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26話・再構築された絆

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 「ええ、良いわよ。どうしたの?」


 「朱莉ちゃんに伝えたいことがあるの。もうすぐ帰る時間だし、ちょうどみんな他のことに注目してるから。」


 「分かった。じゃあ、あそこのベンチで話しましょうか。」


 朱莉は優しく陽菜に微笑みながらベンチまで歩いていく。


 「伝えたいことって何かな?」


 「あ、あのね! 今日は色々とありがとう! 葵と元通り……まではまだ少し行けないけれど普通に話せるようになったのは本当に、本当にうれしいの……。

 朱莉ちゃんが最初に葵を班に誘ってくれなかったら……今でもきっと前のまま。それどころかもう二度と話せなかったかもしれない……。

 だからね、ありがとう朱莉ちゃん。凄く、すーごく感謝してるよ。」


 「陽菜ちゃん……。私だけじゃないわ。姫香ちゃんや香耶、千影も2人には仲を戻してほしかった。

 姫香ちゃんと違って私達3人は元の2人の関係を深くは知らなかったけど、陽菜ちゃんが葵ちゃんを見てる目を毎日見てたらきっと元は凄く仲良かったんだなって感じたから。」


 「そうだったんだ……。香耶ちゃん達にも後でお礼言っておかないと。みんなのおかげで今日はとても楽しかったよ!」


 「ふふっ。陽菜ちゃんは笑顔が似合ってる。ずっと落ち込んでばかりの表情だったからあなたの笑顔を見られてとっても幸せね。」


 「なんだか恥ずかしいね。えへへっ。」


 葵と仲直りできたのはこの機会を作ってくれた朱莉のおかげだと陽菜は思っていた。2人きりになった後、その感謝の気持ちを伝えたが朱莉の優しさに陽菜は恥ずかしそうに笑っている。


 「ねえ! 何話してるの〜。混ぜて混ぜて~。」


 「……陽菜に謝罪。香耶は空気が読めないから。」


 「ふふっ。もう話は終わったわよ。そろそろ帰る準備しましょうか。」


 「ええ〜! 気になるのに~。」


 話が終わって戻ろうとしたタイミングで香耶が突撃してきた。千影が呆れていると、朱莉はもう話し終えたので帰る提案をした。


 「香耶ちゃん! 千影ちゃんも今日はありがとう! 楽しかったよ!」


 「ひ、陽菜ちゃん……! ありがとう私もみんなと遊べて楽しかった~!」


 「……感謝。」


 香耶と千影にも感謝の気持ちを伝えた。その後、姫香、葵と合流しに戻る。



 「話せるようになって良かったわね。」


 「そうだね。……ありがとう姫香。あなたのおかげで陽菜に自分の想いを伝えようって気持ちになれた……。」


 「別にいいわよ。あの子の悲しそうな表情を見続けるのが嫌だっただけよ。」


 「そっか。」


 姫香は冷静を装って葵に話しかけていた。葵は姫香の優しさに触れ穏やかな気持ちになっている。


 「2人とも〜! そろそろ帰る時間だよ~!」


 香耶が手をぶんぶんと振っている。


 「あっ、みんなの所に行こうか。」


 「そうね、あの子ひな以上に元気ね。」


 2人は歩いて合流しに行った。姫香は香耶の明るさに少々呆れが混ざっている。



 6人揃って帰り道、今日の話を振り返ったりして楽しく帰っている。


 「今日は、ありがとう! また明日学園で!」


 「うん! 陽菜ちゃん達3人とも気をつけて帰ってね!」


 陽菜達3人は『蛍火』が用意した部屋に住んでいる為、寮生活の香耶達3人と別れた。


 「葵、ひめちゃん、手握って帰りたいな……?」


 「良いわよ。ほら、葵握らないなら私がひなの両手握って帰るわよ。」


 「ふふっ。分かった。」


 陽菜が珍しく甘えるようにお願いした。今日まで我慢していたものが爆発したようだ。陽菜の左手を葵が、右手を姫香が握る。


 「私、2人と一緒にいられて本当に幸せなんだって改めて実感したよ。」


 「私もよ。ひなの笑顔を見るにはやっぱり葵が必要だって分かったわ。」


 「うん……。姫香も大切だと思うよ。」


 3人ともそれぞれの想いに浸っている。


 「あっ、そーだ! ひめちゃんにも渡す物あるんだった!」


 「私に渡す物?」


 「そう! 私と葵で選んだんだ~!」


 「ありがとう。これは……服?」


 陽菜が取り出した物は最初に行ったお店の服だった。


 「私と陽菜で選んだんだよ。陽菜から姫香にも今日のお礼に何かプレゼント渡したいって言われたから。」


 「うん! 今日は本当にありがとう、ひめちゃん!」


 「わざわざ、いいのに。でも……凄く嬉しいわ。」


 姫香は貰った服を抱きしめて嬉しさが高まっている。



 部屋に着いた後、


 「2人ともまた明日~!」


 「ええ。ひな、また明日。」


 「また明日。ゆっくり休んで風邪ひかないようにね。」


 3人とも部屋に行こうとした時、陽菜が突然。


 「今思いついたんだけど、折角だから全員買った服着て写真撮ろうよ!」


 「良いわね。着てくるわ」


 「ふふっ。りょうかい。」


 着替えた後、


 「じゃあ撮るね! 真ん中は葵でいいよね!」


 「えっ! 陽菜じゃないの?」


 「そうね陽菜が真ん中じゃないと私が引っ付けないんだけど、……まあいいわ、今日は葵、あなたに譲るわ。」


 「撮るよ! はいポーズ!」


 カシャッ


 いつも通りクールでありつつ少し顔が緩んでる表情の姫香、久しぶりの満開の笑顔の陽菜、そして真ん中には2人に挟まれ照れている葵の笑顔が写真に残った。

 久しぶりの平和で楽しかった日常、いつか『復讐』をやり遂げたらこんな日常をずっと過ごせるのかな、と思う陽菜であった。

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