入試と日常
「むっちゃん、火ちょうだい!」
「おお、」・・っと言って俺は煙草の先に付いた火をキスするように晶子の煙草に付ける。
2人は布団の中で全裸でうつ伏せな感じで煙草を吸っている。
(※学生は煙草吸っちゃいけませんし全裸で不順異性交遊も駄目です・・・「現生の昭和」はそう言う時代ですが・・・)
「晶子、受験どうだった?、泉美一発狙いだろ?」「よゆーよゆ!?自己採点だとね、」
「まあ商業家政は180もあればいけるから大丈夫だろ、」「多分普通科も行けたっぽい」
2人は煙草を消し、俺は晶子の髪の毛をサラッと触りながら話をする。
晶子は寒そうに布団の中に手を戻し、俺に抱き着いている。
・・・2月は受験の季節です。A県のこの地域は田舎な為、ほとんどの人は「公立高校」に行き、そこに落ちた人が「私立」に行きます。
いわゆる「滑り止めだけの為にある学校」なので、本命が「私立」なのは都会の方に通いたい人だけで非常にレアです。
「ふうん、4月からは一緒の学校か・・・」「二中の時と同じなんだけど、1年の時はむっちゃん目立ってなかったからなあ・・印象にないw」
「一応、今でも真面目で目立ってないつもりだぞ?w」「いや、それないからw」
・・・と何も考えずにこんな話をしていますが、結構高校時代の学校の選択ってすっごい人生の分岐路ですよね。
その後の友人関係、就職、進学おもいっきり選択肢で変わっちゃいます。
前世の50代の時に秋雄ちゃんに聞いたことがあります。
「秋雄ちゃん、若葉二中の同学年で出世頭って誰?」
「ああ、5組だった〇〇だよ。あのネット通販作ったのあいつ。嫁さん芸能人の×××!」
「うわ、ウィキ載ってるじゃんよ、何?数百億資産持ってるって書いてあるぞ?」
同じ様な出発点だったんですけどね、親が金持ちって訳じゃないですし・・・・
生きて来た途中の過程、選択肢、人との出会い、そして運、そんな色々な要素が絡んだ結果超億万長者が出来て行ったのでしょう。
逆に、泉美高を中退していった同期もそのまま「不良」街道を進み、「ヤ」の道へと王道を歩み。「ヤ」の大手企業と言えるところの「重役さん」になって違うWIKIに載った方もいます。
これは馬鹿にしたわけではなく、どんな組織であれ、上に行くのは大変でありそれなりの能力とカリスマがなければ駄目なのです。
ただ金があればいい・・ただ強ければいい・・ではないのです。そこには必ず「努力」があったはず。
・・・なお、この2人の話、これ実話なんですよ。
人生の起点を樹木の根元だとすると枝の分枝か上へ行けば行くほど多くなります。それがまっすぐ上へいければ頂点に行けます。
でも、選択によっては地面近くで終わる枝や下手すれは折れてたり枯れてる枝に行きついたりします。
人生も同じ何でしょうね。
前世では友人もかなり亡くなりました、でも、どこかの選択肢を違う選択してれば・・・・
あるいはどこかで何らかの「努力」をしていたら・・・・
いまも健在だったかもしれませんね・・・
「むっちゃんはさー、なんで泉美高だったの?」「大体5教科280で勉強しないで入れたからね。」
「面倒くさいじゃん、勉強」「今と違うねw」
こんなんじゃ駄目なんですけど・・・・人生は死ぬまで勉強なのですから。
例えば、「小説家にならむ」を極めるなら「どういった物が好まれるか?」「どう話を膨らませるか」「どうやって興味を持ってもらえるか」「初期設定はどうするか?」等色々でしょうけど・・・
これも勉強ですからねえ、
ちなみに色々な方のを私は読ませてもらいましたが、頭にキャラクターや国家、世界観まで広がる様な文章が稀にあります。
あれは凄いよね。
逆に歴史ものはどうしても戦いの場面が薄っぺらくなってしまうんですよね、これは小説家の架空戦記でさえクリアできない問題でしょうけど、
仮にそれを上手く書くなら戦史を丸パクリ・・・ですかね、
「合格して制服出来たら真っ先に見せてあげるね?」「おめえ、真っ先に汚すぞ・・それ・・w」
「やったら一生口きいてあげないし口でしてあげない・・・」「ごめんなさい・・・」
・・・・・・・・・・・・・
「むっちゃん、色々してたからお腹空いたね。」「ん-、ちょっとオートパーラー行くか。」
1987年頃はコンビニの数も少なく、24時間では無かった為に深夜に食事をするとしたら「オートパーラー」一択でした。
そこにはカップラーメンやうどんそばの自販機、ボンカレー&ライスの自販機、ハンバーガーやトーストの自販機がある前世で言う「昭和レトロ」のそれでした。
ゲーム機やコンドームの自販機もあり、当時は不良のたまり場だったりもします。
「おおおお・・外は寒いな・・ほい、晶子、メットとドカジャン、」「うわ、さむーい」「バイク乗る時期じゃねえなw」
「まあ、来年は車だからもうちょっとだけどな、」「助手席ゲットかあ・・・」「色々連れてったげるよ、ラブホとかラブホとかラブホとか」「むっちゃん・・ほんんっっと・・・親父臭い!!」
うちら良く行くのパーラーには「焼き鳥弁当の販売機があって、ご飯に串から外したタレの焼き鳥が乗っており非常に美味でした。これに七味を掛けると完璧です。
なので前世の俺は昔を懐かしみスーパーの焼き鳥を串から外しご飯の上に掛けて七味振って食べるのが好きでした。
「ほい、晶子、焼き鳥弁当とコーヒー。」「あったかー」
「ブオォーン、ブオオンーボボンー・・・・」
「んだ、単車来たな、ありゃトシの音だ」「ちゃーっす!」「トシ夫婦で来たか、」「夫婦じゃないっすけどね、和夫妻」
「おれらもまだだよw」「夫妻ってw」
「友惠ちゃんばんわー、」「晶子ちゃん元気?・・そいば晶子ちゃん受験だけどどこ受けたの?」
「むっちゃんとこ、」「いいなー、トシ君去年就職だから・・」「友惠ちゃんは?本命きついから若女なっちゃうかなー、分からないけど、」
実は俺の妹の美玖と友惠ちゃんと晶子は同級なのです。なお、美玖は「光農業高校の家政科」でヤンキーではないがヤンキー高行く予定です。
色々話しながら皆で仲良く焼き鳥弁当食べてます。本当に美味いんですよ。350円だし、
会話も弾めば余計にね。
「トシー、そいえばステッカーどうなった?」「捌きましたよ?」「うへー、早いな」「和さんは?」「面倒だから自腹。あ、晶子、ROSAのステッカーあげる。」「うそ!」
「3000円だけど彼女サービスで無料だ。」「やった!」「あとは・・とっておく。」
・・・余りは大分先・・後の時代にヤホオクで高値で落札されるのです・・・・・
「入学って言えばROSAもトシの下の代も普通に入って来るだろ?」「中学からの奴らが下の代で育って来てます」「俺補佐の意味あるのかw」「いてもらえれば助かりますよ」
「ならいいけどな、ま、出来る事はするよ。」
「んじゃ、折角だからちょっと途中まで流すべ、」「はい。」
2台はエンジンを掛ける。
VFの独特な「ボワーンワンワン」と言う音にCBXの「フォン、フォフォン!」と言う音が混ざる。
CBXはVFより音は良いのですが、早さはVFの方が早いです。ホンダの当時の技術の粋を結集したエンジンですから、
「やっぱコーナーはVF強ええな、CBXよりタイヤ太いですからね」
「フォーーーフォンフォー」「ボワーン、ワンボワーン」
夜の帳の中、2つのテールランプは闇に消えていくのでした。
まだ寒い3月の或る日の事でした。




