20話・学園で最初のお友達
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「私は茅原香耶だよ! 11歳!」
「茅原さん。私も11歳だよ。」
「同い年だね! 香耶でいいよ! 陽菜ちゃんって呼んでもいい~?」
「……香耶ちゃん。うん、その呼び方で良いよ。それと、私で良かったら友達に。」
急に友達になろうと言って来た少女、香耶。元気いっぱいの子だ。
「ねえ! 2人とも! 陽菜ちゃんと友達になれたよ~!」
「香耶、初対面の子にぐいぐい行きすぎよ。」
「……そう。香耶は猪突猛進。」
香耶が元気に報告すると2人の少女たちが来た。
「私の名前は音川朱莉です。よろしくお願いします。」
「……私、夜明千影。」
「天宮陽菜です……! よろしくお願いします!」
オレンジの髪の朱莉という子と、紫の髪の千影という子にも挨拶された。
(いきなり3人も友達増えちゃった!)
陽菜が嬉しそうにしていると、
「あなた達、私のひなに何の用……?」
少しムッとして近づいてきた姫香。
「あなたは水野さんだよね! 水野さんも友達になろ~。」
「は? なんで私が。」
「ひ、ひめちゃん……! 3人とも今友達になったんだよ。ひめちゃんも友達になろう?」
姫香を宥めるように説明する。
「……分かった。ひなが言うなら。あなた達よろしく。」
「水野さん、よろしくね~!」
香耶が手をぶんぶん振る。そして次の授業の時間になった。
「今からお前たちの測定テストをするぞ! さあ付いてこい!」
「先生張り切ってるね! 陽菜ちゃんは魔法得意?」
「うーん……。」
(得意だったんだけど今の状態を考えると……。)
「そんなに得意じゃないかも。」
「そうなんだ! 私もそんなに得意じゃないけど一緒に頑張ろうね!」
香耶から魔法が得意かどうか聞かれた陽菜は少し考えて得意ではないと伝えた。
「よしみんな着いたな! それじゃあまずは出力テストだ。測定器の付いた的があるからそこに初級魔法を撃て。数値が出た後記録しておけよ! 順番は適当でいいぞ。」
「じゃあ私からやりたーい! 初級・血球。数値は600か〜。これって低いのかな?」
「600か、今回去年の新入生の平均の500に設定してあるから十分高いぞ!」
「……さす香耶。……撫で撫でしたげる。」
「千影ありがとう! 次千影やってみよ!」
「……りょ。」
香耶の数値は600と去年の平均よりも高いようだ。続いて千影が挑戦する。
「初級・影球。……620。」
「千影さっすがー!」
「2人とも凄いね~。」
2人とも平均を超えているので陽菜は感嘆した。
……
「今8割くらい終わって平均470くらいだな。まあ、安心しろ! 今低くても頑張れば伸びるぞ! よし残りも頑張れ。」
(葵が並んでる……。)
「初級・水球。900……。」
「わー! あの子凄い!」
「……別格。……でもこっちには朱莉がいる。」
「朱莉ちゃんも凄いの?」
「うん! 朱莉は私達よりも凄いよ!」
葵の数値に驚愕していると朱莉が凄いという情報を聞いた陽菜。
「初級・反響球、数値は1100みたい。」
「朱莉ちゃん凄いな〜。私もしないとだけど……。この後にやるの恥ずかしいかも……?」
「陽菜ちゃん、頑張って。」
「うん、ありがとう。頑張るね……!」
朱莉が陽菜に優しく微笑む。
「よーし。」
(呪いを受ける前の私だったら自信あったんだけど……。数値低すぎたら恥ずかしいなぁ。)
「初級・火球。数値は200!?」
陽菜は想定していた低さよりもかなり低くて笑えない。
「陽菜ちゃん! 大丈夫! 先生の言ってたようにこれから伸びるよ~!」
「……そうだよ、香耶も言ってるし。」
「陽菜ちゃん、落ち込まないで……?」
「みんな……。」
(呪いの影響のせいだからこれから伸ばせるかなぁ……。)
「ひな、安心して。私がこれから守るから無理に力をつけなくていいわ。見ていて。」
陽菜の傍に近寄って頭を撫でる姫香。自分の圧倒的な強さを見ていてほしいようだ。
「次で最後だな! 頑張れよ!」
「初級・閃球」
「数値は……3000!?」
「化け物級かな?」
「計測ミスじゃ……。いやでもあの火力は……。」
姫香が叩き出した数値にみなざわめきだした。
「ひな、見ていてくれた?」
「………………。」
あまりの凄さに陽菜は放心状態。
「水野さん! そんなに強かったんだね!」
「は? 当然よ。」
「……自負過剰。でも実力えぐい……。」
「なんか言った? まあこれで音川を抜いてダントツ1位ね。」
「私なんか比じゃないくらい凄かったわ……。」
姫香はダントツ1位で満足している。
「ひめちゃん……。ここまで強くなったんだね。私と別れてから短期間で血の滲む努力したのがはっきりと分かったよ。流石だよ。」
「ありがとう、ひな。私は呪いを受ける前のひなと同じくらい強くなれたわ。私はひなのモノよ。だから復讐の時は私を使って一緒に倒すのよ。」
「……うん。」
姫香は他の人に聞こえない様に陽菜の耳に近づいて話した。
「次は並列魔法テストだ。魔道具を用意したぞ。この魔道具にはマナを流し続けることで光る。1枚じゃ楽勝だが2枚以上になるとマナの分配、つまり並列能力が必要だ。何枚までいけるかテストだ。」
「うわぁ……難しそう!」
大郷先生が取り出した魔道具を使うようで全部で20個あった。
「去年の平均は1.1枚だったかな。 だから、1枚でも恥ずかしいことじゃないぞ!」
「よーし、やってみるね!」
……
「相沢が4枚、音川が3枚、水野が2枚、後は1枚か。最後は天宮だな! 魔法出力は最下位だったが頑張れよ!」
「はい!」
(『世界解答』が効果を発揮できる試験だね……。今の劣っている私が武器にできるのはこの『世界解答』しかない。だから使いこなせるようにこれからはどんどん使っていく……。)
「よーし! 通電! (『世界解答』)」
「1枚、2枚、……3枚!? いやまだ行くのか!?」
「どんどん光ってる! 凄い……陽菜ちゃん!」
「流石ひな。もう10枚よ! 全部光らせられるわ!」
(陽菜……。)
次々と魔道具を光らせていく陽菜に、先生、香耶、姫香含め一同驚愕している。葵も何か思うところがあるようで……。
「よし20枚!」
「いやあ、魔力出力の時は圧倒的に弱くて今回のテストどう励まそうと思っていたがまさかの才能だな! 素晴らしいぜ!」
「ひなは才能の塊なんだから当然よ。」
「陽菜ちゃん、凄かったよ。」
「そうそう! あまりの凄さに感動して泣いちゃった!」
「……それは言い過ぎ……でもないかも。」
「えへへ。ありがとう。」
「よし、これで2つのテストは終わりだ。お昼休憩とするぞ! 休憩後に最後のテストだ!」
褒められた陽菜は恥ずかしそうにしつつ喜んでいる。まだ自分にも取り柄が残っていた……その気持ちの中で。
(距離を置いてからもう1か月近く。お昼ご飯……葵を誘いたいな……。)




