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23話・強化魔法と二刀流

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 「初めまして。」


 「相沢さん! 初めまして! 私は茅原香耶だよ~。よろしくね! タメでいいよね?」


 「……夜明千影。よろ。」


 「改めて私も、音川朱莉です。よろしくね。」


 「うん。茅原さんに夜明さん、音川さんよろしくね。」


 葵と香耶達3人は軽く自己紹介を済ませた。


 「課外演習って何するんだろう~?」


 「多分、弱い魔物と実際に戦ってみるんじゃないかな。」


 香耶の疑問を葵は答えた。


 「6人で組むってことは連携力も大事そうね。」


 「……香耶じゃ心配。」


 「ねー千影! それどういう意味!」


 朱莉の考察を聞いた千影は香耶のことをからかった。


 「香耶ちゃんたちは戦闘経験あるの?」


 「あるよ! スライムとかホーンラビットくらいだけどね~。」


 「……私が影魔法で相手の動きを止めて2人が魔法を打ち込む。なお、香耶はそれでも外すことあり。」


 「千影! 恥ずかしいから言わないでー!」


 陽菜が香耶達の戦闘経験を聞くとどうやら低級の魔物とは戦闘経験があるようだ。


 その後、チャイムが鳴り授業の時間


 「お前たち、来月に課外演習があるって聞いてるな。そこで大切な武器の使用について説明するぞ。」


 「武器ですか?」


 「そうだ、ここ聖セレニティ学園は魔法使い育成のための機関だ。通常、部隊は前衛、中衛、後衛に分けられるが魔法使いはほとんどの場合後衛に入れられるため近接戦闘はほとんどする必要はない。

 しかし、全く必要ないわけではないから自衛のために近接用の魔法あるいは武器を使えるようになっていた方がいいぞ!

 魔法剣士みたいに自己強化魔法をかけて剣で戦う奴もいるしな。」


 (魔法剣士……。私の少ないマナでも自己強化を効率よく掛けたら……。)


 魔法使いであっても武器はある程度自衛用に使えた方が良いと大郷先生は言った。陽菜は魔法剣士というものがあると聞いて興味が湧いた。


 「自己強化魔法ってなんですか!」


 「主に身体強化魔法のことだ。無属性魔法であるから猛練習すれば誰でも使えるようになるぞ。基本的に消費するマナでどれくらい強化できるか変わるな。」


 香耶が聞いたら先生は詳しく自己強化魔法について説明した。


 「よし、グラウンドに行って実際に武器を使ってみるか。怪我しないように重さだけ本物と同等のレプリカだから安心して使っていいぞ。」


 グラウンドに着いた。


 「思ったより剣重いね~!」


 「……香耶なら間違って自分を刺しそう。」


 「千影~!」


 「ふふっ。香耶ならありそうね。」


 「ちょっと、朱莉まで!?」


 剣を重そうに持つ香耶を千影はいつものごとくいじる。


 「確かに重いね~。」


 (『世界解答(ワールドアンサー)』を使えば……。)


 「『世界解答(ワールドアンサー)』。パワーブースト。剣が軽い!」


 「ひな、凄いわ。ちょっと体触るわね。」


 「えっ? うん。」


 「……見た目は変わってないし触った感じも元の筋力と同じくらいぷにぷに。陽菜がごつくなったらどうしようかと思ったけど心配無用だったわね。まあ、どんなひなでも愛するのだけど。」


 「あはは……ありがとう。マナがパワードスーツみたいに補助してくれる感じなのかな。体も凄く軽く感じるし剣術も練習したら実践で使えるかも!」


 姫香は陽菜の容姿に変化がないことを安堵しているようだ。陽菜は実使用が5%以下になった自分のマナでもこれなら戦えるようになるかもしれないと嬉しそうにしている。


 「わああ! 陽菜ちゃん凄ーい! ねえそれだったら二刀流もできるんじゃないかな!」


 「……いいね。面白そう。」


 陽菜が剣を軽く振っているのに気付いた香耶が提案し、千影も乗る。


 「二刀流かあ。一回やってみるね!」


 「剣もう一個持ってきたよ。」


 「ありがとう朱莉ちゃん、借りるね! おおっ! 片手ずつ持っても大丈夫そう! 今のところマナの消耗も少ないから良い感じかも!」


 陽菜はとても喜んでいる。前のように魔法攻撃主体で戦うスタイルは厳しいことは自覚していた。この力を極めればいつか両親たちを殺した奴らを自らの手で殺せるかもしれない、そう思うと興奮が収まらなかった。


 (陽菜が嬉しそう……。あの子は少しずつ目的に向かって進んでいる。私は……。)


 「相沢さんは武器どうだった?」


 「っ! 私もみんなと同じくまだ使いこなせそうにないかな。」


 陽菜のことを見て考えている葵に朱莉が近づいて聞いた。


 「そっか。陽菜ちゃんは凄いよね。毎日、毎時間目標にしているものに向かって頑張ってる感じがするわ。」


 「……そうだね。あの子は本当に凄いよ。昔からずっと一緒。一度決めたことは絶対に諦めないし……。」


 「幼馴染なんでしょう? 大好きな気持ち伝わってくるわ。」


 「っ!? ……なんでそう思うの?」


 「だって、あなたが陽菜ちゃんを見る目はとても優しいもの。あっ、みんな戻るみたいだから私たちも行こっか。」


 「……行こっか。」


 朱莉に見透かされた感じがして葵は気恥ずかしい。朱莉の目的は陽菜と私の仲を取り持とうとしているのだろうか、と葵は考えるのだった。


 教室に戻った後、香耶が開口一番、


 「ねえ、今日の帰り6人で遊びに行こうよ!」

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