25話・やり直し
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「な、何?」
葵に呼び止められると思ってなかった陽菜は思わず声が上ずる。
「……いっぱい気を遣わせてごめんね。」
「そ、そんなこと……ないよ。」
「あの日からずっと気持ちは変わらないことに気付いたよ。日にちが立てば変わると思ってたけど今のままじゃ一生陽菜に話せない気がした……。」
「葵が無理することは無いよ……。そんなに辛いなら私とは縁を、ううっ……切っても良いから。私はもう平気……だから。」
陽菜は葵のためを想って絶縁状態になっても大丈夫だと言った。その声は弱々しくとても本心には聞こえない。
「泣かないで……。私は陽菜に酷いことをしてるのも分かってる。何があっても私が守るって言ったのに全然実行できてない……。合わせる顔が無いなんて言って無理やり遠ざけてた……。私は……私はもう一度陽菜と一緒に過ごしたいの……。」
「葵……。」
「ごめんね。あの日から私なんかよりずっとあなたに辛い思いをさせてた。今の私が許されることか分からないけれど……あなたともう一度やり直させてください。」
「っ! ほ、本当にそれでいいの? 私とずっと一緒にいてくれるの……?」
「うん。もう私は逃げたくないよ。」
「うっ……ぐすっ。凄く嬉しい……。もう、元には戻れない気がずっとしてたから……。」
葵からの謝罪、そして元の関係へと戻りたいという言葉に陽菜は嬉しさで涙を流している。その様子を遠くから香耶達は見ていた。
「まさか、千影と朱莉が陽菜ちゃん達を2人きりにするために演技してたなんて気づかなかった! 私にも教えてくれたらよかったのに~。」
「……香耶は顔に出やすいのが悪い。」
「ふふっ、そうね。最初の提案は姫香ちゃんなんだけどね。」
「提案したのは私だけど、色々考えたのは朱莉、あなたよ。とりあえず良い方向に動いて良かったわ。あなた達が協力してくれたおかげね。一応お礼を言っておくわ。ありがとう。」
4人が一気にお手洗いに行った理由は陽菜と葵を2人きりにするためだったようだ。
「それにしても、仲直り?したみたいで良かった~!
おーい! 陽菜ちゃん、葵ちゃん戻ってきたよ~。」
「あっ、みんな、おかえり~。」
香耶達が戻ってきたので陽菜は涙を拭って何もなかったかのように返事した。
「そういえば、服まだ選んでなかったわね。良かったら陽菜ちゃんと葵ちゃんでお互いの服を選んであげたらどうかしら?」
「それいいね〜! 私も千影の選んだげる!」
「……ナイス提案。……香耶のセンスは心配。」
朱莉の提案に賛成する香耶と千影。千影は毒づきながらも嬉しそうだ。
「私が葵の服を……? 可愛い服よりもおしゃれな服の方がいいかな?」
「陽菜の選んだ服なら何でもいいよ。私も陽菜に似合う服頑張って見つけてみるね。」
陽菜と葵はお互いの顔を見ながら言おうとしたが、まだ緊張しているようで目は合わせられない。しかし、先ほどよりもお互いの表情は和らいでいる。
20分後
「葵、この服どうかな……? ちょっと可愛い感じだけど……。」
「試着してみるね。私も陽菜に似合いそうなの選んでみたから着て欲しいな。」
「あ、ありがとう……! 着てくるね!」
お互いの服を渡し合い試着室に入って着替えた後出てきた。
「わ~! 陽菜ちゃんも葵ちゃんも似合ってるね~!」
「ひな、凄く可愛いわ。葵も似合ってるし流石ひなのセンスね。」
香耶と姫香が見た瞬間即感想を言った。姫香は陽菜のことをまじまじと見ている。
「葵、ありがとう……! 選んでくれた服嬉しいな。」
「陽菜もありがとう。可愛くておしゃれな感じしっくりきたよ。」
「……流石。香耶と違って2人のセンスは抜群。」
「千影~。せっかく選んであげたのにそんな言い方ないよぉ~。」
「あははっ!」
2人をよそ目に香耶のセンスを弄る千影に対し、香耶は大げさに身振りで抗議している。陽菜達はその様子を見て微笑ましく笑っている。
「じゃあ買ってくるね!」
「あ、私も。」
「……しゃーなし。」
「千影~別に無理して買わなくていいよ!」
「……やだ買う。」
選んでもらった3人は会計しに行った。千影は香耶に買わなくてもいいと言われたがお構いなしにレジに行った。
「香耶。あの子も選んでもらって嬉しいのよ。」
「そうかな~。千影は私にだけ当たり強いからな~。」
「傍から見たら、夫婦漫才のように見えるけど。」
「えっ!? そんなこと無いでしょ! 私が弄られてるだけだよ~。」
朱莉に宥められたが香耶は不服のようだ。姫香からの唐突な言葉に香耶は動揺しつつも否定している。
その後色々店を巡り、帰る時間が近づいてきた。陽菜は帰る前に朱莉に伝えたいことがあるようで朱莉の前に出て言った。
「ねえ、朱莉ちゃん。ちょっといい?」




