まぁゴブリン程度なら何体来ても問題無いんだが。
ダンジョンは階層毎に地形が異なっていて遺跡や洞窟の様な迷宮型もあればフロア全てが森林や草原、砂漠などの様な自然地帯もある。
どんな構造なのかは行ってみないと分からないのだ。
マップではその階層だけが表示されるので、下の階層は完全に別のエリアなのだろう。
(たが降る階層迄の道が判るし魔物や人が何処に居るかも判るから相当便利だぞ)
マップの有用性を実感してしまう。マップで表示される魔物に鑑定を掛ければ詳細な情報まで分かるのだ。
マップは完全なチートだな
1階層は余り魔物がいない様だ。スライムやゴブリンが僅かに単体でいるだけだ。
低階層は冒険者の数が多い為だろう。スライムやゴブリンは低ランク冒険者でもチームを組んで戦えば十分安定して倒す事が出来る。だが階層を進めば当然魔物も強くなっていき危険が付き纏う。その為冒険者達は自分達が効率良く魔物を狩れる階層で狩りを行うのだ。当然低階層には低ランク冒険者で溢れ返るわけだ。
まずはとにかく進んでいくか。階層を降りて行けば丁度良い狩場もある筈だ。危なくなっても空間転移で逃げれば良いしな。
早速マップを見ながら下の階層を目指し進んで行く。最短距離で遭遇する魔物はファイアボールの餌食になる。
スライムやゴブリンからドロップしたアイテムを回収しながら2階層に着いたらレベルは21に上がっていた。
そしてステータスは3000〜4000まで上がっている。最上位職はステータスの伸びもかなりの高さだ。因みにこのフロアの冒険者で1番レベルの高い13の剣士のステータスの最大値は212だった。
ステータスが全てでは無いがこれだけ高いと安心感が違うな。
2階層の魔物もスライムとゴブリンだった。スライムはレッドスライムやブルースライムと言った火や水の属性を持った種類が出る様になる。レッドスライムを倒すと「スライムの核(火)」がドロップする。鑑定では魔力を流すと種火程度の火を出す事が出来る様だ。同じ様にブルースライムは「スライムの核(水)」をドロップし、コップ3杯分程度の水を出せる。小さくて持ち運びに便利で街から出る時には必要な物だろう。
さくさくとスライム狩りを行いながら下の階層へ。レッドスライムとブルースライムを狩ってレベルは25に上がった。スライムではレベルの伸びが悪くなったな。
3階層もスライムとゴブリンか。そのまま4階層、5階層も変わらず6階層目で森のエリアに出た。
魔物はキラーエイプ、キャタピラー、キラービー、トレント、そして又もやゴブリンだ。
「ここからが本当のダンジョンって感じだな」
ここから冒険者が始まるのだ。接近戦は怖いから魔法で戦うが。
ここの魔物は集団で行動する個体が多い様だ。他の冒険者を避けて近くのトレントに近づく。
木にしか見えないが此奴はトレントだ。それも横並びで4体もいる。マップが無いと分からないな。
トレントは俺が気付いてないと思っているのか擬態を解かない様だ。なら取り敢えずいっとくか。
取り敢えず生、みたいか乗りでファイアボールをトレント達に撃ち込む。
「「「「ギィガァァァァ!」」」」
トレント達は擬態を解き凶悪な顔の魔物に戻った瞬間に倒された。
トレントからドロップした枝は魔力を含んでおり杖や錬金術の素材になるようだ。
トレントのレベルは7〜9だ。今回でレベルは29に上がった。順調にレベルも上がりスキルも充実してきた。
ファイアボールしか使ってないがな。
そう言う訳で他のスキルも使ってみるとしよう。
「スラッシュ」
「ブオォンッ!!!!」
「ギャギャァァッ」
トレントのドロップした枝を片手にスラッシュを発動したがなんか威力がとんでもないな。一撃で家が軽く吹っ飛ぶぞ。威力を調整出来たから使い勝手の良いスキルだろう。
他の魔法も試してみる。
水魔法
「ウォーターボール」
「ギャーッ」
風魔法
「ウインドショット」
「ブハーッ」
土魔法
「ロックバズーカ」
「バゴーッ」
雷魔法
「ライトニング」
光魔法
「エンシェントレーザー」
闇魔法
「カオスウィップ」
「「「ベギャギャギャーッ」」」
試し打ちされた魔物達の悲鳴は正しく断末魔だった。
どれも強くて使い易い。初級魔法だしな。威力は最上級だが。
そして最も俺に合ってたのが空間魔法だった。
魔法は全てイメージで発動出来る。魔力は体から自動的にその魔法に合った形で消費されるんだと思う。
俺はキラービーの集団を取り囲むように球体を空間魔法で包み、前にかざして開いた右手の拳を握り締める。キラービーを取り囲む球体も俺の拳に連動して圧縮される。
「空間圧縮」
空間魔法はその名の通り空間を操る魔法だ。空間転移なんて出鱈目な事が出来るのだ。空間を圧縮するなど造作も無い。
何より恐ろしいのはこの魔法にはタイムラグが無いのだ。例えば風魔法のウインドショットは風の塊を飛ばす。その発動の起点はどうしても俺が中心になる。だから的に命中するまでに時間がかかる。だが空間魔法は的を中心に出来る為その時間を限りなくゼロに出来るのだ。
空間を固めれば見えない壁を作る事も出来るし恐ろしく汎用性の高い魔法なのだ。流石最上位職なだけはある。
俺は何度も右手を握り締めて(実際には必要ないが)魔物を圧縮、消滅させアイテムにドロップさせる。
ひたすら魔物を狩り続け右手が怠くなってきた頃レベルは49迄上がっていた。
ここの魔物のレベル最大で11何だが。
経験値スキルは流石だった。
ドロップアイテムもかなりの数回収出来たし充分だろう。そろそろ帰るか。
フィアラルも待ってるだろうしな。




