表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から引っ越してきた聖女です。  作者: 金木犀の夢華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/599

咲耶とクルードの好物


「師匠〜、まだ帰らないのか?」

 

夕陽が地平線へ姿を隠そうとする頃、ドゥーロは日課になっているカンザールの迎えにきていた。


クルクリの街の夜は暗い。地球と違って、外灯という概念がなく、家々から漏れる明かりを頼りに夜道を歩く人々。

いや、世界樹がまだ力を持っていた頃は、世界樹がほのかに放つ光で、魔物が近寄って来る事ない安全な街であったのだ。


「ドゥーロか。私の迎えは必要ないと言っただろう。それよりも、樹々の世話の方はどうだ?」

「そっちは大丈夫だよ。虫が寄り付かない、強く元気な樹に成長してるよ!」


胸を張って自分の成果を報告するドゥーロ。咲耶と最初に会った頃とは見違えるように成長し始めていた。

以前は子供っぽく、直ぐに仕事を投げ出し遊びや雲隠れをしていたドゥーロ。今はーー


「師匠の言い付け通りに、樹々の世話して魔法の練習もやってきたよ。なぁ、ハヤテ?」

「カァー」


ドゥーロの問いに、肩に止まっていたハヤテも、コクコクと頷く。


「それならば良い。クルード殿、今日の所はこの位にして、咲耶様達の元に戻りませんかな?」

「そうじゃなぁ……、後少しという所まで来とるんじゃがなぁ。まあ、明日の楽しみとしておこうかの」

「そうですとも、それよりも今宵はどの様な食事が出てくるのですかな〜、今から楽しみで仕方がありませんぞ」


咲耶の仲間に加入してから、カンザールは今まで味わった事のない食事を摂っていた。

出されるもの全てが美味で、幾らでも食べれる程だ。そして止めが、咲耶が作るお菓子達だ。とても甘く優しい気持ちになるお茶とお菓子のハーモニーは、疲れていた身体を簡単に癒してくれる万能薬だ。

まあ、咲耶が魔力を込めて作ったりしているから、当然なのだが……


「ドゥーロよ、今日の献立は何か聞いておるかな?」

「えっと……、確か、すき焼きって聞いた事のないメニューだったけど?」

「すき焼き?」


ドゥーロ達2人の会話が、作業場を片付けていたクルードの耳に届く。ドゥーロがメニューを言った後、片付けなどそっちのけで慌てて2人の元にやって来たクルード。


「それは本当か?」 

「うん。クロガネも手伝って、咲耶が色々用意してたよ。なぁ?」

「カァー」

ドゥーロの優しく撫でる手に、気持ち良さげにハヤテが鳴く。


「何ということじゃ……。そうと聞いては、こんな所にジッとしておられん。早く戻るぞ、カンザール。」

「クルード殿?」


目の輝きが何時と違うクルードに、驚くカンザール。


「すき焼き。良い響きじゃ〜。ワシの大好物なんじゃよ。アレをつまみに、酒が進む事この上ない。本当に幸せな時間じゃ〜!」


こうしては居れんと、クルードはカンザールを連れて急いで帰宅するのであった。

クルードをここまで虜にする「すき焼き」とは、一体どの様なものなのか、俄然興味を惹かれる2人であった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ