口笛
ミスターチルドレンの歌で「口笛」って言う歌がある。
北風が吹く日に2人で歩いてデートしてる或る日のカップルたちのラブソングかな、
あの歌が好きで、前世はカラオケで良く歌ってた、
年を取って、恋愛するのも億劫になり、懐かしい甘酸っぱい思い出も消え去って心が枯れてしまっていても、
あの歌は俺に潤いを与えてくれる。
それは晩秋になればなるほどに、
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千恵と別れてもう2か月位経つ。
学校に復学した俺は学校こそは通っているけど友達も多くなく、もっぱら「勉強だけする場所」になっていて、
クラスで「浮いてる存在」とも言える
千恵の事は相変わらず千恵と呼んでいる。前世で元の彼女の呼び方も変わった事がないからそのままだろう。
でも、まだ「友達」って関係な会話にはなってない。水原は相変わらず、あの子も色目では人を見ないからね。
勝は相変わらず遅刻早退が多いが、あまり俺と絡みたくない気配があり、それと仲が良い泉美ギャルズも俺とはあんまり絡まない。
ひょっとしたら晶子と遊んでる情報を仕入れて「あのロリコンが!」とか言ってたりねw
ちなみに後で勝とはまた事件があるのだが今回みたいな物ではない・・・
なんとなく、伊達メガネを買い、学校では眼鏡を付けている。
仲良い奴には「目が悪くなったんだよ・・・」と言ってるがイメチェンみたいな物だ。
少しは知的に見えるからな。
中間テストは停学があったにも関わらず好成績で、先生からは「お前は喧嘩とかしなければ優秀なんだがな…煙草もやってなさそうだし」と言われる。
先生方はなにげに「煙草の匂い」で生徒を判別するからね。あの匂いは馬鹿にならない、
学校の行事の「文化祭」はばっくれた。友人関係少ないから・・友達関係深化した方が良い人も少ないし、それをしても今の俺は浮くだけなんだよね。
不良ってこうやって出来てく物だったりして・・
だから「孤独」を選んでる。たまに話すのは「和樹」とそのとりまき、水原と千恵だけかな、今は。
休憩時間は大体寝てて、昼時間は「武藤たち」の所へ行ってだべってる。
流石にもうあっち(F組)行っても何も言われないな・・
行くのは武藤の家か秋雄ちゃんの家。秋雄ちゃんちは晶子との待ち合わせ場所も兼ねてる。
今日は晶子と秋雄ちゃんの家で待ち合わせてた。
秋雄ちゃん、すまん、
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11月も終わりが近づき坊主だった俺の髪の毛はちょっと伸びてスポーツ刈りが伸びた髪型になり、やや色を抜いている。
感じ清潔っぽくもありながらヤンキーっぽくもある髪型になった。
「晶子、髪伸びたw約束してただろ?海いくか、」「うん、」
晶子に俺の来てたジャンバーを着せる。「むっちゃんの匂いがするー」「ん?臭い?」
「違うよwむっちゃんの匂いとタクティクスの合わさった匂い。」
「なーんだ、俺のイカのの匂いじゃないのか・・お前好きな匂いだべ?」バシッ!!!叩かれた。
「むっちゃん・・・・中学生に何って事言うの?」なんか冷たい目で見られた。
晩秋の暖かい日。春っぽい柔らかな風を感じながら走るけど、周りの風景は何となく「セピア色」を感じさせ懐かしさと寂しさを表現している。
その中で、晶子は俺の短ランのポケットに手を入れてケツにしがみついている。
「むっちゃーん、暖かい。」2人密着してるからなかなか暖かい。
海岸町の海に付き、4車線道路横にある駐車場にバイクを止めて海沿いを歩く。
「ほい、」・・・2本の同じ銘柄のホットの缶コーヒーを買い、1本晶子に渡す。
「ほい、一応”お揃い”だ」「ありがとー」
「手があったかーい!」寒くなってきたときに飲む缶コーヒーって美味しい。
二人、昔のいつかの俺と誰かの様に2人で波打ち際を歩く・・・
人気のない海はどことなく物悲しさを感じさせ、カモメの群れもなんだか寂しそうに感じる。
聞こえるのは波の音とカモメの声と俺らの話声だけ・・・・
「むっちゃん、あたしも髪の毛伸びたんだよ?可愛いくなった?」俺の服をちょいと摘まみながら言う。
「うん、長くっなってて可愛くなってる。」晶子はなんとなくはしゃいでいる。なんか犬みたいに、
「そう言えば晶子、高校どこ行くの?」「むっちゃんの所ー」
「勉強はお前出来るの?」「・・・・・家政科ならいけるもん・・・」
「俺今ぼっちだから見たら幻滅するぞ」「気にしなーい、むっちゃんはむっちゃんだもん」
「それに若女とかはそこそこむっちゃん人気あるし2中の子らにもそれなりに有名だよ?お姉ちゃんも言ってた。」
「じゃあ俺彼女一杯出来ちゃうじゃん?」「えー、あたし身体だけの関係なの?泣くよ?」
「んな訳ねえべ、今はまだ色々あるから付き合えないけど、ちょっとしたらちゃんと付き合うよ。」
「え、初めてそんな事言ってもらえた。嬉しい。」
「そか・・・・」
ふと前世で好きだった「口笛」を口ずさむ。
「聞いた事無い歌だけど・・・・良い歌だね、」
「うん、俺が一番好きな歌、矢沢じゃないけどな、」
空を見るとどこまでも澄んだ空、寒々とした冬の様な空だ、そんな蒼いキャンバスにヒコーキ雲が一直線に白い線を描いている‥‥
晶子は俺のジャンバーを着ているために袖から指がちょっと出ている・・ぶかぶかだ。
そこに手を入れて晶子と手を繋ぐ・・・小さな手だ・・・
「今の2人ってドラマみたいだね・・・・」
晶子が俺にむかって微笑んでくれた・・・・
「実はエロドラマでこの後激しいHが行われたりしてな・・・」
「ムードないなあ・・・・えっち!」
俺はそのセリフを台無しにしといた・・・・・
ご覧いただき有難うございます。
本当は「前世」と同じで修学旅行に行くはずでした。
それが、仕事中脳内でストーリーが全然変わってしまい、こうなってしまいました。
「前世の」修学旅行では新幹線中にポーカーをやって負けた奴が女子の誰でもいいので「おxxxさせて?」って言うのをして俺が見事に負け、学年NO1の女子にそれを言いその横にいる先生に「お前いきなり何言ってるんだ」と怒られ皆大爆笑って事と、
女子の部屋に忍び込み、それがばれて自由行動なくなったんだけど、女子だけ自由行動させるために先生と話をする・・・って話があったんですがね、
学年の不良が全員で枕を持って他の部屋に枕投げをしに乱入したり・・・・
まあ、思えば色々ありました。
後日、年を取り出世で神戸へ転勤になり、京都や奈良を巡りましたが学生時代と違った目線でとても楽しかったです。1人だけの「ぼっち旅行」でしたが・・・
有難うございました。




