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邪道転生〜思ってた転生と違うんですけど!〜  作者: 玉将
第一章 異世界交流編
6/58

06:半年留学したやつはだいたい喋れるようになって帰ってくる

 








 自分の中の、魔力に蓋をしていた部分を開放してから半年が経った。

 その間に判明したことと言えば『彼』の名前だ。


 ユリウス・クローバー


 クローバー家のユリウスくん。

 かっこいい名前だ。実に俺の厨二心をくすぐってくれる。


 これは、俺がユリウスくんの両親の会話から少しずつ学習していったこの世界の言語から判明したものだ。


 そして、最近では俺もユリウスくんに魂から呼びかけている。

 魂から呼びかけているっていうと熱い感じがするけど、めっちゃ適当だ。


 –おーいユリウスくーん–

 –あいあ〜–


こんな感じ。まだ生後半年だからね。多くは求めるまい。


 ユリウスくんに呼びかけようと念じればユリウスくんは返事をくれる。逆もまた然りだ。

 ユリウスくんがなにを考えているか俺にはわからない。何も考えていないこともあり得る。


 今は俺から呼びかけなければ話しかけてこないが、だいたいこんなやり取りばかりだ。やり取りと呼んで良いものかわからないが…。

 それでも、寂しさは大分マシになった。誰とも話せない俺が唯一コミュニケーションを取れる相手だ。

 ユリウスくんは俺の存在を何だと思っているんだろうか。生まれたときから俺が引っ付いていたユリウスくんには特に違和感はないのだろうか。

 俺でも今の状況がよくわかっていないから、生後半年のユリウスくんに聞いてもわかるはずもないけど。


 ユリウスくんの外見は主に母親からの遺伝を受けているようで、白髪白目だ。

 ただし、前髪の一部と右目は黒髪黒目の父の影響か、それとも元日本人の俺の影響か、黒く染まっていた。オッドアイってやつだ。

 白髪にオッドアイ。俺に刺さる要素が多すぎて今から将来が楽しみだよ。


 外出も何度もした。

 周りの家も石造りのものが多く、それに比べてクローバー家は少しだけ大きかった。

 近所の家に挨拶に行ったり(抱っこされてるだけ)、近所の同い年ぐらいの女の子とはじめましてしたり(抱っこされてるだけ)、平凡な毎日が続いた。


 そんな中、俺の魔力訓練は軌道に乗りつつある。

 今でも身体は動かせないが、魔力だけは体外で操作できるようになっている。

 そのため魔力を腕状にしてユリウスくんをこしょこしょしたり、椅子みたいにして空気椅子ならぬ魔力椅子を使って擬似飛行体験(安心安全の高度2センチ)を行ったりしている。


 どちらも大好評だが特にこしょこしょのウケはやばい。

 やはり赤ちゃんには単純明快な遊びがクリーンヒットするようだ。


 もうね、ユリウスくんが可愛すぎてやばい。

 前世では弟がいなかったから弟みたいでまず可愛いし、この世界では寂しさのあまり発狂しそうになることもあるから、キャッキャしたリアクションを返してくれるだけで嬉しさがやばくて可愛い。泣きそうになる。

 とにかく語彙力が死ぬぐらいには可愛い。


 話を戻すと、俺の魔力はまだまだ成長していくようだし、制御も操作もまだまだ限界なんてこともないはずだし、もっともっと鍛えていくつもりだ。


 ただ、炎とかのオーソドックスな魔法を出せる気配は全くない。魔力を動かせるだけだ。

 これは家にいるときにユリウス父&母があまり魔法を使わずに魔道具らしきもので済ませているから、魔法を見る機会がないからだ。


 だから俺は魔法を鍛えることができず、魔法のエンジンである魔力だけをひたすら鍛えている。


 まあ魔力だけでも結構やれることは多いから文句は言うまい。正直言って魔力操作訓練はめちゃくちゃ楽しい。

 それに、いつか魔法を見れる機会もあるだろう。


 そんなことを考えながら、揺り籠の上で寝転んでいるユリウスくんを魔力で作った腕でなでなでして寝かせて、魔力操作訓練を再開した。




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