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異世界から引っ越してきた聖女です。  作者: 金木犀の夢華


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咲耶と種子



「出来た〜!」


昼下がりの咲耶の部屋に、咲耶の歓喜の声が響く。

今日は朝から皆が出かけている為、愛猫のゆきとお留守番の咲耶は、自室で創作魔法を思う存分練習していた。


パワーストーン達は、練習のおかげでスムーズに創れる様になってきた。次は自分が考えた物をどれだけの再現出来るかにかかってきていた。その為、時間があればノートに創る姿を描いたり、事細かに説明を書き連ねる。

例えば、タンポポの図を描くとする。綿毛の種から始まり黄色い花を咲かせ、また綿毛の状態の姿になるという一連の図を自分で理解しながら描く。

まあ、咲耶家にある本を見れば良いはなしだが、『自分で理解して創る』という練習の為だ。

その練習の成果が問われる刻が来た。皆が出払っている絶好の機会。咲耶はまず、カーモスから得た『天馬の涙』の具現化をスムーズに出来る様になる事にした。

前回は完成形の姿を具現化したに留まったが、今回は種子から図を描く事にした。

それと、具現化するにあたり、『天馬の涙』に制約を設けてみるという新しい試みも取り入れてみた。


「この種子が本当に里の中でしか咲かなければ、誰かが間違えて持ち出したとしても、咲くことはない種子だけになる。それの方が奪われた時のリスクが格段に下がるよね?」


そうして出来上がった試作の種子は、今咲耶の手の中にある。


「よし、みんなが出かけている隙に、里まで行って実際に植えてみよう。」


咲耶はそう思い立つと、ゆきに出かけてくる旨告げ自室から里に直接通路を繋ぐ。

本来ならば、カンザールが案内した扉を通り里に入って行くのが筋なのだが、誰かに見られる危険性があるとの考慮の末に、ブレスレットをつけた者に限り直通の通路を開けて良いという事に落ち着いた。


「さて、上手くいってくれると嬉しいんだけどな〜」


咲耶は、風車小屋の近くに例の種子を植える事にした。


「よし。後はまた様子を見に来てみよう。」


咲耶はそう言うと、ついでに里に出来上がった石を埋めていく事にした。


「上手く咲いてくれるかな?」


埋めた土を優しく撫でてから、咲耶は里の荒れ地に向かうのであった。



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