29話・課外演習開始
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――課外演習当日
「よし、みんな着いたな! 今から3日間この『ヴィリディア』で演習を行ってもらう。魔物は各自で見つけ適切に処理するように。勿論、危険だと判断した場合は『蛍火』から派遣された隊員が助けてくれるから安心して自分の考えるように動いてくれ!」
「『蛍火』の人いるんだ! 凄ーい!」
「今回、野営は演習内容に入っていないため日が暮れる前に各パーティーに渡した簡易ワープゲートで指定の部屋に帰るように。簡易ワープゲートはワープゲートと違って星内にしか移動できないがかなりコストは安く量産できる。だからと言って無くさないように大切に持っていてくれよ。後、魔法袋も渡して置くぞ。
それじゃあ幸運を祈る!」
演習内容を大郷先生に軽く説明された。各パーティーが受け取った小さな物は簡易ワープゲート起動用の装置みたいだ。その後魔物を探しにそれぞれのパーティーごとに散っていった。
「ねえ、これ誰が持っておく! 私は無くしそうだよ~!」
「……香耶が持ってたら全員帰れなくて飢え死に。」
「千影~、合ってるんだけどさ~。」
「じゃあ、私が持っておくよ。後衛だから戦い中に落とす機会も比較的少ないだろうし。」
装置を誰が持つか話し合った。後衛だからと葵が立候補した。
「じゃあ葵ちゃんにお願いするね。
そういえば、陽菜ちゃん、さっきからそわそわしてるけど緊張してる……?」
「えっ! 緊張……してるかも。」
「怖かったら無理に前出なくても大丈夫だよ!!」
朱莉が陽菜の様子を気にかけた。陽菜は少し緊張しているようで、香耶が無理しなくていいよ、と励ました。
「怖いとかは特にないけど、ただ強化魔法で上手く戦えるか少し不安で……。戦えたとしてもどのくらいの長さをマナが枯渇せずに行けるかなって。」
「大丈夫よ、ひな。私も一緒に前にでるから、あなたのマナ消費を出来るだけ抑えられるようにサポートするわ。」
「そうよ〜。私のバフも頑張るから心配しないで。それに戦うのはあなた一人だけじゃない。みんなで戦うんだから私達を信じて笑って。」
陽菜が恐れているのはマナが無くなることだ。かつて禍津から受けた呪いを抑えるために、現在自由に使用できるマナは5%以下となっている。
この場にいる人物で呪いのことを知っているのは姫香と葵だけだが、朱莉たちも陽菜のマナ量が少ないと知っているので励ましている。
「あ! あそこにスライムの群れ発見! プランAだね!」
「……了解。中級・暗黒の手
……動きを止めた。」
「ありがとう。中級・潮流の爆弾」
ドゴーン!
「うわー! えぐいね!」
スライム10匹程度の群れを、千影の影魔法でスライム自身の影から手を出し押さえつけて動きを止めた後、葵の水魔法の爆弾で一掃した。
「倒したから魔石落ちたわね。スライムの討伐証明はこれかしら。」
「10個落ちたね。とりあえず渡してもらった袋に入れておこう。」
朱莉と陽菜が拾って支給された魔法袋に入れた。
「この魔法袋便利だね〜! いっぱい入るんでしょ! 中は異空間なのかな? 入れた後も大きさ変わらないからビックリだよね~!!」
「……この袋は1トンまで入る。この中も時間は流れてるから食べ物を入れる場合は期限に注意。ちなみに登録システムがある袋だと登録した人のマナを通さないと開閉できない。」
「へえ〜。千影は物知りだね! そういうところは尊敬しちゃう!」
「……普段から尊敬して。」
魔法袋について博識な千影を香耶は褒めたたえた。千影は照れ隠しに顔を背けた。
「プランAは接近戦が必要ないときに後衛から仕掛ける。プランBは通常陣形で前衛が注意をひく。これで合ってたっけ!」
「それで合ってるよ。さっきの戦いで中級でとどめを刺すのはオーバーだったかな。」
香耶のプランの確認を葵は肯定しつつ、さっきの戦いを振り返って反省している。
「確かに葵の出力なら初級で十分だったわね。でも、まあ初戦だし、反省することでは無いわ。それに、勢いもついたし。」
「そっか。ありがとう姫香。」
「そうだよ〜! 葵ちゃんの中級魔法に惚れ惚れしちゃった! もちろん千影もね!」
姫香は葵のことを褒めた。初戦の後ということもあり香耶を含めみんな気分が上がっている。
「あ、あれはもしかしてゴブリンの群れかな?」
陽菜が索敵をしているとゴブリンっぽい緑色の集まりが見えた。
「……すご。多分そう。」
「陽菜ちゃん、目がいいわね。結構遠いのに凄いよ。」
「ひなは優秀だからよ。」
千影と朱莉は早めに見つけた陽菜を賞賛した。姫香は自分のことのように満足げな表情だ。
「流石だね〜陽菜ちゃん! じゃあプランAで攻めて、何かあったらプランBにしよっか。」




