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悪魔?のZ(車好き以外は面白くないかも?)

 今日は放課後に若葉町にある「佐瀬モータース」に来ている。


洋に言われたS30型フェアレディーZを見る為だ。


令和時代の車と比べてかなり小さい・・がレトロで格好いい。


「まあ、古い車で下取りに入ったんだよ。車検も付いて10万。まあこの値段で妥当じゃないかな?」


昔のちょっとクリーム色掛かった4シーター(4人乗り)のZ・・・・・


記憶だと結局買い手が出ずに廃車になってしまったはず。


普通の2シーターだと格好が良いのだが、4シーターはサイドの窓枠のデザインが格好良くないので不人気ではある・・・


が、当時の日産らしいデザインであり硬派さを感じる。


このまま朽ち果てて行くだけの車。


友達もほとんどいなくなり後は人知れず死んでいくだけだった前世の俺がフィードバックされる・・・・


このまま終わらせたくないな・・・・まだ終わるのは早い・・・


きっと車もそう思ってるはず・・・・


「洋!これにソレックスの40パイ入れてきっちりセッティング出せばそれなりに走るかね?」


ソレックスはキャブレター・・・ガソリンと空気の混合気を作り、エンジンに送り出す機械でレース用。


当時は外国製の「ウェーバー」か国産の「三国ソレックス」が改造の定番だった。


「ノーマルのL型は燃費悪いから3連キャブにするともっと悪化するかもだ・・・」


「でもエンジンの燃料の要求量に沿ったセッティングが出来ればレスポンスも良く燃費との両立が出来るんじゃね?」


「ただ、違法改造になるからうちじゃその辺は手は入れられないかな・・・」


「そか。」


「んじゃ取り敢えずゴールドコイルに変えて、プラグコードは永井の入れて、あと、Gノーズ付けるからラジエターのコア業者に出して増やす様にしといて。点火と冷却系なら車検大丈夫だろ?」「買うのか?」


「うん、買う。基本整備はきっちりお願い。プラグはプラチナ入れといて?サスとかはきついだろ?」


「法で整備工場は縛られてるからな。ショックなら黒く塗れば分からん。」


「サスとの兼ね合いあるから後だな、最悪俺が組む。」


「了解。整備は親にきっちりやる様に言っとく。」「頼んだわ。」


10万円、整備入れて25万円って所で商談成立。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜に柔兄貴(初登場)に連絡した。


「兄貴?和だけど、」「おー、どした?」


「兄貴前に車塗装しただろ?そこ紹介して?」「車買ったのか?「2リットルの2/2のZな。」


「おー、渋いな。」「で、オーバーフェンダー組んでGノース付けてリヤの羽根付けたいんだけど探せる?」


「あとワタナベの15インチのホイールもあれば、」「手間賃取るぞ。」


「いいよ、兄貴の取り分で10万円。」「悪くはねーな。」「だべ?」


「色は何で塗る?」「マルーンでリヤスポとバーフェンが黒だな」「いいな、それ、」


マルーンは小豆色っぽい色でZには滅茶苦茶合う。


「部品で20万か25万、塗装合わせて40万、俺の取り分合わせて50万円だな。」「それでいい。バイトで稼いだから、」



「で、ソレックスの40付けたいんだけど、」「44じゃねーの?」「40でレスポンス狙いだな、」


「おめえ随分詳しいな。」「まあな・・・縦デュアル組んでるから40パイでセッティング出して燃費上げるつもり。」


「滝に連絡取ってやるよ。まあ10万分は仕事してやる。」・・・滝さんは兄貴の友人でキャブセッティングできる人。


なんだかんだで免許含めて100万は掛かる計算・・か、


「頼んだわ、」


後から秀ちゃんに「んだよ、俺のレパード買えばよいのに・・・」と言われたw


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


家で車庫証明を取り、親の名義にして名義変更をして晴れて書類上は俺の車となった。


「むっちゃん、整備も出来たぞ」「後で兄貴と取りに行くわ。」っとお金を降ろして義姉に乗っかり柔兄貴と一緒に洋の家へ、


工場の中にZがある。ややくたびれ気味なボディーだ。


よーく見るとサイドのガラスのデザインはフォードのパクリっぽいな、


でも、イメージでGノーズとオバフェン付けたのを頭で考えると格好いい。


「ちょっとエンジン掛けてみていい?」「おー、」


チョークをちょい引き、キーをオンにして燃料ポンプを作動させてキャブレターにガソリンを送る。


音が止まったらアクセルをやや開け気味でセルを回す。


キュルッ・・・ボボボ・・・・・・・エンジンは調子が良い。


しかし、ノーマルのL型はなんか重ったるい。だからキャブを替えるのだが・・・・


「やっぱデュアル管は良い音すんなー、調子は良さそうだな!」と柔兄貴。


「んじゃ洋、おじさん、有難うございました。」「こちらこそな、大事に乗ってな、」と佐瀬モータースを出る。


「ちょっと駅流して家行くか、」と兄貴が言う。


久しぶりの車・・・やっぱり車はいいな。


「兄貴、ちょっと駅から運転変わって貰っていい?」「おめえ運転できんの?」「人並みにはね、」


駅から運転を変わる。


ギアを1速に入れてクラッチを抜けながらアクセルを少しづつ踏む。


ハンドルが重い。この頃の車は今のパワステが無いから少し走りながらハンドルを切らないと重い。


とても重い。凄く重いw


クラッチに置いた足を外しアクセルを踏み込む。踏み込んだ分だけ車が前に行く。


回転が上がりきる前に2速・・・3速・・・4速


「おお!おめえうめーな!」「この位はね。」


車重が軽いのでそれなりに速い。


「んでこのZ調子いいわ。」「洋の親父さんがきっちりしてくれたっぽい。」


・・・・・・久しぶりの車はとても楽しかった。


「んじゃ後はこっちでやっとくから、部品全部見つかったぞ、Z乗ってた奴が全部売ってくれた。15万だわ。」「お!ありがと、浮いた金の中の2万智也のおもちゃ代にして?」


・・・智也は兄貴の子供の名前、俺の甥っ子だ。


「お、わりーな、」「いや、こっちも助かるよ。」「んじゃおめーが免許取る頃には出来ると思うからよ、楽しみにしてろよ。」


「おお、ありがと、」



こうやって俺の「初めて」の愛車が出来て行く・・・・・ふふ・・んふふふふふ・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・題名の悪魔って・・・何が悪魔かって?


当時車を持つって事は金が滅茶苦茶飛んでいくのと同義語でして、


車買えば当時のヤンキーだと内装いじって田舎だと「土足厳禁」車になる訳ですが、シートに敷く座布団、キャラクター物のマット他内装で数万。


ハンドル変えて2-3万、シフト変えて数千円。タイヤホイールで数万円。エアロ組んで30万、オーディオ組んで20万、・・・と


見る見るうちにお金が飛ぶ。


走り屋だと、やれマフラーだ、タービン交換だ、ROM交換だと気づけば数百万飛んでたとかザラだった。


そして当時の車はリッター10行けばいい方。


それで町ぶらぶらしてりゃお金なんて湯水のように減る。


まさしく「悪魔」である。


それをほとんどの若い子がやってた。


彼女作るにも車、移動にも車、令和で言えばスマホ持つくらいの感覚。


オタクっぽいのも不良も真面目も男も女もみーんな車持ち。女子でもクラウンとか乗ってたの多かったし、


車無いと彼女も出来ない。


だから車の為に仕事してるって子も多かった。令和の時代と比較するとびっくりだ。


東京の大学生だとBMW乗ってたりベンツの小さいの乗ってた。外車はドイツ車以外はほとんどなかった。


BMWとかじゃないとモテなかったとか・・・ね、


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


てな訳で、むっちゃんの愛車は「湾岸ミッド〇イト」のアキオ君と同じ(厳密には違う)S30型フェアレディーZに決まったのであった。

























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