閑話 フィアラル
朝ベッドの上で目を覚ましました。横には愛しの旦那様と妹のミィがいます。
昨日はミィが旦那様のメイドになり旦那様も張り切ったのでしょう、昨晩は私とミィに沢山指導して下さいました。壊れてしまうくらいの激しい指導でしたがとても幸せな時間でした。
心が満たされて身体も軽く感じてしまいます。
ミィもきっと私と同じだと思います。彼女は男爵の令嬢でありながら旦那様と出会ってわずか数時間で旦那様のメイドになってしまいました。きっとミィは旦那様に初めて会って助けて貰った瞬間に旦那様に恋をしてしまったんだと思うんです。
その時のミィを見れば分かります。だって私もそうだったからです。
初めて旦那様に会った時に私は直ぐに恋に落ちました。そうです、いきなりなんです!
まるで目が離せなくなるんです。頭の中が旦那様一色になる感覚です。そうです、旦那様に愛される感覚です。
その時の私はギルドの受付の仕事をしていました。
でもそんなの頭の中に入って来ません。入ってくるのは旦那様の声だけです。
「そうだな、フィアラルはどこに住んでるんだ」
「はい、私はギルドの寮に住んでます」
他の冒険者の方にも良く聞かれますけど絶対に答えたりしません。でも旦那様に答えるのは当然だと思うんです。
「そうか、この街でおすすめの宿はどこだ」
ああ、旦那様、私の家に泊まりに来て頂けないんですか?
私は胸が張り裂けそうになる気持ちを抑えてお勧めの宿を紹介します。
「そうか助かる。今からダンジョンに行ってくるから予約しといてくれ。代金は戻ってアイテムを換金してからになるからな」
え、私が予約していいんですか? そう言う事ですよね?そうですよね!
「はい、分かりました。行ってらっしゃいませ、リョウ様」
「ああ、行ってくる」
私の期待は膨らみます。そうとなれば私も早く宿を取りに行かなくては。勿論部屋はダブルです。
「え、せんぱい?」
私も行ってきます!
ギルドで旦那様の帰りを待つのがとてももどかしく感じてしまいます。
もうギルドなんて辞めてしまいましょうか。早く旦那様の傍に行きたいです。何故かまだ数回言葉を交わした程度なのに私はもう妻気取りで心の中で旦那様って呼んでしまっています。
分かりませんが私の妄想は止まりません。一体どうしたんでしょうか。
今迄は恋愛に興味もわかなったのに何故か心がどきどきして身体は疼いてしまい感情をコントロールする事が出来ません。
ギルドでは女性に声をかけて強引に誘う冒険者の姿も結構見かけますがその気持ちが分かってしまいます。
私も今はその中の1人なんです。旦那様に強引に誘って貰って無茶苦茶に抱かれたいんです。一体何時間待てばいいんですか?身体が熱くて壊れそうです。
そんな時旦那様が帰って来ました。ああ、待ってました。
「宿は取れたか」
その問いに
「はい、勿論ダブルで取りました」
普通に取りましたで良いのに私は何を口走っているんでしょうか。ですがこれだけ我慢していれば仕方ないと思うんです。
「そうか、それじゃあ換金を頼む。その後一緒に行くか」
でもそんな私に旦那様はそう言って私を誘ってくれたんです。
「はいっ!」
よかった。もう換金とかいいと思うんです。お金なんて全部私が払いますから。全財産私毎差し上げますから。
震える身体を抑えつけて私は換金作業を行いました。ああ、もう、早く。なんでこんなに多いんですか?何十人でダンジョンに潜ったの?
明らかに旦那様が持ってきたアイテムの量は異常でした。やっぱり旦那様は凄い方だったんですね。素敵です!
私は確信しました。私が初めて好きになってこんなに意識してしまうのは女の勘が働いたからだったんです。この人に着いて行けって。
だって今日冒険者になったばかりの旦那様が一日で5階層のドロップアイテムを持ってきて、その数が200を超える? 信じられません。
ますます私は旦那様に惚れてしまいます。
やっと換金が終わって宿まで行きます。もう駆け足で行きたいくらいです。
宿に入ると旦那様が
「フィアラル。俺はお前を抱こうと思うがお前は俺でいいのか」
そんなの当たり前です。旦那様以外あり得ません。
「はい、その、初めてなんです。男性を好きになったのは。私、リョウ様を見た瞬間分かったんです、私の運命の人だって。だからお願いします。私を抱いて下さい」
「ああ、お前を抱く。フィアラル、俺の女になれ」
ああ、その言葉だけで満たされてしまいます。はい、なります。旦那様の女に。
「はいっ、旦那様っ!」
その日は初めてなのに私は乱れに乱れてしまいました。
エルフ族は性に淡白な筈なのに私は少し変わっているのでしょうか。何度抱いて貰っても疼きは止まりません。私は旦那様にお願いして壊れるくらい激しく乱暴に旦那様に愛して頂きました。
目を覚ましました旦那様に朝の挨拶(口づけ)をします。
旦那様は私を抱きしめて下さり挨拶を交わした後優しく頭を撫でてくれます。
ミィも旦那様に呼ばれて挨拶を交わして頭を撫でて貰っています。
ああ、幸せそうな表情です。
私は旦那様の妻にはなれませんでしたが旦那様のメイドにはなれました。
旦那様はメイドをこよなく愛しているようです。私は旦那様に愛されるメイドとして、なにより誰よりも旦那様に尽くすメイドとして今日も決意を新たに頑張ります。そして絶対に、
ミィには負けませんよ!




