【2章スタート】19話・『聖セレニティ学園』入学
2章スタートしました!
見てくださってありがとうございます!
差し支えなければ☆評価やブックマークで応援していただけると嬉しいです!
――『蛍火』内
「陽菜、私もあなたに付いていくことに決めたよ……。でも、ごめんなさい。まだ……まだ、あなたの顔を見るとどうしても動悸が……。だから、しばらくの間は少し距離を置いてもらいたいの……。」
「……分かった。できる限り話しかけないようにするよ……。葵が来てくれただけでも凄く嬉しいから……。」
お互いの距離を少しの間離すように決めた。2人は目を合わせることができない。
「さて、あなた達3人にまずは魔法学校に入学してもらういます。」
「魔法学校?」
「『蛍火』内にはいくつか魔法学校を有しています。その中の1校に入学してもらい卒業までそこで学んでほしいのよ。」
「『蛍火』内にあるんですか!」
マリアが提案したのは陽菜達3人を『蛍火』が提携、運営している学校に入学させることだった。
「もうすぐ春でタイミングも良いと思うの。あなた達3人なら優秀だから1年もあれば卒業できると思ってるわ。卒業すれば『蛍火』が管轄しているギルドに登録できて依頼を受けることができる資格が交付されるわ。」
「なるほど! それじゃあ卒業するまでは今は何もできないということですか?」
「ええ、その認識で合ってますよ。」
「じゃあ、できるだけ早く卒業できるようにしないと……。」
卒業までは何もできないことを知った陽菜は少しやきもきしつつ決意をした。
「魔法学校って他の所と何が違うの?」
「一言でいえば、教育水準が他の所よりも大きく違うわね。例えば、あなた達が地球で通っていた学校に比べると卒業までに最低でも中級魔法取得必須の上、実戦経験を積み実績を認められる必要があることね。」
姫香の疑問にマリアは簡単に説明した。
「まあ、入ってみれば色々分かると思います。問題なければ入学手続きをしておきますね。」
「さっきいくつか学校を有してると言ってましたけど私たちが入るのは決まってるんですか?」
「ええ、あなた達3人なら『聖セレニティ学園』ね。私達が経営する学校の中で最も授業内容が難しく卒業水準も高いのが特徴よ。」
「一番難しいんですね。うーん、今の私に卒業できるかな……。」
「大丈夫よ、ひな。あなただったら絶対に。」
卒業が難しいことを聞いた陽菜は、自身にかけられた呪いの影響で大幅に弱くなっているので卒業できるか不安に感じている。
「天宮さん、あなたには『世界解答』があるんだからきっと大丈夫よ。3人で卒業した後は『蛍火』にとって大きく貢献してもらえること、そしてあなたの『復讐』が成し遂げられることに期待してますよ。」
「……はい。頑張ります!」
『世界解答』を使うことに少し抵抗はあるが、今の自分の強みはそれしかないと分かっているので駆使してでも卒業する意思を強めた。
そして、一月が過ぎ――
――小5の春
「入学生の諸君、私は君たちAクラスの担任大郷剛だ。よろしくな! さて、まずは端から自己紹介してもらおうか。名前と得意属性を言ってくれ!」
「相沢葵です。得意属性は水です。」
「天宮陽菜です! 火が得意です!」
……
「水野姫香よ。得意なのは雷。」
……
五十音順に自己紹介が終わった。大郷先生は出席簿と名前が一致しているか確認が終わり頷いている。
「それでは授業をする前にこの学校のシステムについて説明するぞ。簡単に言えば1つ、強くなったら卒業できる。具体的に言うと、今までの卒業生と同等の魔法出力を持ち、中級を使いこなせる、あるいは上級魔法を使える。こんな感じだ!」
「実戦経験については?」
大郷先生が説明した後、姫香はもう1つ条件を忘れて無いか淡々と聞いた。
「お、良く知ってるな! 実戦経験ももちろん大事だぞ。授業で行う模擬戦闘の他に、実際に魔物が出る場所に行って戦ったりもするぞ。
とまあ、こんなところだ。質問が無ければ授業を始めるぞ!」
「最長でいつまでですか? もし卒業できなかったらどうなるんですか~?」
「最長か。今までで最高だと5年間だな。この学校に入学する時点で選ばれた者たちなんだ。自主退学しない限り確実に卒業できるようにサポートするぞ! 因みに平均は3年だ。」
「分かりました!」
ピンクの髪の少女が先生の答えを聞くと納得した表情をしている。
「他には無いみたいだから、授業を始めるぞ。まずは魔法についての基礎確認だ。」
大郷先生が授業を開始した。
「魔法には、初級、中級、上級、最上級があるのは知ってるよな? 魔法を使う上で大切なランクだが後2つ重要なことがある。
それは、魔法出力とマナ変換効率だ。」
「ランクと同じくらい大事なんですか?」
ピンク髪の少女は興味津々で聞いている。
「ああ、特に魔法出力は最重要と言っても過言ではない。理由は初級~最上級はあくまで倍率に過ぎない。
魔法出力に対してそれぞれのランクの倍率がかけられるんだ。つまり、魔法出力が低ければ最上級を使ったとしてもそれほど強大にならないんだ。」
「倍率?」
「そうだ。例えば初級を1として倍率を表すとこんな感じだ。」
初級・1
中級・5
上級・20
最上級・50
「倍率は誰が使っても一定だ。同じ魔法を使っているのに他の奴とダメージが変わっていると感じるのは魔法出力がそれぞれ違うからだな。」
大郷先生がランクによる倍率を板書した。ランクによる倍率は一定なので他の人よりも強くなるには自身の魔法出力を上げるしかないようだ。
陽菜は気になったことを質問しようと手を挙げた。
「もう1個のマナ変換って何ですか?」
「誰しも体にマナと言う固有のエネルギーを持っている。マナを変換して魔法を使っている訳だが使う魔法の練度で使用量を減らすことができるんだ。」
「使用量を減らせる……。」
呪いを抑えるために大部分のマナを使っており、実使用できるマナが5%以下になった陽菜にとってこの話に希望が見えた。
「正直、魔法のランクでは将来的に差を付けにくい。しかし、魔法出力は鍛えれば鍛えるほど伸びる。だからお前たちには常に頭に置いて出力を鍛えて欲しいぞ。」
大郷先生が説明を終えた後、チャイムが鳴り休憩時間になった。
「授業凄くためになったなぁ……。」
陽菜は授業で得られた知識に満足感があった。
(葵とはあの日から全然話せてないな……。まだお互い気まずくて前の席にいるのに言葉が出ないよ……。あっ……。葵が他の人に話しかけに行っちゃった……。)
「ねえねえ! 天宮さん! 友達になろうよ!」
「えっ?」
陽菜に突然話しかけてきたのはピンク髪の少女だった。




