22話・桜花爛漫
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魔道具が反応し陽菜のマナが安定して流れ込む。あまりに一定の供給により魔道具が煌めきだした。
「何! この光は!? とっても眩しいよ!」
「……私の影も消えそう。」
「陽菜ちゃんの持っている魔道具の反応が激しくなってるの?」
香耶達3人はあまりの煌めきに目を開けるのも苦労している。
「やばい、何が起きてしまうんだ!」
「ひな、あなたならきっと……。」
(陽菜……いつも私が見ているよりもずっと先にいるね。)
「そろそろマナが無くなりそうっ! でも『世界解答』で解析したらぎりぎり終わるみたい。っ! 眩しい!?」
先生、姫香、葵までもこの反応に息を呑み驚きを隠せない。陽菜の『世界解答』によるともうすぐ終わると確認したその瞬間。
「何? ……この景色は!?」
「……桜花爛漫。」
「綺麗……。」
「こんなことがあっていいのか!?」
香耶達と先生は見た景色に今までで一番衝撃を受けたかのような顔をしている。
「反応が終わった。どうなったの?」
「ひな、あなたは本当に凄いわ。見てこの景色を。」
「これは……千本桜みたい……。」
目の前にあったその景色。そこには見渡す限り桜で埋め尽くされていた。
「なになに! こっちで何があったの!」
「うわーすごっ!」
「大郷先生がやったの? それとも生徒? やばっ!」
他のクラスや在校生が野次馬のように集まってきた。
「お前たち、授業中だぞ。と言いたいところだが、これを見るとな……。仕方ない一旦自習だ! まさかとは思っていたがこうなるとは……。理事長に確認してくる。」
――1時間後
「かなり待たせて悪かったな。まさか校舎裏の土地が広大とはいえほとんど桜で埋め尽くしてしまうとは異例の事態だったからな。
結論から言うと、このまま置いておくことにした。
理事長が言うには、
新たな学園の観光場所が出来ていいじゃないですか。魔道具で作った桜は半永久的に持ちますしね。
とのことだ!」
「えー! 陽菜ちゃん学園名物になっちゃうかもしれないもの作ったってこと! 朱莉そういうことだよね!」
「その解釈であってると思うけど……。」
先生が言ったことに香耶と朱莉は度肝を抜かれている。
「ひな、明日は桜の下で一緒にご飯食べましょうか。」
「えっ。いいのかな?」
「ナイスアイディア、水野さん! じゃあ、明日シート持ってくるね!」
姫香の提案に即乗った香耶。
――数日後
「なんか毎日色んな人にじろじろ見られてる気がする?」
「ふふっ、仕方ないと思うわ。だってあの『セレニティ桜』を作ったんだもの。」
「えっ!? 朱莉ちゃん、今何か聞きなれない単語聞こえたよ!」
「……理事長が観光名所にして名前を付けた。」
「えええええっ!」
朱莉から出た謎のワード『セレニティ桜』。その単語の意味を千影から教えられた陽菜は仰天。
「実際、みんな休憩中にあそこにいること増えてるし生徒以外の人も観光に来てたよ!」
「そうね。陽菜ちゃんは確か地球出身よね。だから桜を見慣れてるのかもしれないのよね。私たち含め、他の星からの人は桜なんて実物を見たことすらない人が大半だから凄く心が動かされるのよ。」
「そ、そうなんだ……。」
香耶と朱莉の言葉に陽菜は納得しようとしている。
「……他の星で思い出した。来月学園外で課外演習する。」
「そういえば! みんな同じ班になろうね! 6人班だっけ? 相沢さん入れたらちょうど6人だね!」
「……どうだろう? 葵も他の子と組む予定あるんじゃないかな?」
「じゃあ、私が誘ってみようかな。」
「えっ? 朱莉ちゃんが?」
葵を誘うのは無理だろうと陽菜は遠回しに言ってみたつもりだったが、朱莉が誘うと言ったので思わず聞き返してしまう。
「駄目だったかな?」
「ううんっ! 駄目じゃない! 駄目じゃないよ!?」
「だったら決まりよ。行ってくるね。」
「……ねえ香耶ちゃん? 今日は朱莉ちゃんの様子どう?」
「朱莉の事? いつもと一緒じゃないかな! 朱莉はたまに行動力凄いんだよね~!」
「な、なるほど!?」
「良いんじゃないかしら。私かひなが誘っても来ないだろうし。音川からだったら考えるでしょう。」
いつも大人びて落ち着いた雰囲気の朱莉が葵を誘うと言い出した。様子が違うと感じた陽菜は香耶に聞いたがたまにあることのようだ。姫香の言っている通り葵はどう判断するのか陽菜には分からない。
「相沢さん、ちょっといいですか?」
「音川さん……。いいですよ、何の用ですか?」
「実は、来月課外演習ありますよね。ぜひ一緒の班になって欲しいんです。」
「っ!? ……私とですか?」
「はい。」
葵は初めて喋った朱莉からの誘いにびっくりした。何か意図があるんじゃないかと詮索しようとする。
「陽菜からのお願いですか?」
「ううん、私と香耶が組みたいって思ったからです。陽菜ちゃんには許可は取ったんですけどね。」
「そ、そうなんですか……。」
いまいち腹の中が読めない朱莉に対し葵は考え込んだ。そして、
「分かりました。私で良ければ……。」




