30話・ゴブリンの群れとの戦闘・実戦での初陣形
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「って、きゃっ!」
意気揚々とゴブリンの群れに近づいていた香耶がこけて大きな声を出してしまう。
「ギギギ!」
「ガァッ!」
「……油断大敵。もう遅いけど。」
「みんな、ごめーん!!!」
「来る……! 私、前に出るね!」
「私も行くわ。」
千影に呆れられた香耶が全員に謝罪した。陽菜と姫香が前衛として前に出る。
「プランBだから、中衛の私が指揮を取るわ。香耶は一旦落ち着いてね。」
「う、うん……! スー、ハ―。よし、もう大丈夫!」
プランBに変更になったため、前衛に陽菜と姫香、中衛に朱莉と香耶、後衛に千影と葵に陣形を整えた。前もって指揮は朱莉がすると決めている。
「敵は見たところ30くらいいるから初動、前衛の2人は無理しないでね。
中級・音速の加速・付与」
「了解! うわぁ……朱莉ちゃんの魔法で体が軽く感じるよ!
(『世界解答』)
パワーブースト!」
「中級・雷槍・召喚」
朱莉は前衛の2人にスピードアップの魔法をかけた。陽菜はパワーブーストにより両手に剣を持って前に出る。姫香は雷で出来た槍を作って装備した。
「グアア!」
「ウギイッ!」
「ひめちゃん、凄い……。どんどんゴブリンを倒してる。私は何とか耐えるので精いっぱい!」
「姫香ちゃん凄いね〜! おかげで私の血魔法も暴れられそうだよ!
中級・深紅の刺針・射出」
雷槍を持った姫香が次々になぎ倒す。陽菜は『世界解答』を身体強化のために使っているが、両手の剣で敵の攻撃を耐えつつ少しずつ切る事しかできない。
香耶は姫香が倒したゴブリンの血を使い、そこから太い針を敵に向けて次々に発射している。
「……前衛、中衛が強すぎてやることが無い。」
「そうだね。でも、その後ろから増援がいっぱい来てるから。私達もちゃんとやろうね。」
「……りょ。」
後衛の2人は前4人だけでどんどん敵を倒すため暇になるほどだ。
「敵がまたいっぱい来たわね。葵ちゃんと千影、魔法撃てるようになったら言ってね。」
「……もう2人とも撃てる準備できてる。」
「分かったわ、前衛の2人に下がってもらうから、その後に撃ってね!」
「了解。」
前衛にバフを送りつつ、状況判断をしていた朱莉が指揮を取ろうと後衛の準備を確かめた。準備が終わっているのを確認すると前衛の2人にも声をかけようとする。
「陽菜ちゃん、姫香ちゃん、もう後ろの2人撃てるみたいだから下がれるタイミングで下がってね。」
「分かった。下がるね。」
「OKよ。」
2人とも下がっていく。ゴブリンに距離を詰められない様に姫香と香耶とバフを切って攻撃魔法に変えた朱莉が足止めをした。
「……よし、今。
中級・暗黒の手」
「上級・大渦の爆裂」
ズドオオオオオオン!
先ほどと同じ様に千影が魔法で拘束した後、葵が上級魔法を使ってゴブリンの群れを一掃した。
「葵ちゃん、凄いわ。ただ……。」
「あっ……。」
葵が魔法を使って倒したのはいいが目の前に広がった光景は。
「葵、ビショビショになったんだけど。」
「葵ちゃん! 上級魔法凄かったよ~! くしゅんっ。」
「濡れたのは気にしないで。凄かったよ葵。」
前線に近かった4人がびしょ濡れになっていた。姫香は落ち着いた態度で文句を言っている。香耶は魔法の凄さに見惚れていたので気にしていないようだ。陽菜も同様に葵の事を褒めつつ、葵の表情を見て笑っている。
「今日は日も暮れてきたから帰りましょうか。」
「そ、そうね。みんな服を乾かさないといけないし。……ごめんなさい。」
「別にいいよ〜! 私がそもそもコケたのが悪いから~。」
「……反省は後にして帰ろう。4人とも風邪ひいたら面倒。」
葵は申し訳なさそうにしている。日も暮れたので帰ることになった。
簡易ワープゲート装置を使い、部屋の前に到着。
「うわ〜大きいホテルだ〜! 部屋は3人部屋か~。」
「とりあえずお風呂に行こうか。それぞれの部屋にあるみたい。」
陽菜は部屋の中を見てお風呂を見つけた。
「お風呂広いしみんなで入ろ~。」
「そうね。入りましょうか。」
「分かった。」
陽菜が笑って提案して姫香、葵も賛同したが、
「ご、ごめんね! 私達は自分の部屋で入るよ!」
「……謝罪。」
「ごめんなさい。」
香耶達3人から断られた。




