咲耶とご満悦のカザミ
「ん〜。満足した。やっぱりすき焼きは最高じゃな!」
「本当に、クルード殿が好物と言うのがわかりましたぞ。しかし、今宵の食事で酒が呑めないのが残念でなりませんな……」
「全くじゃ。」
2人が見つめる先には、カザミの姿がある。だが今回カザミは、晩酌に酒を出す事はなかった。
「アンさんら、ウチを置いて食事をしたんやから、一晩くらい我慢したらいいんや。それが出来んようなら、酒は今後無しやで?」
カザミは少し拗ねていたのだ。せっかくギルドで得た情報を持ち帰ってきたというのに、自分を置いて騒いでいたクルード達。少しくらい待っていてくれても良いだろうに、と捻くれた思いから、晩酌を出し渋るのだった。
「あー、最初は待とうとしていたのですがね。ですが、あまりにもクルードの腹の虫が凄すぎてですね、見兼ねた咲耶様が出してくださったのですよ。」
「うん、ごめんなさい。」
そう言ってお詫びの印として、キッチンの所からカザミにだけお菓子を持ってきた。
「これは…プリン」
「そう。すき焼きを作っている間に、冷やし固めて置いたの。お詫びにはならないかもしれないけど、良かったら食べてみて?」
差し出されたスプーンで人匙すくい、口に運ぶ。
優しい甘さとほろ苦いキャラメルがいい仕事をし、とても美味しいプリンだった。
何よりカザミを満足させたのは、物欲しそうに見つめる他のメンバーの視線だ。
「ふん、そんなに見つめても分けてあげまへんわ。こ・れ・は・ウチのもんや!」
ニンマリと笑いながら、1人ゆっくりと堪能するカザミだった。




